鑑賞記録(2022.9.23)オレクサンドル・ドヴジェンコ監督『大地』1930@神戸映画資料館

鑑賞記録(2022.9.23)

オレクサンドル・ドヴジェンコ監督

大地』1930

@神戸映画資料館

伴奏:鳥飼りょう

 

連続講座:20世紀傑作映画再(発)見 

第14回

講師:井上正昭

 

(※今回私は、都合上、残念ながら

講座には20分ほどしか参加出来ませんでしたが)

 

 

『大地』1930/87分[16fps]/ソ連/モノクロ/サイレント/16mm

エイゼンシュテインらと並ぶソビエト映画の巨匠と言われながら、ドヴジェンコの作家としてのイメージはいまだに曖昧なままである。そのことは、彼がスターリン体制下のソビエトに忠実であろうと努める一方で、故郷ウクライナにこだわり続けたことと無縁ではないだろう。エイゼンシュテインの『戦艦ポチョムキン』、プドフキンの『母』と並んでソビエト映画の3大名作の一つに数えられる『大地』は、ドヴジェンコの代名詞のような作品であるが、本当にちゃんと理解されているだろうか。プロットだけたどれば、これは単純なプロパガンダ映画に思えるかもしれない。しかし実際にそこに描かれているのは、ウクライナの圧倒的自然であり、そしてその中で静かに繰り返される生と死のサイクルである。モンタージュ派という言葉でひと括りにされてはいるが、ドヴジェンコのスタイルは、同時代のソ連の映画作家たちのそれとは全く異なる独自のものだった。今回の講座では、この映画が作られた当時の時代背景や、そこに描かれる様々な象徴的イメージなどを読み解きながら、タルコフスキーが賛辞を惜しまず、ソクーロフにもリスペクトされたこの映画作家の映画美学を浮き彫りにしてゆく。講師:井上正昭(翻訳・映画研究)

(↑神戸映画資料館公式サイトより)

ウクライナ人オレクサンドル・ドヴジェンコ監督作品。『ズヴェニゴーラ』(1928年)と 『武器庫』(1929年)に続くドヴジェンコによる「ウクライナ三部作」の3作目。ドヴジェンコの代表作と言われることが多い。

この映画は、農業の集団化を肯定的に描いている。その筋書きは、最初のトラクターを導入し、成功を収めた集団農場を台無しにしようとする富農の企てを中心に展開するが、冒頭には、りんごの味に強い喜びを感じる瀕死の老人の長いアップがあり、このシーンには明らかな政治的メッセージはないが、自伝的側面もある。この映画はソ連当局から非難された。詩人のデミヤン・ベードヌイは新聞イズベスチヤの3段にわたってその「敗北主義」を攻撃し、ドヴジェンコは再編集を余儀なくされた。

(↑ウィキペディアより)

今回上映のプリントは、かなりオリジナルに近い状態だそうです。(井上さん談)

オレクサンドル・ペトローヴィチ・ドヴジェンコアレクサンドル・ペトローヴィチ・ドウジェンコ

(ウクライナ語:Олександр Петрович Довженко;ロシア語:Александр Петрович Довженко;英語:Olexander Petrovych Dovzhenko

1894年9月10日 – 1956年11月25日

ウクライナ出身の映画監督、脚本家。ウクライナ人。(中略)

セルゲイ・エイゼンシュテイン、フセボロド・プドフキンと並んで、ソ連映画界の3大巨匠と称されるが、彼らに比べて映画界に進出した時期が遅かったため、国外では幾分知名度は低い。 (中略)

1926年からオデッサの映画撮影所で監督として活動をはじめる。1928年の『ズヴェニゴーラ』でより大きな成功を収めた。(中略)

『武器庫』はウクライナの共産党政府当局に酷評され、ドヴジェンコへの嫌がらせが始まったが、彼にとって幸運なことにヨシフ・スターリンはこれを観て気に入った。(中略)

その後、全ロシア映画大学で教鞭をとった。教え子にセルゲイ・パラジャーノフなどがいる。1956年11月25日に心臓発作でモスクワで死去した。亡くなった1年後の1957年には、ソ連映画界におけるその功績を称えてキエフ映画撮影所がドヴジェンコ映画撮影所に改称され、1959年に「海についての詩」の文学脚本でレーニン賞を受賞。1972年には、ドヴジェンコ最優秀戦争愛国映画金メダルが創設された。(ウィキペディアより)

 

原題

Земля(ウクライナ語)

(ラテン文字転写:Zemlya)

(英題:The Earth)

 

一言あらすじ

第一次五カ年計画下での集団農業化に反対する富農に若者が勝利する物語を描いている。(ウィキペディアより)

 

感想

(※ほんの少し、井上さんのお話も交えますが、

間違い等あったら・・すみません・・・)

 

 

本作はサイレント映画で、

鳥飼りょうさんの

伴奏付き上映!!

 

 

上映後、

井上正昭さんによる

講義が付いていたのだが、

 

後の予定の時間的都合により

 

残念ながら泣く泣く講座は

最初の20分だけチラ聞きして断念。

 

 

 

井上さんの講座を聞いていたら、

もっと深く理解出来たかと思いますが

 

そこはもう仕方なしで、

 

 

いつもの勝手な感想をば。ww

 

 

 

 

大自然を大きく映した

美しい絵画的な画。

 

 

小麦畑、ひまわり、りんごの木・・・

 

 

『大地』と名付けられている本作を

体感するかの如く

 

 

自然界にもたらされた

生命を次々と映していく。

 

 

 

人間を含め

自然界のあらゆるものの

生と死、

 

 

すべては生まれ、

そしていつかは朽ちて

また土に還る。

 

 

 

人間も動物も食物も

それは同じで繰り返されていく。

 

 

(ちなみに冒頭登場の老人の名前、セミョンとは、

種や種子などと言う意味があると、井上さん談)

 

 

 

そのことが主題なのかな?

と、思いきや、

 

 

富農と貧農という

格差社会的な階級的対立のようなものや、

 

 

今まで畑を牛で耕していたところに、

初めてトラクターが導入され、

 

 

技術革新が行われ

労働革命的な事態が起こる。

 

 

トラクターを使い、

小麦を育て、収穫し、

加工してパンになるところまでの描写も!ww

 

 

生産から加工までを独占してますね・・・

(集団的生産だから??)

 

 

 

さらには、

 

集団農業化を求める多くの農民と

個人の利益を今まで通り追求する富農の

 

社会主義 対 資本主義

的な対立構造。

 

 

(ただし、構造は見えるが、

画的には貧富の差は分かりづらい。

これは井上さんが指摘されてました。

監督は露骨に差を描いていない、と。)

 

 

 

 トラクターを入手し、

 

(入手後、一度故障するも、

直し方がそんなまさか!w)

 

貧農の若き青年リーダーとも言える

ワーシリ(ワシリ?)が

 

成功を収めつつあったが

悲劇が・・・!!

 

 

 

 

全体を通して、

やや映りが暗く、

見えづらいところなどあり、

 

 

なんとなくこちらが想像して

観ていく部分もあるが、

(井上さんも仰ってました)

 

 

そういう演出なのかは・・・??

 

 

 

 

映画を観ながら

勝手に思っていたのは、

 

ドヴジェンコ監督、

印象派の絵とか好きなのかな〜??

 

なんて思いつつ。ww

 

 

 

なんとなくだが

画的に

そんな風に感じた。

 

 

 

その理由の一つとして、

 

人物のアップや、

りんごやひまわりのアップなど

 

クローズアップが

多様されているからだろうか?

 

(これは井上さんが仰っていて、

だからそう思ったのかな?と思った)

 

 

 

井上さん曰く、

エスタブリッシングショットが

使われていないとのこと。

 

(※エスタブリッシュショットとも言う。

シーンの冒頭などで、場所の状況や

出演者の位置関係を認識させるためのショット。

全体を映すなど)

 

 

 

全体を俯瞰している場面は少なく、

 

群衆が集まっている時

ぐらいだったかな〜?

(結構な人数の村人がエキストラとして登場。)

 

 

 

基本、

人物やりんごのアップや

自然の風景が多く映ったから

 

絵画を観るように

見えたのかもしれない。

 

 

なんとも言えない

じっくりとモノや人を映すスタイルで

 

独特の雰囲気が面白かったです。

 

 

 

井上さんも仰っていましたが、

 

 

当時の時代背景や

ソ連、ロシア、ウクライナなどの

歴史的背景、

文化などを知っていると

 

深く読み解くことが

出来るかもしれませんね。

 

 

(私は知識ないし、全然読み解けませんが・・・

少しずつ勉強しておきたいですね)

 

 

 

そして、

 

いつもの如く

素晴らしい演奏をしてくださった

鳥飼さん。

 

 

映画のお話のアシスト的

音の挿入もあり、

 

とても観やすくなっている

のではないかと思いました。

 

 

 

優しさとダイナミックさを

融合させて

 

映画を盛り上げてくださいました!

 

 

とても楽しめました!!

 

 

ありがとうございました。

 

 

(2022年9月31本目。本年度345本目、映画館183本目)

 

 

 

スタッフ

監督・脚本・編集:オレクサンドル・ドヴジェンコ

助監督:ユーリヤ・ソンツェワ、ラザル・ボジク

撮影:ダニール・デムツキー

美術:ワシリー・クリチェフスキー

音楽:ヴャチェスラフ・オフチニコフ

製作会社:ウクライナ・キエフ撮影所

 

キャスト

オパナス:ステバン・ジュクラート

ワシーリ:セミョーン・スヴァシェンコ

ワシーリの妹:ユリア・ソーンツェワ

ワシーリの恋人ナタールカ:エレーナ・マクシーモワ

ペトロ爺さん:V・クラセンコ

セミョーン爺さん:ニコライ・ナデムスキー

富農アルヒプ・ベロコニ:イワン・フランコ

アルヒプの息子ホマー:ピョートル・マソハ

神父:ウラジーミル・ミハイロフ