鑑賞記録(2022.10.24)マチェイ・バルチェフスキ監督『アウシュヴィッツのチャンピオン』2020@CinemaKOBE

鑑賞記録(2022.10.24)

マチェイ・バルチェフスキ監督

アウシュヴィッツのチャンピオン

2020

@Cinema KOBE

 

Cinema KOBEさんにて

 

『アウシュヴィッツのチャンピオン』

誰よりも狙われた男

2本立て上映中!!

(2022.10.22~10.28まで)

 

 

『アウシュヴィッツのチャンピオン』2020/91分/ポーランド/カラー/ビスタ/5.1ch

本作は、アウシュヴィッツ強制収容所で司令官や看守らの娯楽として消費される葛藤を抱えながらも、生き延びることを諦めずにリングに立ち続けた一人のボクサーの実話を基にしたヒューマンドラマ
モデルとなった実在のボクサー、タデウシュ・“テディ”・ピトロシュコスキは、看守やカポ(囚人の中の統率者)を相手に数十戦の勝利を収め、囚人仲間にとってナチスの恐怖を打ち破り生き残るための希望の象徴だった。元囚人たちの証言や、本人の記憶をもとに、彼が歩んできた歴史を見事に映像化。
世界を震撼させた“悪”を描くだけでなく、それに対抗する“希望”について描いた本作の監督を務めたのは、ポーランド出身でホロコースト生存者の孫でもあるマチェイ・バルチェフスキ。スティーヴン・キングの物語を映画化した短編デビュー作『My Pretty Pony』(17)はロサンゼルス映画批評家協会賞をはじめとする数々の賞を受賞。(公式サイト”INTRODUCTION”より一部抜粋)

原題

Mistrz

(英題:The Champion of Auschwitz)

あらすじ

第2次世界大戦最中の1940年。アウシュヴィッツ強制収容所に移送される人々の中に、戦前のワルシャワで“テディ”の愛称で親しまれたボクシングチャンピオン、タデウシュ・ピトロシュコスキ(ピョートル・グウォヴァツキ)がいた。彼には「77番」という“名”が与えられ、左腕には囚人番号の入れ墨が刻まれた。十分な寝床や食事を与えられることなく過酷な労働に従事させられていたある日、司令官たちの娯楽としてリングに立たされることに――。 公式サイト”STORY”より)

 

感想

観ようと思っていて

見逃していた本作が

 

Cinema KOBEさんの

Cinema 1にて

2本立て上映中!!

 

Cinema 1には

超久しぶりに行けました。

 

 

最近でもCinema 1で

観たい作品が

いくつかあったんですが、

 

結局見逃してしまい・・・

 

 

2本立て、

やはりお得だな〜〜!!

 

 

1本分の料金で

2本観れるとか

本当にありがたや。ww

 

 

話が逸れましたが・・・

 

 

 

まずは1本目の

本作の感想をば。

 

 

 

 

 

この世に地獄は存在した・・・

 

 

そんなことを思わずにいられない

 

言葉では表現できない程の

 

 

悲惨さと、絶望と、

恐怖、飢え、病、殺戮・・・

 

 

生きることや

生まれてきたこと

ここに存在することなど

 

 

すべてにおいて

否定的になり

 

その意味すらも

分からなくなりそうな

恐ろしい状況の中で

 

 

絶望の淵に立ちながら、

 

ギリギリで踏み留まり

生き抜いた男がいた・・・

 

 

ピョートル・グウォヴァツキ演じる

 

戦前のワルシャワの

ボクシングチャンピオン

 

”テディ”だ。

 

 

司令官たちの娯楽として

ボクシングの試合をして勝つ事で

食糧や薬が与えられ

 

密かにその戦利品を

皆に分けて配る・・・

 

 

多くの同胞が

日夜殺されていく中、

 

それでも生きるため、

立ち上がる姿は

 

真っ暗闇の世界の中で

 

希望の微かな光を放ち始める・・・

 

 

 

以前に

ゲッベルスと私』(2016)や

ユダヤ人と私』(2020)

などで観た

 

衝撃的な収容所の映像を

思い出した・・・

 

 

上記の作品では

嘘みたいな本物の映像が

事実として残っている・・・

 

 

 

それに近い感覚を

 

本作でも感じる程

凄まじさがあった。

 

 

そんな中で生き延びることは

 

奇跡に近かったんだろうと

思えてならない。

 

 

力の強さ以上に

 

テディの精神力の強さに

舌を巻く。

 

 

ぬくぬくとした

寝床があり、

食事があり、

 

娯楽を楽しめる

生活をしている私は

 

 

色々感謝しなきゃいけないなぁ

と思いつつ、

 

 

戦時下とはまた違うけど

 

テディが自分の能力を使い

なんとか生き抜いたように

 

 

私も

現在を生き抜く術を

 

ちゃんと身に付けなくてはならないと

改めて感じました。

 

 

なんだか

身の引き締まる思いになりました。

 

 

(2022年10月30本目。本年度383本目、映画館208本目)

 

 

スタッフ

監督・脚本:マチェイ・バルチェフスキ

撮影:ヴィトルド・プウォチェンニク

音楽:バルトシュ・ハイデツキ

編集:レシェック・スタジンスキ

音響効果:マリウシュ・ビエレツキ、ヤロスワフ・バイドフスキ、トマシュ・ドゥクシュタ

プロダクションデザイン:エヴァ・スコチコフスカ

キャスト

タデウシュ・“テディ”・ピエトシコフスキ:ピョートル・グウォヴァツキ

連絡指導者:グジェゴシュ・マウェツキ

収容所指導者:マルチン・ボサック

ウォルター:ピョートル・ヴィトコフスキ

ヤネック:ヤン・シドウォフスキ

ブルーノ:マルチン・チャルニク

騎兵大尉:マリアン・ヂェヂェル