鑑賞記録(2022.10.6)オーソン・ウェルズ監督『黒い罠』1958 U-NEXT

鑑賞記録(2022.10.6)

オーソン・ウェルズ監督

黒い罠』1958

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『黒い罠』1958/95分/アメリカ/モノクロ

公開当時は興行的にも批評的にも失敗したが、現在ではカルト映画(公開後に熱心なファンを獲得して、長期にわたってさまざまな形で繰り返し鑑賞・消費されるようになった映画作品を指す)としての地位を確立している。

1956年に出版されたホイット・マスタースン(マスターソン)の探偵小説『黒い罠』(邦訳:早川書房、原題:Badge of Evil=悪の記章、の意味)が原作である。映画の監督と脚本をオーソン・ウェルズが担当しているが、当初ウェルズは俳優としてのみ起用され、監督は別人に依頼される予定だった。小説の映画化を決定したユニヴァーサル・ピクチャーズがチャールトン・ヘストンと出演交渉を行った時、ヘストンがスタジオの役員にウェルズを監督として起用してはどうかと勧めたため、彼が映画の監督も担当することになった監督を任されたウェルズは、同時に脚本の執筆に着手した。原作ではメキシコ人の妻を持つアメリカ人地方検事補佐が主人公だったが、夫婦の国籍を逆にしたのはウェルズのアイデアである。その他に物語の舞台をカリフォルニア州からアメリカとメキシコの国境地帯にするなど、ウェルズは映画化に当たって様々な設定の変更を行った。

映画は主にロサンゼルスのヴェニス地区で撮影された。現在では西海岸有数のリゾート地として知られる当地だが、『黒い罠』が製作された頃は不況の煽りを受けて完全に荒廃しており、物語の舞台である国境の町を思わせる様相を呈していた。当時のハリウッドでは、芸術家肌のウェルズは映画製作にやたらと金と時間を掛ける扱いにくい監督だと認識されていた。そのためハリウッドで孤立していると感じていたウェルズは、その風評を払拭するために映画会社が設定した予算と期間内で映画を撮影することに尽力した。映画は約90万ドルの制作費を掛け、39日で撮影を完了した。若干予算と期間をオーバーしたものの、これはほぼスタジオの構想に近いものだった。

(↑ウィキペディアより)

スタジオの役員たちは物語のプロットが難解すぎるとして、オーソン・ウェルズ監督に無断で映画の脚本変更と追加撮影、そして再編集を行った。(このとき製作された109分のバージョンは、後に「試写会版」と呼ばれるもの)もちろんウェルズは激怒したが、スタジオは結局ウェルズの嘆願を殆ど無視、それどころかロサンゼルスで行われた先行上映会での不評を受けて更に映画を96分まで短縮した。(劇場公開版)(ウィキペディアより一部抜粋、引用)

作品に対するアメリカ国内の批評家たちからの評価も芳しくないものだった。ただし同年のブリュッセル万国博覧会で上映されたときは審査員のジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーたちから絶賛され、万博の最高賞を与えられたという。

1992年に映画評論家のロバート・ローゼンバウムが、ウェルズのメモの断片をフィルム・クォータリー誌で公開した。それに触発されたフィルム修復の第一人者リック・シュミドリンは、『黒い罠』の権利を保有しているユニヴァーサル・ピクチャーズと交渉し映画の修復を行う許可を得た。シュミドリンはウォルター・マーチを編集に迎え、現存する試写会版と劇場公開版を用いて映画の再編集を行った。ウェルズ本人は1985年に既に他界していたので厳密に言うとディレクターズ・カットではないが、彼の残したメモに忠実に再構成された上映時間111分の「修復版」は好評を博し、作品の評価を不動のものにした。

(↑ウィキペディアより)

U-NEXT視聴期限間近の為、鑑賞(復活の場合多々あり)

 

原題

Touch of Evil

あらすじ

メキシコ国境の町で起こった爆発事件を目撃したメキシコ政府の犯罪調査官・ヴァルガスは捜査を始める。しかし、アメリカ側の担当者であるクインラン警部は、彼の介入を露骨に拒否する。上司の命令でクインランはやむなくヴァルガスと共同捜査を開始するが…。U-NEXT本作ストーリーより)

 

感想

今回も、いつもの如く、

全く情報を入れずに鑑賞。

 

 

あまりにカッコいい

冒頭の始まりに驚いた!!

 

 

 

本作冒頭の長回しは有名らしく、

(私は知らなかったが、ww)

 

 

しかし、

そんな情報を知らなくても、

 

目を見張る素晴らしい

カメラワークなので

 

きっと多くの方が

ハッ!!とする事間違いなし!!

 

 

 

最高のオープンニングです!!

 

 

 

長回し好きの私としては、

これだけで

かなりグッときました!!w

 

 

 

しかも、

そのカメラワークの

素晴らしさったらない!!

 

 

流れるようにスムーズかつ

 

緊張感とドキドキ感を

 

増幅させるような

超キマった画になっています!

 

 

惚れ惚れしますね。

 

 

そしてここから

お話が動き出します。

 

 

オーソン・ウェルズが

かなり太った警部役で

 

一瞬、え?

オーソン・ウェルズ??だよね??

 

 

と、ちょっと疑った・・・w

 

 

これは、

メイクや詰め物などで

そうしているのだそうです。

 

 

モノクロだからか、

全然わからなかった。

 

 

リアルに太ったのかと思った・・・

(晩年はリアルみたいだけど・・・)

 

 

 

オーソン・ウェルズをはじめ、

役者も名優揃いで、

 

 

十戒』(1956)

ベン・ハー』(1959)の

チャールトン・ヘストン。

 

 

 

観たばかりの

サイコ』(1960)に

 

出演することになる

ジャネット・リー。

 

 

 

『モロッコ』(1930)

上海特急』(1932)

情婦』(1957)などの

 

マレーネ・ディートリヒ。

 

 

などなど、

 

観たことのある顔ぶれが揃います。

 

 

 

私は本作でも

面白いと思いましたが、

 

 

本作は、

ウェルズ監督に

無断で編集された劇場版ということらしく、

 

 

 

109分(試写会版)無断で再編集等。

96分(劇場公開版)さらにカット。※本作はこれ

111分(修復版)ウェルズ亡き後に製作。

 

 

みたいな感じになっているようです。

 

 

 

ウェルズのメモなどから

再編集をおこなった

ディレクターズカット版が

(完全修復版)

 

 

ウェルズの亡き後に

製作されたとのことで、

 

ぜひそちらも観てみたいですね。

 

 

本人が作り直した訳ではありませんが。

 

 

 

ゴッドファーザー』(1970)

などでもそうでしたが、

 

製作会社と監督の間で、

 

監督の思い通りにならないことは

多々あるようですね。

 

 

 

いや〜、

無断で勝手に作り替えられるとか

正直信じられませんが、、、

 

 

 

監督の気持ちになると

 

ワンカットでも

勝手に手を加えられたら、

 

 

私だったら、

 

もはや自分の作品ではない!!

 

と言いたくなるな〜〜、、、

 

 

絶対嫌だわーーー、、

 

 

恐ろしいですね、映画業界。ww

 

 

 

商売として作っている映画会社と

作品として作っている監督たち・・・

 

 

 

その辺りの問題は

かなりありそうです・・・

 

 

 

話が逸れましたが、

 

 

冒頭とラストが

特に好きな感じでした。

 

 

修復版と見比べてみたい所ですね。

 

 

本人が作ってないのが

残念ではありますが。

 

 

(2022年10月7本目。本年度360本目)

 

 

 

ネタバレMEMO

冒頭の長回しのシーンで何度もミスを繰り返した国境警備員役の俳優に対して、監督のオーソン・ウェルズは最終的に声を出さずにただ唇を動かすように指導した。後に何故その役者をクビにしなかったのかを問われたウェルズは、「もし自分がそうしたら彼は二度と立ち直れなくなってしまっただろう」と答えた。

晩年の肥満した姿の印象が強いオーソン・ウェルズだが、『黒い罠』撮影時にはそれほど太っていなかった。ウェルズは巨漢の老刑事を演じるために、入念なメイクアップを施した上で体中に詰め物をし、更に出来るだけ体が大きく見えるようなアングルでカメラに映ったという。

 

スタッフ

監督・脚本:オーソン・ウェルズ

原作:ホイット・マスターソン(『Badge of Evil』)

製作:アルバート・ザグスミス

撮影:ラッセル・メッティ

美術:アレクサンダー・ゴリッツェン、ロバート・クラットワージー

音楽:ヘンリー・マンシーニ

音楽監修:ジョセフ・ガーシェンソン

編集:ヴァージル・ヴォーゲル、アーロン・ステル

配給:ユニバーサルピクチャーズ

キャスト

ラモン・ミゲル・ヴァルガス:チャールトン・ヘストン

スーザン・ヴァルガス:ジャネット・リー

クインラン警部:オーソン・ウェルズ

グランディ:エイキム・タミロフ

サンチェス:ヴィクター・ミラン

モーテルの夜間勤務者:デニス・ウィーバー

パンチョ:バレンティン・デ・ヴァルガス

アル・シュワルツ:モート・ミルス

ターニャ:マレーネ・ディートリヒ

ピート:ジョゼフ・キャレイア

マーシャー:ジョアンナ・ムーア

アーデル地方検事:レイ・コリンズ

ストリップクラブのオーナー:ザ・ザ・ガボール

検死官:ジョゼフ・コットン