鑑賞記録(2022.1.8)
『残菊物語』U-NEXT
『tick,tick…BOOM!』NETFLIX
『残菊物語(デジタル修復版)』(ざんぎくものがたり)1939/143分(146分中143分現存)/日本/モノクロ
溝口健二監督の代名詞と言われる、ワンシーン・ワンカットが確立したとされる戦前作品。
原作は村松梢風の実録短編小説。
淀川長治さんは、邦画ベスト3として、黒澤明『羅生門』、小津安二郎『戸田家の兄弟』、本作を挙げている。
受賞
1939年 キネマ旬報邦画ベスト・テン 第2位
(ちなみに第1位は、内田吐夢監督『土』)
一言あらすじ
歌舞伎役者の二代目・尾上菊之助(花柳章太郎)と、その弟の乳母で奉公人のお徳(森赫子)との身分違いの悲恋の物語。周りは菊之助をちやほやしつつ、陰口をたたく中、お徳だけが親身になって本音を伝える。その気遣いに心打たれた菊之助は、お徳と一緒になって、芸を磨こうとするが、周囲は大反対で・・・
感想
涙なしでは語れない本作。
なんとなくの話の落ちは、
観ながら想像していたが、
予想出来ていても、泣ける!!
とにかく悲痛な程の
お徳の尽くしっぷり。
菊之助も、頑張るものの
下積みが長くて
腐っていってしまいそうになる中、
やはりお徳が、なんとか周りの協力を得て
菊之助を引っ張り上げる。
縁の下の力持ちとは、このことか。
か弱い女でありながら、
誰より強い精神力で
困難を乗り越えさせる。
ラスト、個人的に思うのは
辛い現実の中、
粒ほど小さい光だけれど
闇夜を照らす輝きが垣間見える最期・・・
だったのかな!?
と思う。
辛いことばかりの数年間だったろうが
なんてかわいそうと思うか、
最後に日の目を見たと取るか。
観る人によって意見が分かれそうだけど
菊之助のラストと相まって
涙涙の幕引き。
(2022年動画鑑賞11本目)
スタッフ
監督:溝口健二
脚本:依田義賢 構成:川口松太郎
原作:村松梢風(むらまつ しょうふう)
製作総指揮(総監督):白井信太郎 音楽:深井史郎 撮影:三木滋人、藤洋三 編集:河東與志
製作会社:松竹京都撮影所 配給:松竹
キャスト
花柳章太郎、森赫子、高田浩吉、河原崎 権十郎、花柳喜章、他
『tick,tick…BOOM!』2021/115分/アメリカ/カラー
名作ミュージカル『RENT(レント)』を生み出した実在の作曲家であるジョナサン・ラーソンによる、同名のミュージカルを元にした、伝記ミュージカル映画。
一言あらすじ
もうすぐ30歳の誕生日を迎える、ジョナサン(アンドリュー・ガーフィールド)。ミュージカル作曲家を目指し、ウェイターをしながら作曲を続けているが、未だ売れず、焦りだけが募る日々。友人や彼女との関係、浮かばない新曲・・・問題は山のようにあり、時間だけがチクタクと過ぎていく・・・・
感想
ここのところ、モノクロばかり見ていて
なんだか頭も疲れてしまったので
あまり何も考えずに、
ただ単純に楽しみたいと思い、
アクション系(トム・クルーズ辺りの)と迷って
こちらをチョイス。w
私はいつも、
ミュージカル映画を観ると
毎回歌でグッときて泣いちゃう!!w
歌の力に、本当に心震わされる。
本作では、
もうすぐ30歳になるのに
未だなにも成し遂げられてないし、
ヤバい!!
って、主人公が焦りまくっているのだが、、、
いやいや、こちとら
とっくのとうに
30なんて過ぎとりますがな!!
ましてや、なんにもなってませんがな!!!
と、一人でつっ込んでいたが、
いつの時代も、そうやって
焦る時期ってあったよな~、と。
もう20だ、30だ、40だ、、
って思ってきた。
今後もそれは続くのだろう。
だから、当たり前だけど
今後の人生で、
今日の私が一番若いのだ。
何かをやるのに遅すぎることなんて
基本、ない。
誰が何と言おうと、
自分の人生、
自分でやること決めればいい。
やるっきゃない!!
と、自分で自分を勇気付けてみる。笑
しかし、ジョナサンのその焦りが
予言の如く降りかかる。
彼は若くして、病気で亡くなる。
(本作はジョナサン自身が書いた自分の話なので、そこはラストにサラッと触れるだけ。)
皮肉にも思える運命。
人の一生は、
本当に何が起こるか分からない。
今を生きる、尊さ。
超有名ミュージカル『RENT』を
私は観てないので
どんなものか、興味が沸いた。
(2022年動画鑑賞12本目)
スタッフ
監督:リン=マニュエル・ミランダ
脚本:スティーブン・レヴェンソン
原作:ジョナサン・ラーソン
撮影:アリス・ブルックス 美術:アレックス・ディジェルランド 衣裳:メリッサ・トス 編集:マイロン・カーシュタイン、アンドリュー・ワイズブラム 音楽:ジョナサン・ラーソン 音楽監修:スティーブン・ギジッキ
製作:ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、ジュリー・オー、リン=マニュエル・ミランダ 製作総指揮:セリア・コスタ、ジュリー・ラーソン、スティーブン・レベンソン
製作会社:Imagine Entertainment 5000 Broadway Productions 配給:NETFLIX
キャスト
アンドリュー・ガーフィールド、アレクサンドラ・シップ、ロビン・デ・ジェズス、ジョシュア・ヘンリー、ヴァネッサ・ハジェンズ、ジョナサン・マーク・シャーマン、MJ・ロドリゲス、ベン・リーバイ・ロス、ジュディス・ライト、他