鑑賞記録(2022.4.14)カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 監督賞受賞 レオス・カラックス監督『アネット』2021 @シネ・リーブル神戸

鑑賞記録(2022.4.14

カンヌ国際映画祭

コンペティション部門

オープニング作品

監督賞受賞

 

レオス・カラックス監督

『アネット』2021

@シネ・リーブル神戸

 

 

『アネット』2021/140/フランス・ドイツ・ベルギー・日本/カラー/1.851

監督は、『ポンヌフの恋人』(1991)などのレオス・カラックス。長編6作目にして初の英語映画、初のミュージカル。(ダークファンタジー・ロック・オペラ)

原案・音楽はロック界で50年のキャリアを持つ兄弟バンド・スパークス(ロン&ラッセル・メイル)。カラックス監督作『ホーリー・モーターズ』(2012)での楽曲使用が縁で知り合う。

スパークスは、台詞がすべて歌われるジャック・ドゥミのミュージカルへのオマージュも込めたと語るが、『ホーリー・モーターズ』でカイリー・ミノーグが歌ったシーンと同じく本作でも(ミュージカル映画で一般的なプリレコーディング方式ではなく)撮影現場でライブで歌われたので、役者たちは困難な作業となった。

アダム・ドライバーは今回初めてプロデューサーを兼ねた。

マリオン・コティヤールは、アカデミー賞主演賞の代表作『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』やフェリーニ『8 1/2』をミュージカル化した『NINE』があるものの、今回は撮影現場で歌うということで準備期間のボーカルレッスンが大変だった。

カラックスは元来デジタルを嫌いグリーンバック合成なども好まず、本物の森や本物の海を望んだが、実際的条件から重要なシーンの多くが(昔の撮影所のように)スタジオ内で創意工夫して作り出された特殊なセットで撮影された。アンが歌うオペラの舞台が森(ギュスターヴ・ドレにインスパイアされた)につながる幻想的なシーンやジンバル(カメラスタビライザー)を使った嵐の海の船上シーン、亡霊のアンのヘア・衣装・撮影法などだ。

【※ギュスターヴ・ドレ:フランスのイラストレーター、画家。】

(本作チラシより)

 

受賞

カンヌ国際映画祭(第74回、2021

コンペティション部門 オープニング作品監督賞

 

原題

Annette

 

一言あらすじ

コメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)とオペラ歌手のアン(マリオン・コティヤール)。人気絶頂の2人は恋に落ち、結婚、女の子を授かる。その子の名はアネット。アネットが生まれてから、2人の人生に変化が生じ始める・・・

 

感想

 

今回も全く前情報なしで鑑賞。

(ミュージカルということは知っていたが)

 

 

私は、

レオス・カラックス監督作の鑑賞が

初めてだったのだが、

 

かなり独創的。

 

 

のっけから独特です。

 

 

 

まぁミュージカルって

ちょっとその時点で

 

なにかしら変わってること

多いっていうか・・・ww

 

 

 

 

 

以下、ネタばれあり・・・

(前情報知ってたら別かも・・)

 

 

 

 

 

 

 

なんかパペットが使われる

みたいなのを小耳に挟んだ気がするが、

 

すっかり忘れていて・・・

 

 

 

まさかの

 

産まれるベビーがパペット!!

 

 

 

 

衝撃!!!!

 

 

 

 

ダークファンタジー

奇妙なおとぎの世界に

 

完璧、突入です。

 

 

 

全編、

歌を基本にお話が進みますが

 

 

アダム・ドライバー演じる

ヘンリーは

本当に歌ってそうだな~って

 

思いながら観てましたが、

 

 

 

 

マリオン・コティヤール演じる

オペラ歌手のアン!!

 

 

 

絶対吹き替えだと思って観てましたが、

 

 

まさかのリアル!!!

 

らしい!!!

 

 

とんでもないな、歌唱力!!

 

 

 

しかも、

 

レコーディングではなく

 

現場で歌ってるとか

 

絶対ないと思ってました・・・

 

 

 

なんなら

 

ジャック・ドゥミ監督の

『シェルブールの雨傘』(1963)や

『ロシュフォールの恋人』(1967

 

の如く

 

 

歌手が歌ったものを

吹き替えてる可能性あるな

 

なんて思ってました・・・

 

 

 

恐れ入りました!!!!

 

 

 

あと、

先に記しましたが、

 

本作のチラシによれば、

 

オペラ劇場から森へと続き

森から劇場が見えるシーン

 

 

 

あれも合成だろうな~

 

 

なんて思って観てましたが、

 

 

セット作ったんですね!!!

 

 

めっちゃ手が込んでる。

 

 

 

監督のそのこだわり、

 

好きです!

 

 

 

しかし逆に

そんなのやらないだろうと思って

 

歌は当ててるだろうとか、

CGだろうとか、

 

勝手に思っていたけど・・・

 

 

 

とんでもないな!!www

 

 

失礼しました!!

恐れ入りました!!!

 

 

 

作品自体は、、

かなり好き嫌いが分かれそう・・・ww

 

 

 

特殊なものって

そうなりがちですが

 

それでいーんです!!!ww

 

 

 

だからこそ、

新しいものが生み出される!!

 

 

 

人形産んじゃったりね!!!ww

 

 

 

しかし、、、

 

これは私の勝手な解釈ですが

 

 

たぶん、設定的に

ガチで人形産んだんじゃないでしょう、ね??

 

 

 

 

人形(みたい)だった彼女が

 

 

最後・・・

 

 

 

人間(自分の意志を持つよう)になる・・・??

 

 

って、とこでしょうか???

 

 

 

それとも

 

ヘンリーにとっての

見え方だったのでしょうか??

 

 

 

その両方、

またはどちらでもない・・・

 

 

答えは分かりませんが。

 

 

 

そして

ヘンリーが最後の場面で

超絶激ヤセしてる!!!

 

 

 

プロフェッショナルですね。

 

 

 

 

不思議な、奇妙な

 

他にみたことがないような

 

ミュージカル作品でした。

 

 

2022416本目。本年度126本目、映画館48本目)

 

スタッフ

監督:レオス・カラックス

原案・音楽:スパークス

歌詞:ロン・メイル、ラッセル・メイル&LC

撮影:キャロリーヌ・シャンプティエ 美術:フロリアン・サンソン

音響:エルヴァン・ケルザネ 編集:ネリー・ケティエ

人形制作:エステル・シャルリエ+ロミュアルド・コリネ

音楽スーパーバイザー:ピエール=マリー・ドゥル 編曲・オーケストレーション:クレモン・デュコール

音楽監督:クレモン・デュコール&フィオラ・カトラー

プロデューサー:シャルル・ジリベール、ポール=ドミニク・バカラシントゥ、アダム・ドライバー

共同プロデューサー:堀越謙三、ファビアン・ガスミア、ジュヌヴィエーヴ・ルマル、ブノワ・ロランド、アルレッテ・シルバーバーグ

配給:ユーロスペース

 

キャスト

ヘンリー・マックヘンリー:アダム・ドライバー

アン:マリオン・コティヤール

指揮者:サイモン・ヘルバーク

アネット:デヴィン・マクダウェル

医者:古舘寛治