鑑賞記録(2022.2.2)
御歳91歳!!
フレデリック・ワイズマン監督の最新作
『ボストン市庁舎』2020@元町映画館
『ボストン市庁舎』2020/274分/アメリカ/カラー
アメリカのドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督・製作・編集・録音による映画。
4時間34分!!(途中休憩もちろんアリ)
今回は、フレデリック・ワイズマン監督の生誕の地、マサチューセッツ州ボストンが舞台。その市役所の仕事を追う。
『カイエ・デュ・シネマ』誌 TOPフィルムアワード第一位。
ワイズマンのスタイルとしては、【4無い主義】と言われ、ナレーション、テロップ、字幕、音楽なし。(後から付け足したりしないってことですね)
原題
City Hall
ボストン市
米マサチューセッツ州北東部サフォーク郡に位置し、1630年に設立したアメリカでもっとも歴史の古い街の1つ。現在、市民の半数以上を黒人・ヒスパニック・アジア系の有色人種が占める。トップレベルの高等教育機関を抱え、ボストン・レッドソックス、ボストン・セルティックスなどの名門チームを有する。(ボストン市庁舎チラシ裏面より)
ボストン市庁舎
現在の市庁舎は、カルマン・マキンネル&ノウルズ設計により1968年竣工。当時のモダニズムの代表的建築物として知られる。(ボストン市庁舎チラシ裏面より)
一言あらすじ
マサチューセッツ州ボストン市庁舎。そこでは日々、住民から寄せられる様々な問題に取り組んでいる・・・
感想
クリント・イーストウッドと同い年!!
恐ろしいですね、この年代!!ww
フレデリック・ワイズマン監督の作品は
40作を超えるが、
作品全部ではないにせよ
比較的長尺のものが結構あり、
今回は、
4時間半を超える超大作!!
監督自ら、録音・編集・製作を行う。
大抵、撮影以外は自らやる感じですね。
先にも記したが、
基本的に【4無い主義】で
後から手を加えることはない。
(音楽とかは、そこに実際に流れているものですね)
それだけ
真実を映すことに
誠実かつ慎重
ということなんだろう。
編集などはされているが、
話している言葉も、
あまり途中で切ったりせず、
一通りを観客は観る事が出来る。
テレビなんかでよくあることだが、
しゃべった話を
切ったり貼ったりして加工すると、
本人が最初に話したことが
全くの別物になってしまうことが
往々にしてある。
ワイズマンはそういったことをしない。
第3者的に、ありのままを映す。
ただ、現実をじっと見つめる。
編集で、加工はされても
話したことが変わるような編集をしない。
もちろん
映す人たち全員、
すべて許可を取ってから、
撮影、録音をしているそうだ。
とにかく丁寧な仕事ぶり。
今回は、
ボストンに住む人々の問題を
市役所の人たちが
日々取り組む姿を映し出す。
基本的に
特定の人物にスポットをあてることがない
ワイズマンの作品だが、
今回は市役所がメインになっていることから、
市役所全体を率いるボストン市長、
マーティン・ウォルシュ氏が
多く登場している。
彼が市民に寄り添い、
少しでも役に立ちたいという
熱い思いが沢山語られる。
そして、
ある程度想像はできると思うが
本当に多岐にわたる
ありとあらゆる問題が山積しており、
日々、住民と共に
あちこちで集会や対策などがなされている。
大変だ~~~!!
恐ろしく膨大な記録の中から、
編集して4時間半。
長尺といえど、
社会のほんの一部にすぎないだろうが、
こういった映画を観ると
そのほんの一部でも
そこに実際にある現実を
垣間見ることが出来る。
現実にある問題、
そこに生きる人々、
異文化的なこと、
国、人種、文化が違っても
似たような悩みを他国でも抱えていること
そういったことを知ることが
勉強にもなる。
そして単純に
面白い。
フレデリック・ワイズマン監督の作品は
『パナマ運河地帯』『軍事演習』
しか観ていないので、
ほかも観たい。
U-NEXTでもいくつか観れるので
そちらを活用したい。
(こちらも長尺だが・・・)
今月は、
ワイズマン監督最初の作品で
前から一番観たかった
『チチカット・フォーリーズ』1967
が、神戸映画資料館で
上映される(2022.2.19-20)ので
観に行く予定。
こちらも楽しみだ。
(2022年2月映画館2本目(本年度7本目)鑑賞合計39本目)
スタッフ
監督・編集・録音:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・デイヴィー 製作:フレデリック・ワイズマン、カレン・コニーチェク 製作総指揮:サリー・ジョー・ファイファー
製作会社:Puritan Films , PBS ,ITVS ,WGBH ,JustFilms/Ford Foundation , Pershing Square Foundation ,LEF Moving Image Fund ,サンダンス・インスティテュート 配給:ジポラ・フィルムズ、ミモザフィルムズ/ムヴィオラ