鑑賞記録(2022.1.2)小津安二郎監督『戸田家の兄妹』1941 U-NEXT/ ジョン・カサヴェテス監督『ハズバンズ』1970 U-NEXT

鑑賞記録(2022.1.2)

『戸田家の兄妹』U-NEXT

『ハズバンズ』U-NEXT

 

『戸田家の兄妹』1941/106分/日本/モノクロ・スタンダード(1.37:1)

一言あらすじ

戸田家当主が亡くなり、住む家がなくなった母と末娘が、長男や長女の家に身を寄せるも肩身が狭く、荒れた別荘に移り住む。天津に単身移っていた次男が、それを知って兄姉にカミナリを落とし、自分が面倒を見ると天津へ連れていくことにする。

 

感想

新年一発目の鑑賞は

日本の名匠・小津安二郎でスタート!

 

東京物語の前身(バージョン違い?)

とも言える、本作品。

 

大家族の安泰の時から一変

状況が変わると

それぞれ世帯を持った家族の態度も変わってしまう。

 

身を寄せさせてもらう

母と末娘の肩身の狭さったらありゃしない。

 

末娘は、働いてみたくても、

(名家の娘なんだから)絶対にやめて!

と、世間体を気にする長女から

厳しく反対される。

 

落ち着く場所も、働く余地もない。

 

観ていてもなんだか辛かった。。

 

 

世話する側の兄弟の気持ちも

わからないではないだけに

なんとも難しい問題だなぁと思いながら

 

その状況を知った次男が喝を入れた時、

カッコいい!やるな〜!と思いつつ、

 

家族を思いやるって

結構簡単にはできないことかもしれないな

なんて思った。

 

 

特に次男と末娘以外は

皆、配偶者や子供がおり、

もう戸田家と違う家庭を築いている。

 

それでも温かく迎えられる人だったら素敵ですね。

 

 

ちなみに終わり方が個人的に

そんな終わり方なんだ〜!

 

って思いつつ

カッコイイ終わり方だと思う!

 

途中、何度も映される

大小の鉢植えが印象的で、

大家族を思わせる。

 

(2022年動画鑑賞1本目)

 

 

スタッフ

監督:小津安二郎

脚本:池田忠雄、小津安二郎

撮影:厚田雄春 美術:浜田辰雄 編集:浜村義康 録音:妹尾芳三郎 音響効果:斎藤六三郎 音楽:伊藤宣二 製作:松竹大船撮影所

キャスト

藤野秀夫、葛木文子、吉川満子、斎藤達雄、三宅邦子、佐分利信、坪内美子、近衛敏明、高峰三枝子、桑野通子、飯田蝶子、笠智衆、山口勇、坂本武、西村青児 他

 



 

『ハズバンズ』1970/138分(オリジナル版)/アメリカ/カラー

一言あらすじ

中年男4人組の親友同士のうち、ひとりの急死をきっかけに、残された3人は家族や仕事を放り出し、人生を見つめ直す一時の旅に出るが・・・

 

上映時間

上映時間が138分(オリジナル版)、154分(長尺版)、131分(日本版)、142分(西独・TV放送版)と色々ある。

U-NEXT は131分版だった。

 

感想

この映画を知ったのは、

 

濱口竜介監督の『ハッピーアワー』のシナリオが

『ハズバンズ』の裏面を成すようにして構成された

と、濱口監督の著書『カメラの前で演じること』

に、記されていることで知った。

 

私としては、両作の仕上がりは

また全然違う印象。

(それが良いと思うし)

 

 

『ハズバンズ』の壊れっぷりというか、

トんでる感じは中々凄くて、

結構やばいと思った。笑

 

それほど仲間の死を目の当たりにして

自分の人生の生き方に

改めて疑問を持ったのだろうが。

 

 

撮影方法とか全然知らないけど、

めっちゃガキんちょの様に、

道端ではしゃぐ3人のショットが結構あるのだが

 

周りにいる通行中の人々は、

普通の、一般人らしい反応をしていて

そこがまたリアル。

(エキストラではないと思われる)

 

 

自主映画と書かれているから、

そういうところも(あえて?)

あるのかもしれない。

 

 

オープニングのクレジットと

オープニングショット&音楽が超カッコイイ!!

 

まさかその後、

こんな狂気の沙汰って感じになるとは!?

 

しかし結末は・・・・!

 

って感じだった。

 

ジョン・カサヴェテス本人が、

中年男3人のうち、歯科医のガス役で出演している。

 

(2022年動画鑑賞2本目)

 

スタッフ

監督・脚本:ジョン・カサヴェテス

製作:アル・ルーバン、サム・ショウ 撮影:ヴィクター・ケンパー 音楽:スタンリー・ウィルソン 編集:ピーター・タナー 製作会社:フェイシズ・ミュージック 配給:コロンビア・ピクチャーズ(アメリカ)、ビターズ・エンド(日本)

キャスト

ベン・ギャザラ、ピーター・フォーク、ジョン・カサヴェテス、ジェニー・ラナカー、ジェニー・リー・ライト、ノエル・カオ、メタ・ショウ 他