鑑賞記録(2022.6.24)沁みる!是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』2022@OSシネマズ・ミント神戸

鑑賞記録(2022.6.24)

沁みる!

是枝裕和監督

ベイビー・ブローカー』2022

@OSシネマズ・ミント神戸

 

『ベイビー・ブローカー』2022/130分/韓国/カラー

「万引き家族」の是枝裕和監督が、「パラサイト 半地下の家族」の名優ソン・ガンホを主演に初めて手がけた韓国映画

第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の男優賞を受賞。また、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。

(↑映画.comより一部抜粋)

 

受賞

カンヌ国際映画祭(第75回、2022年開催)

最優秀男優賞:ソン・ガンホ

エキュメニカル審査員賞

 

原題

Broker

 

一言あらすじ

赤ちゃんポストを介して、2人の男サンヒョン(ソン・ガンホ)とドンス(カン・ドンウォン)が不正に赤ちゃんを手に入れる。赤ちゃんを捨てたが、翌朝戻って来た若い母・ソヨン(イ・ジウン)がそれを知り、2人が赤ちゃんを売りに行く旅に同行するが・・・

 

感想

想像していたのと違った!

 

こんな風な作品だったとは。

 

 

思っていたより静かだった。

 

 

 

人間の温かさに触れる

とても優しい映画だった・・・

 

 

 

実際に起こっている現実は

想像以上に厳しく、

過酷なことかもしれないが

 

 

人が人として生きていく上で、

 

 

とても大切なものを

改めて感じ、

考えさせられる映画だった。

 

 

 

『万引き家族』(2018)を

思わせる所もあるが、

 

本作はサスペンス要素は

意外と少なく、

 

 

登場人物たちの内面や

関係性などを

より大事にしている気がした。

 

 

 

本作の登場人物たちは

何かしらの事情を抱えており、

 

 

家族と別れた者、

 

親を知らず

施設で育った者、

 

事情あり、

子を捨てようとする者。

 

捨てる側と、捨てられる側。

 

 

 

そんな傷を持つ彼らが

一緒に赤ちゃんの世話をしながら

旅をする中で、

 

 

互いに、

心の拠り所となるような

欠けた部分を補う合うような

 

存在になっていく。

 

 

 

登場人物たちが

とても人情味溢れる素敵な人たちで

なんだか嬉しかった。

 

 

名優たちの安定感も

さすがです。

 

 

施設から付いてくる男の子も

良いキャラクターで、

 

この全員が揃っているから

丁度いいんだろうなと。

 

 

 

後半、

グッと来る場面も・・・泣

 

 

 

ひとりでは

決して出来なかったこと、

 

 

ひとりでは

たどり着けなかった気持ち

 

 

 

そして

心優しき人々の協力

 

 

 

こんな風に回っていけば、

 

 

事情あり、

親子一緒に暮らせないことが

あったとしても

 

 

少しは救われることが

あるかもしれない。

 

 

 

現実はそんなに

甘くないかもしれないが

 

 

 

”祈りのような、願いのような、

そんな作品である。 ”

 

 

と語る是枝監督は

 

 

 

希望や願いを込めて、

この作品を撮ったのだろう。

 

 

 

手放しで喜べるような

単純なお話ではないですが、

 

 

 

幸せな思いや願いに溢れた

素敵な作品でした。

 

 

 

(2022年6月29本目。本年度219本目。映画館95本目)

 

 

スタッフ

監督・脚本・編集:是枝裕和

製作:ソン・デチャン、福間美由紀

製作総指揮:イ・ユジン 

撮影:ホン・ギョンピョ 美術:イ・モグォン

衣装:チェ・セヨン 音楽:チョン・ジェイル

 

キャスト

ハ・サンヒョン:ソン・ガンホ

ユン・ドンス:カン・ドンウォン

アン・スジン:ペ・ドゥナ

ムン・ソヨン:イ・ジウン

イ刑事:イ・ジュヨン