鑑賞記録(2022.9.15)
フレデリック・ワイズマン監督
『ニューヨーク公共図書館
エクス・リブリス』
2016
Amazon Prime Video
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』2016/205分/アメリカ/カラー
世界最大級の「知の殿堂」ニューヨーク公共図書館
世界中の図書館員の憧れの的であり、ニューヨーク有数の観光スポット。本作の主役は、荘厳な19世紀初頭のボザール様式の建築で知られる本館と92の分館からなる世界最大級の〈知の殿堂〉ニューヨーク公共図書館だ。この図書館は、作家サマセット・モーム、ノーマン・メイラー、トム・ウルフ、画家アンディ・ウォーホルなど文学、芸術などの分野でも多くの人材を育ててきた。またここは世界有数のコレクションを誇りながら“敷居の低さも”世界一と言えるほど、ニューヨーク市民の生活に密着した存在でもある。その活動は、「これが、図書館の仕事!?」と、私たちの固定観念を打ち壊し、驚かす。
観光客は決して立ち入れない舞台裏へ
映画には、リチャード・ドーキンス博士、エルヴィス・コステロやパティ・スミスなど著名人も多数登場するが、カメラは図書館の内側の、観光客は決して立ち入れないSTAFF ONLYの舞台裏を見せていく。図書館の資料や活動に誇りと愛情をもって働く司書やボランティアたちの姿。舞台裏のハイライトとも言える何度も繰り返される幹部たちの会議−−公民協働のこの図書館がいかに予算を確保するのか。いかにしてデジタル革命に適応していくのか。ベストセラーをとるか、残すべき本をとるのか。紙の本か電子本か。ホームレスの問題にいかに向きあうのか。その丁々発止の意見のやりとりは、目が離せない。
アメリカ映画館の”生ける伝説”フレデリック・ワイズマン
最新作監督は2016年にアカデミー名誉賞を受賞したドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマン。1967年の第1作以来、89歳となる現在にいたるまで1年~1年半に1本のペースで新作を発表。2018年のヴェネツィア国際映画祭で第42作にあたる最新作を発表したばかりの“生ける伝説”だ。12週間に及んだ撮影から、この場面の次はこの場面しかないという厳格な選択による神業のような編集により、この図書館が世界で最も有名である<理由>を示す事で、公共とは何か、ひいてはアメリカ社会を支える民主主義とは何かをも伝える。図書館の未来が重要な意味を持つ、必見の傑作ドキュメンタリーがここに完成した。
(↑公式サイト、イントロダクションより)
第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、FIPRESCI賞(国際批評家連盟賞)を獲得した。(ウィキペディアより)
世界で最も有名な図書館 ニューヨーク公共図書館(NYPL)とは?
ニューヨーク公共図書館とは、マンハッタン、五番街と42丁目との交差点に位置し、荘厳なボザール様式建築によって観光名所としても名高い本館<スティーブン・A・シュワルツマン・ビル>と、研究目的のために公開されている4つの研究図書館、そして地域に密着した88の分館を合わせた92の図書館のネットワークである。1911年に本館が竣工し、アンドリュー・カーネギーらの寄付により、各所に分館を増設してきた。人文科学、社会科学、及び、美術において世界有数の蔵書を誇り、総計6,000万点ものコレクションが所蔵されている。利用は原則として無料であり、ニューヨーク市に在住あるいは勤務している者であれば誰でも会員になることができる。 名称に「パブリック(public)」と入っているが、独立法人であり、財政的基盤は市の出資と民間の寄付によって成り立っている。ここでいうパブリックとは「公立」という意味ではなく、「公共」(一般公衆に対して開かれた)という意味に当たる。(公式サイト、アバウトNYPLより)
原題
Ex Libris: The New York Public Library
あらすじ
ニューヨーク公共図書館の、探究、交流、学習の平等なネットワークとしての役割に迫るドキュメンタリーである。中心人物はなく、短い場面の連続で、詩の朗読会やロボット作りまであらゆることが描かれる。図書館は92の分館を持ち、それぞれの地域のニーズに合わせ、異なるサービスを提供している。(ウィキペディアより)
感想
約10日前、
大分から帰ってきて、
映画館へ行き、帰宅してから
本作の視聴期限が
残り4時間ほどと
迫っていることに気付き、
本作自体が3時間20分もあるのに
最後まで観れる自信がなかったが
とりあえず慌ててザッと観た本作。
案の定、
旅の疲れもあり、
一部寝てしまったし、、、爆
鑑賞記録をどうしようかと思いつつ、
しかし一部メモを残していたので
(↑普段はしない)
鑑賞から10日ほど経ってしまったが、
一応記録をつけておこうと思って。
2016年当時の
ニューヨーク公共図書館を
(以下、NYPL)
中心に映される様々な様子。
そこから6年経っているから、
また状況は
かなり変わっているのだろうと
デジタル社会の
流れの速さに改めて驚く。
そしてこの図書館の
多岐にわたる活動の広さ。
”図書館は単なる書庫ではない”
”知識を得たいと思う人が、
得るための場所”
まさに、それを体現している。
本が沢山置いてあって、
自由に読めますよ
というだけでも
十分ありがたいが、
NYPLは、そこでは止まらない。
税金と多くの寄付から
成り立っているNYPL。
予算の会議も
そのまま一部が
映っている。
お金を集めるのに苦労するのは
どこも同じですね・・・
まだインターネットが使えない
住民の方も多くいて、
図書館内にて
PCとWifiの無料利用ができるよう
開放されている。
家庭で使える無線LANを
貸し出したりなど、
多くの人に
インターネットが使えるように
対応していたりした。
92に及ぶ分館も、
それぞれの地域に合わせて
独自で企画を展開。
地域に根付いている。
音楽に合わせて
高齢者が楽しそうにダンスしていたり
(公民館とかの講座みたい)
子供たちが
Macでプログラミングを習っていたり、
時には、
ガルシア・マルケスの
『コレラ時代の愛』についての
読書討論会?なるものが行われ、
それぞれが色々な感想を述べたり。
演劇に手話をつけて
同時通訳を行うために
説明会?を開催したり・・・
裏方の作業では、
デジタルで閲覧できるように、
カメラで書籍を1ページずつ
撮影している様子が映ったり・・
点字図書館についての
様子が映ったり・・・
とにかく様々な様子を
垣間見ることが出来て
面白かった。
私はアメリカ大陸に
渡ったことはないけれど、
一度は行ってみたいな〜。
もしNYに行ったなら、
NYPLは、
ぜひ立ち寄ってみたいものだ。
建物だけでも
かなり素晴らしい建築物。
フレデリック・ワイズマン監督作は、
時代時代の、
その時を切り取った、
素晴らしいドキュメンタリーです。
年月が経つ程、
歴史的資料としても
貴重になりそうです。
(2022年9月35本目。本年度349本目)
スタッフ
監督・製作・編集:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・デイビー
製作総指揮:カレン・コニーチェク
他
キャスト
リチャード・ドーキンス
パティ・スミス
エルヴィス・コステロ
他