鑑賞記録(2022.3.6)
エマニュエル・ローラン監督
『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』
2010 U-NEXT
『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』2010/96分/フランス/カラー&モノクロ
U-NEXTで視聴期限のため、鑑賞。
本作完成のために奔走したのが、ヌーヴェル・ヴァーグの拠点となった「カイエ・デュ・シネマ」誌の元編集長アントワーヌ・ド・ベック。映画史研究家でもありトリュフォーやゴダールの評伝本の著者でもある彼の資料収集と映画史的な構成力が、この映画の大きな原動力となった。(公式HPより)
原題
Deux de la Vague
一言あらすじ
ヌーヴェル・ヴァーグを牽引した、フランソワ・トリュフォーとジャン=リュック・ゴダールのドキュメンタリー。
感想
フランソワ・トリュフォー監督と
ジャン=リュック・ゴダール監督。
共に名監督だが、
意外と観ていなかった私は、
(唯一、かなり前にゴダールの『気狂いピエロ』だけ観ていた。)
本作を観る前に、
とりあえず
ゴダール監督作
『女は女である』(1961)と
トリュフォー監督作
『映画に愛をこめて アメリカの夜』(1973)
を、U-NEXTで事前に鑑賞。
そして、本作の期限が迫ったので
他にも観たかったが
時間がないので、鑑賞した。
以前に観ていた
ジャック・ドゥミ監督や
アニエス・ヴァルダ監督の話もあったり、
慌てて鑑賞した上記の2作品も
ちゃっかり入っていて、
少しは事前に観ていて
良かったと思った。
ゴダールより先に
トリュフォーが
『大人は判ってくれない』(1959)
で、認められ、
その後、
ゴダールは賛否両論ありつつも
『勝手にしやがれ』(1960)
で、認められる。
ちなみに
この『勝手にしやがれ』の企画は
トリュフォーが温めていたものらしい。
それを譲って?もらい、
トリュフォーが考えていたものとは
また全く違った形でゴダールが
世に出したようだ。
ふたりは共に良い関係を築いていたようだが、
5月革命(1968)を境に
別々の道を歩むようになる。
映画作家の政治的役割に関する
意見の相違からだ。
(ゴダールは政治化していく・・・)
特に、
私が事前に鑑賞した、
『映画に愛をこめて アメリカの夜』について
ゴダールは、
”フランスのハリウッド(商業的)映画”
というようなこと(だったと思う)など
かなりの批判をしたようだ。
それに対して、
トリュフォーも反論。
”芸術を政治利用している”といったような
ことを言っていたようだ。
個人的には
『映画に愛をこめて アメリカの夜』が
とても楽しい映画で
好きだったので、
なんだか衝撃・・・
その後ふたりは
仲たがいしたまま、
友情が再び結ばれることはなかった。
そうだったのか・・・
考え方が変わってしまうと、
相容れないものもありますよね・・・
ふたりはどう感じていたんでしょうか。
それは当人にしかわかりませんが。
(冒頭、トリュフォーが亡くなったあと、ゴダールのコメントがチラッとある)
本作は、
ふたりの作品に多く出演していた
ジャン=ピエール・レオについても
描かれています。
知らなかったことを
色々知ることが出来て
大変有意義でした。
映画ファンには
面白い一作です。
(2022年3月7本目。本年度78本目)
スタッフ
監督・製作:エマニュエル・ローラン
脚本:アントワーヌ・ド・ベック
他
キャスト
フランソワ・トリュフォー
ジャン=リュック・ゴダール
ジャン=ピエール・レオー
イジルド・ル・ベスコ
他