行ってきました!古典映画超講義【特別講座② 講師:石井岳龍監督】小津安二郎監督『東京暮色』1957 @神戸映画資料館

2022.3.5~3.6に

神戸映画資料館で行われた

 

古典映画超講義【特別講座②】

小津安二郎監督作

『東京暮色』(1957)

 

の、鑑賞に行ってきました!

 

今回の講師は、石井岳龍監督

(2日目の講座は、1日目の録画上映)

 

 

『東京暮色』 1957/140分/日本/モノクロ・スタンダード・35mm上映

小津安二郎監督、最後の白黒映画。

大女優・山田五十鈴が出演した、唯一の小津作品。

『東京暮色』はジェームズ・ディーンの代表作であるハリウッド映画『エデンの東』(1955)の小津的な翻案とされる。どちらも妻が出奔しているが、『エデンの東』では兄弟だった子供たちが姉妹に置き換えられている。

次女明子役に当初岸恵子を想定していたが『雪国』の撮影が延びてスケジュールが合わなくなったため、有馬稲子がキャスティングされた。

本作は戦後の小津作品の中でも際立って暗い作品である。内容の暗さもさることながら、実際に暗い夜の場面も多く、明子役の有馬稲子は全編を通じて笑顔がない。このような内容に、共同脚本の野田高梧は本作に対して終始批判的であり、脚本執筆でもしばしば小津と対立、完成作品に対しても否定的だったとされる。小津当人は自信を持って送り出した作品だったが、同年のキネマ旬報日本映画ランキングで19位であったことからわかるように一般的には「失敗作」とみなされ小津は自嘲気味に「何たって19位の監督だからね」と語っていたという。

(ウィキペディアより ※但し、石井岳龍監督の解説でもお話あり。)

 

冒頭あらすじ

杉山周吉(笠智衆)は、次女明子(有馬稲子)と二人暮らしている。そこへ嫁いだ孝子(原節子)が、幼い娘を連れて戻ってきた。明子も、このところ様子がおかしく・・・

 

感想

世間的には

あまりに暗いためか、

「失敗作」と言われたそうな。

 

 

そんなことを知らなかった私は、

確かに観ていて暗い話とは思ったが

とても面白かった。

 

 

 

やはり前情報は

知らないで観る方がいいな

 

と、改めて思った。

 

(『風の中の牝雞』(1948)も小津監督が後に失敗だったと発言していたことなど、

知らなかった方が純粋に観れたような気がする。知ってて観たので・・・)

 

 

 

最近、特に

暗い話も興味深く観れるのは、

歳を重ねることで

不幸や苦労が

とてもリアルに感じるからかもしれない。

 

 

 

内容的には

救われるところが

見いだせないようにも思えるが、

 

 

なぜかしら、

そこまで物凄い悲劇!!

 

 

と、まで思わなかったのは

何故だろう・・・

 

と、思っていた。

 

 

 

講義の時間で

石井岳龍監督が、

 

悲劇と喜劇は表裏一体で、

 

 

例えば

とても暗い場面で、

 

滑稽とも思える

なんらかの技(のようなもの)が

入れられていたり、

 

 

凄い悲劇を、

サラッと結果だけ見せたりするなどして、

 

暗いものを暗く見せない

小津流の技が光る・・・

 

 

というような

内容のお話を聞いて

なるほど納得。

(仰った言葉は違いますが、たぶんこんなようなことと理解)

 

 

 

 

お話の内容も全く知らずに観たので

(基本、私はそうしている)

「この次は一体どうなるんだろう・・」

 

と、気になりながら終始観れた。

 

 

 

複数人の

複数の葛藤が

入り混じりながら

お話が進むだけに、

 

 

それぞれの心情を追いかけながら

徐々に話が開示されてく。

 

 

そして、

明らかにならない部分もありながら

お話は展開していった。

 

 

 

140分なので、

2時間20分もあったのか!と思ったが、

(細かいところで、脇役の他者から話がバレたりで登場人物が多い)

 

映画館で観たこともあり、

割とあっという間だった。

 

 

 

面白く観れたが、

暗い感じなどはやはり否めないので、

 

 

家で観ていたら、

途中、集中力切れていたかもしれない・・・w

 

 

 

本作は特に、

映画館で観て良かったなと思う。

 

 

 

石井監督の講義の時間も

あっという間に終わった。

 

 

 

石井監督の

『蜜のあわれ』(2016)も

ぜひ観てみたいと思う。

 

 

 

(2022年3月6本目。本年度77本目、映画館26本目)

 

 

スタッフ

監督:小津安二郎

脚本:野田高梧、小津安二郎

撮影:厚田雄春 美術:浜田辰雄 録音:妹尾芳三郎 照明:青松明 音楽 : 斎藤高順

装置 : 高橋利男 装飾 : 守谷節太郎 衣裳 : 長島勇治 現像 : 林龍次 編集 : 浜村義康

監督助手:山本浩三 撮影助手:川又昂 録音助手 : 岸本眞一 照明助手 : 佐藤勇 録音技術 : 鵜澤克己

企画:山内静夫 進行 : 清水富二

 

キャスト

沼田孝子:原節子

杉山明子(孝子の妹):有馬稲子

杉山周吉:笠智衆

相島喜久子:山田五十鈴

川口登:高橋貞二

木村憲二:田浦正巳

竹内重子 : 杉村春子 (文学座)

関口積 : 山村聡

沼田康雄 : 信欣三 (民芸)

下村義平( 珍々軒の主人) : 藤原釜足 (東宝)

相島栄(雀荘の主人):中村伸郎 (文学座)

和田刑事:宮口精二 (文学座)

富田三郎(バーテン):須賀不二夫

小松の女主人・お常 : 浦辺粂子 (大映)

女医・笠原 : 三好栄子 (東宝)

小松の客 : 田中春男 (東宝)

前川やす子 : 山本和子

家政婦・富沢 : 長岡輝子 (文学座)

「お多福」のおやじ:島村俊雄

バアの女給 : 櫻むつ子

バアの客 : 増田順二、新島勉、朝海日出男、鬼笑介

松下政太郎 : 長谷部朋香

沼田道子(孝子の娘):森教子

菅井の旦那:菅原通済 (特別出演)

深夜喫茶の客:石山龍嗣、佐原康、篠山正子、高木信夫、中村はるえ、寺岡孝ニ