鑑賞記録(2022.10.1)水田伸生監督『アイ・アム まきもと』2022@OSシネマズミント神戸

鑑賞記録(2022.10.1)

水田伸生監督

アイ・アム まきもと

2022

@OSシネマズミント神戸

 

『アイ・アム まきもと』2022/104分/日本/カラー

原作は、第70回ヴェネツィア国際映画祭で監督賞を含む4賞を受賞した、2013年製作のイギリス・イタリア合作映画、ウベルト・パゾリーニ監督・脚本、エディ・マーサン主演『おみおくりの作法(Still Life)』

監督は水田伸生。宮藤官九郎脚本、阿部サダヲ主演のコメディ映画『舞妓Haaaan!!!』(07)、『なくもんか』(09)と『謝罪の王様』(13)を手がけ、TVドラマでは『Woman』『Mother』(10年に『Mother』で第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞受賞、14年に『Woman』で芸術選奨文部科学大臣賞放送部門受賞)などを手がけた。阿部サダヲとは4度目のコンビとなる。

脚本はTV『LIFE!?人生に捧げるコント?』映画『12人の死にたい子どもたち』舞台『ワンマン・ショー』で第48回岸田國士戯曲賞受賞の倉持裕。

水田伸生監督コメント
『人を憂(うれ)うことが出来る人が優しく、人間として優(すぐ)れている』と、太宰治は書いています。主人公「まきもと」に友人はいませんが、他者を憂うことが出来、その気持ちを行動に移せる人間なのです。経済が幸せの指標とされて以来、「利己主義」な思考や行動が目立つ情けない世の中ですが…人間の持つ「美徳」が他者を敬い、尊重する「利他主義」だとすると「まきもと」こそ「美徳」の持ち主です。(公式サイトより)

まきもとのちょっと迷惑なルール 3カ条(公式サイトより)

①葬儀は絶対にやる (たとえ遺族が求めてなくても)
②参列者をなんとしてでも探しだす (たとえ身寄りが無いと警察に言われても)
③納骨はギリギリまでしない (たとえ置き場所がなくても)

 

あらすじ

庄内市役所に勤める牧本(阿部サダヲ)の仕事は、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」。故人の思いを大事にするあまり、つい警察のルールより自身のルールを優先して刑事・神代(松下洸平)に日々怒られている。ある日牧本は、身寄りなく亡くなった老人・蕪木(宇崎竜童)の部屋を訪れ、彼の娘と思しき少女の写真を発見する。一方、県庁からきた新任局長・小野口(坪倉由幸)が「おみおくり係」廃止を決定。蕪木の一件が“最後の仕事”となった牧本は、写真の少女探しと、一人でも多くの参列者を葬儀に呼ぶため、わずかな手がかりを頼りに蕪木のかつての友人や知人を探し出し訪ねていく。蕪木の人生を辿るうちに、牧本にも少しずつ変化が生じて・・・。牧本の“最後のおみおくり”は・・・(公式サイトより引用抜粋)

 

感想

何気に水田伸生監督作を

今まで観てこなかった・・・

 

 

話題作を多く監督していて、

名前は知っていたが、

 

 

とにかく全然

TVドラマを観ないのと、

 

たまたま映画も観ずだった。

 

 

 

今回も、

 

映画が安いせっかくの

1日(ファーストデー)で、

 

実は他の映画を観る予定だったが、

 

時間が思っていたより

夜遅い始まりで

 

本作の方がちょうど間に合い、

 

時間も良かったので

こちらを鑑賞。

 

 

 

結果、

 

結構面白くて

何度も一人クスっと笑いつつ、

 

そしてグッとくるシーンも。

 

 

 

阿部サダヲさんなんで、

大体イメージはあったが、

 

今回も独特のキャラクターまきもと!

 

 

 

表現しづらい人物ですね・・・ww

 

だけど、

とても率直で

真っ直ぐなので

 

観ているうちに

段々可愛く見えてきます。w

 

 

なんか愛嬌があるというか・・・

 

 

特に、

 

 

ミニマリスト?まきもとが

出会った人物に影響を受けて

少しずつ変化していく様は、

 

 

なんとも可愛らしい・・・

 

 

 

まきもと、

すぐ||こうなりますが

 

しっかり人を見ているし、

 

実はしっかり聞いているし

(聞いてない時もある)

 

感じている。

 

 

 

ちょっと私自身、

 

『おみおくり係』廃止を決定する

坪倉由幸さん演じる

新任局長・小野口みたいな

 

「葬式というのはね、

結局遺族のためのものですよ」

 

という考えの方で、

合理主義的な傾向があるので、

 

 

ハッとさせられましたね。

 

 

 

私も、小野口のように

 

”死んだらそれまで”

(あとは生きている人間の思いのみ)

 

という考えが基本ですが、

 

 

人が亡くなったらその先

一体どうなるのかなど、

 

誰にもわかりませんからね・・・

 

 

 

まきもとの優しい思いに、

 

そんな風に思うのも

素敵なことだなぁと

 

改めて感じました。

 

 

 

そして、

脇を固める役者の方々が

また皆さんとても素敵でした。

 

 

 

特に、

満島ひかりさん、

やっぱり好きです!!

 

 

彼女の演じる津森塔子の存在が、

私の心にはとても響きました。泣

 

 

 

面白い場面もたくさんあり、

 

さすがの松尾スズキさんと

阿部さんの掛け合いも

 

ある意味、

二人の妙?な空気感で

好きな感じでした。

 

 

 

私の場合は、

私の家族はまだ生きていて

完全な独りにはなっていませんが

 

 

 

独りで亡くなっていく方々の事が

他人事とは思えず・・・

 

 

 

もっと高齢になり、

仕事もしなくなれば、

 

私もそうなる可能性大・・・

 

 

 

死を考えることは、

生を考えることでもありますね。

 

 

死が身近になってくる年代

でもあるので

 

このような話題は、

とても考えさせられるものがあります。

 

 

 

ラストも、

ファンタジーを含めつつ、

 

 

まさか・・・

 

 

 

1日1日を、

なるべく大切に、

丁寧に生きられたらな・・・

 

 

本作を観て、

そんな風に思う私でした。

 

 

 

山形の自然豊かな土地も

のどかで良かったです。

 

 

 

水田監督作、

 

今更ながら過去作も

また改めて

観られればと思います。

 

 

 

(2022年10月1本目。本年度354本目、映画館187本目)

 

 

スタッフ

監督:水田伸生

脚本:倉持裕

原作:ウベルト・パゾリーニ

撮影:中山光一  照明:宗賢次郎

美術:磯見俊裕  装飾:柳澤武

録音:鶴巻仁  音楽:平野義久

人物デザイン監修:柘植伊佐夫

編集:洲崎千恵子

キャスティング:田端利江

助監督:相沢淳、村田淳志

制作担当:井上純平

製作総指揮:ウィリアム・アイアトン、中沢敏明

エグゼクティブプロデューサー:堤天心、志賀司、中西一雄、島本雄二、井川泉、Uberto Pasolini

プロデューサー:上木則安、厨子健介

コ・プロデューサー:藤村哲也、丸山典由喜

ラインプロデューサー:鈴木嘉弘

制作:セディックインターナショナル ドラゴンフライ

製作:映画『アイ・アム まきもと』製作委員会

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

 

キャスト

牧本壮(まきもとそう):阿部サダヲ

津森塔子(つもりとうこ):満島ひかり

今江みはる(いまえみはる):宮沢りえ

槍田幹二(やりたかんじ):國村隼

蕪木孝一郎(かぶらぎこういちろう):宇崎竜童

神代亨(かみしろとおる):松下洸平

下林智之(しもばやしともゆき):でんでん

平光啓太(ひらみつけいた):松尾スズキ

小野口義久(おのぐちよしひさ):坪倉由幸