鑑賞記録(2022.1.31)
妻、アニエス・ヴァルダ、
夫の少年時代を描く
『ジャック・ドゥミの少年期』1991 U-NEXT
『ジャック・ドゥミの少年期』1991/120分/フランス/カラー&モノクロ(ビスタ)
U-NEXTで視聴期限が2022年1月末までとなっており、ここ数日、ジャック・ドゥミ&アニエス・ヴァルダ監督を鑑賞している。
『シェルブールの雨傘』など数々の名作を生んだジャック・ドゥミ監督の少年期を、妻であるアニエス・ヴァルダ監督が映画化。
原題
Jacquot de Nantes
ジャック・ドゥミ(フランスの映画監督)
1931年6月5日フランス生まれ。
1961年『ローラ』で長編映画デビュー。
1962年『新・七つの大罪より、「淫乱の罪」』公開
1962年にアニエス・ヴァルダと結婚。以後、公私を共にするパートナーとなる。
1963年『天使の入江』公開
1964年 カトリーヌ・ドヌーヴ主演のミュージカル『シェルブールの雨傘』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。
1967年『ロシュフォールの恋人たち』公開
1968年『モデル・ショップ』公開(『ローラ』の続編)
1970年『ロバと王女』公開
1971年『ハメルンの笛吹き』公開
1973年『モン・パリ』公開
1978年『ベルサイユのばら』公開(池田理代子の同名漫画が原作)
1982年『都会の一部屋』公開
1985年『パーキング』公開
1988年『想い出のマルセイユ』公開
1990年10月27日没(59歳)
一言あらすじ
フランス西部の港町ナント、自動車修理工場を営む父(ダニエル・デュブレ)と、髪結いをしている母(ブリジット・ド・ヴィルポワ)、弟と4人幸せに暮らすジャコ(※ジャックの愛称)。彼は歌や劇が大好き。ある日、友人から映写機を借りたことで、映画に熱中していく・・・
感想
ジャック・ドゥミの少年時代。
彼は小さい時から、
とても歌や劇など大好きで、
かなり早い段階で
映画や演劇、
フィルムやカメラなどに
熱中していたことがわかる。
小さいころから
自作のアニメーションや
紙で作った人形を
ひとコマずつ動かし撮影するなど
かなりの没入ぶりだ。
カメラを手にした彼は
改めて技術が必要だと確信する。
こう見ていくと、
巨匠たる人は
幼い時からそういった才能を
見出していたんだなぁと
つくづく感心する。
と同時に、
自分とのあまりの違いに
愕然とするがww
ジャック・ドゥミのミュージカルの名作
『シェルブールの雨傘』
『ロシュフォールの恋人たち』も
やっぱり彼の
歌のある人生の中から
紡ぎ出されたんですね。
自分は40過ぎてから
何かをやろうとしているが、
まぁそれもまた人生かな。w
巨匠にはなれなくとも、
好きなことをやるのに
大人も子供もありませんしね!
(と、自分に言い聞かせる。)
この映画は、
当時存命だった夫
ジャック・ドゥミの映像が
入りながら
少年期のジャコのお話が進む。
お話の中に
たくさんジャック・ドゥミの作品たちが登場!
こうやって出来たのか~!
なんて思わされるかのように
物語の中で紹介される。
ジャック・ドゥミの作品を
たくさん知っているほど
より楽しめると思う。
そして、
なんと言ってもこの作品は
妻である、
アニエス・ヴァルダの
愛の作品なんですね。
なにも知らずに観たので
あとからなるほどと思ったが
撮影当時、
既に病に冒されていたのでしょうか?
(事実確認はしていませんが)
彼女が夫の
愛しい時間と姿を
残しておきたかったという想いが
滲み伝わるようです。
アニエス・ヴァルダの
愛に溢れた優しい作品です。
夫婦ともに
名監督として名を残したふたり。
彼らのプライベートなど一切知りませんが、
同時代に共に映画を作り続けた
同志であり、人生の伴侶。
憧れの存在ですね。
観よう観ようと思いつつ
まだ観ていない
『シェルブールの雨傘』と
『ロシュフォールの恋人たち』は
近々、観たいと思います!
(2022年動画鑑賞37本目)
スタッフ
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
原作:ジャック・ドゥミ
撮影:パトリック・ブロシェ、アニエス・ゴダール、ジョルジュ・ストルーヴェ 音楽:ジョアンナ・ブリュドヴィッチ 製作:ポリーヌ・ボードゥアン、アニエス・ヴァルダ
キャスト
ジャック・ドゥミ
ジャコ#1:フィリップ・マロン
ジャコ#2:エドゥアール・ジョボー
ジャコ#3:ローラン・モニエ
マリールゥ(母):ブリジット・ド・ヴィルポワ
レイモンド(父):ダニエル・デュヴレ
他