行ってきました!古典映画超講義 第1回 F・W・ムルナウ監督『サンライズ』1927@神戸映画資料館

連続講座 古典映画超講義(第1回)

連続講座 古典映画超講義

クラシック映画を楽しむための6つのレッスン

 

と題し、

2022年1月~3月(全6回)で

神戸映画資料館でイベントが始まった。

 

 

どういうものかというと、

映画上映+講師による講義付き!

といった感じで、

 

映画上映後に、

映画のプロによるお話が聞けます!

 

今回、2022.1.29-1.30で行われた、

 

第1回目は、”サイレント映画の魅惑”として、

映画研究をされている、

井上正昭さんによる講義。

 

 

上映作品は、

F・W・ムルナウ監督の

『サンライズ』1927

でした。

 

 

『サンライズ』1927/94分/サウンド版/モノクロ・スタンダード

『吸血鬼ノスフェラトゥ』や『最後の人』など、表現主義の傑作と言えるサイレント映画を世に送り出したドイツ出身の映画監督、F・W・ムルナウが、フォックス社(アメリカ)に招かれて撮った、渡米第1作。ムルナウはフォックス社から莫大な予算を提供されて、製作を一任。

原作は、ヘルマン・ズウデルマンの短編小説『Die Reise nach Tilsit』

本作はサイレント映画だが、映画史上初のFox Movietoneによるサウンドカメラで撮影され、音楽付きのサウンド版である。

全シーンがセットで撮影されており、字幕をなるべく排除して視覚的表現を重視した手法となっている。

(ウィキペディアより引用抜粋)

 

原題

Sunrise : A song of Two Humans

受賞

アカデミー賞(第1回)

ー 芸術作品賞

ー 主演女優賞:ジャネット・ゲイナー(『第七天国』『街の天使』と共に)

ー 撮影賞:カール・ストラス、チャールズ・ロッシャー

 

一言あらすじ

田舎暮らしの夫が、都会から来た女と不倫、そそのかされて、夫は妻を殺害しようとするも出来ず、妻は逃げて、列車に乗り込む。夫もすぐに追いつき、ふたりは街へ・・・

 

感想

とにかく視覚効果が多い!

仕掛けがいっぱいですね。

 

小ネタもいっぱい。w

 

お話は、

ツッコミどころはあるものの

そこまで違和感を感じるほどでもない。

 

あまりストーリーの

辻褄とかが重要に感じないというか。

 

講師の井上氏も、

上映後のお話で仰っていたが

ストーリーは単純そのもの。

 

しかし、

単純なストーリーこそ

面白い映像の肉付けが出来るとのこと。

 

後の解説を聞いて、

監督のムルナウが相当自由に出来た様で、

 

なるほどと思った。

 

かなり画面上、

テンコ盛りな遊びが多く、

好きなこと全部やったって感じ。

 

 

お金も出すし

自由にやっていいよ!

 

という、

環境が整わないと

こんなの作れないだろうな~

といった感じです。

 

 

あと、

この年代だからセットなんだろう

と、予想して観出したけど、

 

あまりにも画面奥に光る

水面などがリアルで、

 

え!?本物!?これ屋外!?

 

なんて思ったが、

やっぱりセットだとのこと。

 

恐ろしいですね、、、

セットの壮大さ。

 

脱帽です。

 

サイレント映画、

まだまだあまり観ていないので、

今後ももっと観ていきたいですね。

 

今の映画にはない、

面白い発見が出来そうです。

 

(2022年映画館鑑賞5本目。合計36本目)

 

 

スタッフ

監督:F・W・ムルナウ

脚本:カール・メイヤー

原作:ヘルマン・ズウデルマン 短編小説『Die Reise nach Tilsit』

撮影:チェールズ・ロッシャー、カール・ストラス 編集:ハロルド・シュスター(クレジットなし) 製作:ウィリアム・フォックス 配給:フォックス

 

キャスト

男:ジョージ・オブライエン

その妻:ジャネット・ゲイナー

都会の女:マーガレット・リビングストン

メイド:ボディル・ロージング

写真家:J・ファレル・マクドナルド

床屋:ラルフ・シップリー

マニキュアの女性:ジェーン・ウィントン

 

井上正昭さんの講義からMEMO(聞きながらのメモなので、間違っているところあればゴメンナサイ・・・)

・1920年代はドイツ映画の黄金時代。

・ドイツの大きな映画会社(撮影所)ウーファ(UFA:Universum Film AG/1917-1945)は、ヨーロッパで唯一、当時のハリウッドに対抗できた。

・大きな製作費が掛かる映画は、だんだんプロデューサーの力が強くなり(ポシャれない)、監督が自由に撮れなくなっていた。

・本作『サンライズ』は、自然も、列車も、すべてセット。奥の方の建物はミニチュアだったりして、トリックは使っているが、相当にお金を掛けて作られている。

・本作は、サイレント映画の最後の方なので、技術的にもかなり高い。

・短編小説などを原作とし、ものすごく単純なストーリーを映像で膨らませる、そういう映画が凄い。

・ジョン・フォード監督の『4人の息子』で、『サンライズ』のセットが再利用されているとか。

・ムルナウ監督はカメラの移動撮影が好きで、よく使っていた。

・トーキー以後は、物語を語ることが大事(主流?)になっていくことで、カメラが目立つような動きはあまりやらなくなっていく。(『戦艦ポチョムキン』のような、物凄いスピードでショットが変わっていくなどのスタイルが、撮られなくなる)

・サイレント時代は、音がないので、どんな風にもつなぐこともできるから、いろんな実験ができた。音が入ってくると、デタラメに繋げなくなる。

・本作の男(夫)を演じたジョージ・オブライエンは、とぼとぼ歩くのに、足に重りを付けて歩き、背中を丸め、一目見ただけで破滅に向かう感じを表現しているとか。

・本当のサイレントは、音楽も効果音もない。本作は、音が入っているからサウンド映画(サイレントとトーキーの境)

 

 

この他にも、

かなり色々なお話を披露して下さいました。

 

上記に記したのは、ほんの一部です。

(ちなみに、2日目は前日の講義の録画になります)

 

 

知らないことを教えて頂けて、

とっても楽しかった&勉強になりました。

 

次回以降も楽しみです。

 

25歳以下の方は、

500円(1月分は無料だった)

 

一般の方でも

1000円とかなりの破格!!

 

有難い限りですね~!

 

では、また次回に!