鑑賞記録(2022.7.9)【デジタルリマスター版】シャンタル・アケルマン映画祭!シャンタル・アケルマン監督『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』1975@Cinema KOBE

鑑賞記録(2022.7.9)

【デジタルリマスター版】

シャンタル・アケルマン映画祭!

 

シャンタル・アケルマン監督

ジャンヌ・ディエルマン

ブリュッセル1080、

コメルス河畔通り23番地

1975

@Cinema KOBE

 

『ジャンヌ・ディエルマンブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』1975/200分/ベルギー/カラー

アパートの部屋に定点観測のごとく設置されたカメラによって映し出される反復する日常。その執拗なまでの描写は我々に時間の経過を体感させ、反日常の訪れを予感させる恐ろしい空間を作り出す。主婦のフラストレーションとディティールを汲み取った傑作。ジャンヌを演じるのは『去年マリエンバートで』(61)『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(72)のデルフィーヌ・セイリグ。(『シャンタル・アケルマン映画祭』チラシより)

原題

Jeanne Dielman, 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles

 

一言あらすじ

ジャンヌは思春期の息子と共にブリュッセルのアパートで暮らしている。湯を沸かし、ジャガイモの皮を剥き、買い物に出かけ、“平凡な”暮らしを続けているジャンヌだったが……。(『シャンタル・アケルマン映画祭』チラシより)

感想

ただただ、

淡々淡々と・・・

 

 

およそ3日間に渡る、

日常が映し出されるが・・・・

 

 

平凡で、規則正しく、

ルーティーンのように

繰り返していく日常。

 

 

 

しかし、

同じことを繰り返していても、

全く同じようにはならない。

 

 

寸分違わぬ日が続くなんてことは

あり得ない。

 

 

 

少しずつ、

 

毎日が違う。

 

何かが変わっている。

 

 

ほんの少しずつ・・・

 

 

 

ほんの小さな不協和音から

ほんの小さな失敗から

 

ほんの小さな

取るに足らないと思えた出来事が

 

 

 

ボタンの掛け違えを生み、

それを整えるためなのか、

 

 

全てのボタンを引きちぎるように

事が起きる・・・

 

 

 

鳴り続ける電気機器の音・・・

 

ドアの大きな開閉音・・・

 

 

ちょっとずつ積もっていく

フラストレーション・・・

 

 

 

段々と

何かが起こりそうな気配を察する・・・

 

 

 

そして、

 

いつもの日常が

遂に非日常へと・・・

 

 

 

 

200分と長尺なので

忍耐と体力を求められる映画ですがww

 

 

 

見届けた先には、

 

ここまでその小さな動きが

結末に大きく関わると

予想していなかったので

(まさかそれはないよなという予想だった)

 

 

 

そう来たか、と。笑

 

 

こんな作品、

 

今までのところ

観たことがありません。

 

 

ここまでやり切ると

やはり唯一無二。

 

 

 

まさに日常を切り取りながら

ドラマを生む映画となっています。

 

 

 

 

一般大衆向けの映画ではないですが、

一見ごく平凡なありふれた生活に見える

 

 

誰もが持ち合わせることがあるような

日々から起こる劇的なドラマ。

 

 

 

これぞ”映画”とも言えるかも知れません。

 

 

映画の幅は、

本当にとても広いですね〜

 

 

 

まぁこの手の作品は

映画館じゃないと

逆に観るのがしんどいかも知れませんね。w

 

(好みもあると思いますが、

私は集中力すぐ切れるタイプなので・・・w)

 

 

 

小さなことをこれでもかと

観ることを迫られる作品。

 

 

 

こんな作品を作る監督は

そうそう居ないだろうと思いました。

 

 

 

監督の意思の強さを

勝手に感じた私でした。

 

 

 

(2022年7月15本目。本年度241本目、映画館111本目)

 

 

スタッフ

監督・脚本:シャンタル・アケルマン

撮影:バベット・マンゴルト

編集:パトリシア・カニーノ

美術:フィリップ・グラフ

録音:ベニー・デスワルト、フランソワーズ・ヴァン・ティーナン

音声編集:アラン・マーシャル

整音:ジャン=ポール・ルブリエ

記録:ダナエ・マロウラク

製作:イヴリン・ポール、コリーヌ・ジェナール

 

キャスト

デルフィーヌ・セリッグ

ヤン・デコルテ

アンリ・ストルク

ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ