鑑賞記録(2022.10.29)衣笠貞之助監督『狂った一頁』1926+生演奏付き上映 @シネ・ヌーヴォ

鑑賞記録(2022.10.29)

衣笠貞之助監督

狂った一頁』1926

 

+生演奏付き上映

ピアノ:鳥飼りょう

 

シネ・ヌーヴォ

『狂った一頁』1926/79分(18fps)/デジタル/白黒(染色版)/サイレント(生演奏付き上映)

衣笠が横光利一や川端康成などの新感覚派の文学者と結成した新感覚派映画聯盟の第1回作品で、日本初の本格的な前衛映画(アヴァンギャルド映画)である。

物語は松沢病院を見学した衣笠の発案によるもので、川端、衣笠、犬塚稔、沢田晩紅の4人の共同で脚本が作成され、撮影終了後に川端名義でシナリオが雑誌上に発表された。衣笠がプロデューサーを兼任した自主製作映画として作られ、撮影は1926年(大正15年)5月に松竹下加茂撮影所を借りて行われた。同年9月に新宿の武蔵野館などの洋画専門館で封切られ、映画評論家や識者から高い評価を受けたが、興行的には失敗した。新感覚派映画聯盟は本作を残しただけで解散したが、本作はその後の横光や川端のいくつかの作品描写や文体に影響を与えた面もあった。

1920年代のヨーロッパの前衛映画運動の潮流と呼応する作品であり、『カリガリ博士』(1920年)などのドイツ表現主義映画や、フランス印象主義映画から強い影響を受けている。光と影のコントラストを強調した表現主義的な照明、短いショットをリズミカルにつなぐ手法のフラッシュ、多重露光、フラッシュバック、オーバーラップ、クローズアップ、多重露光などの映画的技法が駆使され、純粋な映像だけによる表現が追求されている。映像の純粋性をねらう横光の提案により、サイレント映画でありながら全編が無字幕となっているが、実際の上映には活動弁士の説明が伴っていたため、映像の純粋性を保持することはできず、その点は公開当時に識者から批判された

公開後、本作は長らく失われた映画と考えられていたが、1971年(昭和46年)正月に衣笠の自宅の蔵から偶然フィルムが発見された。衣笠は自らこれを再編集し、新たに伴奏音楽を付けた「ニュー・サウンド版」を製作し、1975年(昭和50年)10月に岩波ホールで一般公開された。フィルムの発見以後、フランスやイギリス、アメリカなどの欧米各国でも上映されており、国際的にも高い評価を受けている。今日まで多くの映画史研究者により、世界映画史における記念碑的作品として認められ、多くの国々の映画界でよく知られている作品である。

当時のサイレント映画の標準の撮影速度は1秒16コマ(16fps)だったが、本作は1秒18コマ(18fps)で撮影された。本作ではさまざまな撮影や編集の技法が使われたが、当時はまだ編集で使うラッシュプリントを作らずに、直接ネガで編集をしなければならず、またムビオラのような編集設備で画面の流れを確認することもできなかったため、大変な苦労がかかった。衣笠は撮影したフィルムの画面の流れを確認するため、カメラに撮影済みのフィルムを装填し、レンズをのぞきながらカメラの後部を開いて光を入れ、撮影時と同じ速度でクランクを回すことで、カメラをムビオラの代用とした。撮影助手の円谷は、本作でパン棒を使用してカメラを上下左右に振る撮影法を発見するなど、さまざまな撮影技法を研究し、それは後の特撮技術へと繋がっていくことになった。

(↑ウィキペディアより)

精神科病院を舞台にイメージの奔流が画面を埋め尽くす実験的作品。牧野省三の下で時代劇を濫作していた衣笠貞之助が「思いのままに映画をつくってみたい」と一念発起して撮った。脚本は『伊豆の踊子』を発表したばかりの二十六歳の川端康成。無字幕としたのは横光利一の発案。若き杉山公平、円谷英二も参加。オリジナルの染色をよみがえらせた染色版。(シネ・ヌーヴォ公式サイト『時代劇が前衛だった/日本映画の青春期』より)

 

あらすじ

精神病院に収容された妻(中川芳江)の様子を、病院の小使をしながら密かに見守る夫(井上正夫)。妻は夫が認識できずにいる。隙を見て妻を逃がそうとするが、妻は暗闇を怖がり病室へ戻ってしまう。夫は幻想を見るようになり・・・

 

感想

全編字幕なし!!

もちろん音声もなし!!!

 

 

情報は、

映像のみ!!

 

 

気合入ってます!!!

 

 

今回は、

 

鳥飼りょうさんの

生演奏付きで鑑賞!!

 

 

まず、

演奏、素晴らしかったです!!

 

 

相変わらず、

今回もとっても好きな感じ!!

(いつもですがww)

 

 

アバンギャルドな作品にピッタリの

芸術性溢れた、

おしゃれな音楽でした。

 

 

 

本作は、

鳥飼さんのTwitterの情報で

 

事前に粗筋は抑えておいた方がいい

との情報を得ていたので、

 

 

本当にざっくりとですが

粗筋だけ読みました。

 

 

精神病院に入っている妻、

 

それを密かに見守るため

病院で小使している夫、

 

そこへ結婚を控えた

夫妻の娘がやってくる・・・

 

くらいですが。

 

 

確かに今回は、

 

正直、事前情報ゼロだと、

 

まず、夫婦の関係が

夫婦だとわかるかすらも

 

怪しい・・・汗

 

 

ずっと見ていけば、

夫婦なのかな・・・??

 

と気付くかもしれませんが、

 

早い段階で認識するには

結構難しかったかもしれません。

 

 

登場人物も、

収容されている患者が

複数映るし、

 

 

正直、一回では

?????という場面も

ありますが、、、

 

 

しかし、

ヨーロッパの前衛映画運動の

影響を受けているということで

 

確かに挑戦的な映像で

物語が映されます。

 

 

オーバーラップや

クローズアップなど他多数

面白い撮り方をされています。

 

 

狂っている状態なんかは

わかりやすく表現されていますし、

 

 

個人的には

 

能の面って

やっぱり面白い!!

 

と思いましたww

 

不思議な引力がある気がします。

 

日本独特だし。

 

 

サイレント時代の映像は

本当に独創的で

面白いものも多いですよね。

 

 

しかし、

1時間以上あるお話なのに

字幕なしでやろう!!

 

というだけでも

かなり凄いと

改めて思います。

 

 

100年近く前に

 

商業とか関係なく

何か新しいものを!と、

 

挑戦された

その精神に参りました!!

 

 

そして、

生演奏付きで観られて

よかったです!!

 

ありがとうございました!

 

(2022年10月38本目。本年度391本目、映画館215本目)

 

 

スタッフ

監督・製作:衣笠貞之助

原作:川端康成

脚本:川端康成、衣笠貞之助、犬塚稔、沢田晩紅

撮影:杉山公平

現像主任:阿部茂正

舞台装置:林華作、尾崎千葉

配光:内田昌夫

撮影補助:円谷英一(後の円谷英二)

監督補助:小石栄一、大杉正巳

タイトル:武田清

新感覚派映画連盟・ナショナルフィルムアート社

(国立映画アーカイブ所蔵作品)

 

キャスト

小使:井上正夫

妻:中川芳江

娘:飯島綾子

青年:根本弘

医師:関操

狂人A:高勢実

狂人B:高松恭助

狂人C:坪井哲

踊り子:南栄子

他