鑑賞記録(2022.5.26)18禁になったのは、影響力の強さへの懸念からか!?ロベール・ブレッソン監督『たぶん悪魔が』1977@Cinema KOBE

鑑賞記録(2022.5.26)

18禁になったのは、

影響力の強さへの懸念からか!?

(↑※私の考えです)

 

ロベール・ブレッソン監督

たぶん悪魔が』1977

@Cinema KOBE

 

『たぶん悪魔が』1977/97分/フランス/カラー/スタンダード

自然破壊が進み、社会通念が激変しつつある1970年代パリを舞台に、ひとりの若者の生と死を見つめる終末論的な本作。本国フランスでは18歳未満の鑑賞が禁じられたほどの絶望に満ちた内容、急進的な社会批判などが影響してか我が国では長らく日の目を見ることがなかったが、国際的には〈シネマトグラフ〉のひとつの到達点として高い評価を受け、その証拠に第27回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)を受賞している。

もちろんキャストは非職業俳優でありながら、フランソワ・トリュフォーは、この作品を「すばらしく官能的」な作品であるとして、特にメインの4人の若者たちの美しさを称賛している。

撮影は『ベニスに死す』(1971)といったルキノ・ヴィスコンティ監督作や『たぶん悪魔が』(1977)『ラルジャン』(1983)などのパスクァリーノ・デ・サンティス。

(↑本作チラシより一部抜粋引用)

 

受賞

ベルリン国際映画祭(第27回、1977年)

銀熊賞(審査員特別賞)

 

原題

Le diable probablement

 

あらすじ

裕福な家柄の出でありながら自殺願望に取り憑かれている美しい少年シャルルは、政治集会や教会の討論会に顔を出しても違和感を抱くだけで何も解決しない。環境問題の専門家である親友のミシェルや、シャルルに寄り添おうとするふたりの女性、アルベルトとエドヴィージュらと同じ時間を共有しても死への衝動を断ち切ることができない。冤罪で警察に連行されたシャルルは一層虚無に苛まれ、やがて銃を手にする・・・。(本作チラシより)

 

感想

本作が、当時

本国フランスで

18歳未満の鑑賞が禁じられたとのことで、

 

 

それを聞いて

そうなったのが

 

なんとなく分かる気がする

と思った。

 

 

 

魅力的な若者が

 

社会や生き方について鬱屈し

破滅的行動を取ることで

 

 

まさに閉塞感に満ちる

現代を生きる若者に

 

多大な影響を与えるのではと

(救いもないし)

 

危惧したのでは、と。

 

 

 

それほどまでに

時代を捕え、

その当時の若者の心情を捕え、

 

おそらく多くの若者が抱えていたものを

(今でもそうかもしれない)

 

代弁しているかのようだ。

 

 

音でも不協和音が

時々鳴り響き、

 

観ているこちらにも

なんとも言えぬ

不快感を与えてくる。

 

 

 

本作に触発され、

 

シャルルと同じように行動する

若者が出てきそうで、、、???

 

 

そうなったらマズイですね、、、

 

 

それほどまでの

影響力がありそうな本作。

 

 

 

メインの男女4人が

美男美女ということもあり

 

カリスマ性は

一層磨かれそうだ。

 

 

 

なにかに侵された精神は

清められることなく

あっけなく散っていく・・・

 

 

 

世界は破滅に

自ら向かい、

 

壊し、汚し、殺し・・・

 

 

そんな中で、

どこにどうやって

光を見出すのか・・・

 

 

 

それには

自分の意識や見方を

変えることも必要だろう。

 

 

 

しかしそれは

 

簡単なようで難しく、

 

難しいようで簡単でもある。

 

 

きっかけさえあれば

 

人は簡単に変われることもある。

 

 

もちろん、

変われないことも多いだろうが。

 

 

 

そして

 

衝撃のラストの

ちゃっちゃと感!!ww

 

 

 

即物的で

先のことなど考えず

 

刹那的に生きる者の方が

 

生きていけるようにも

見える世界・・・

 

 

まさにその辺り、

 

現代を生きる若者に

リアルに響く心情なのかもしれない・・・

 

 

 

(2022年5月34本目。本年度179本目、映画館73本目)

 

 

スタッフ

監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン

撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス

音楽:フィリップ・サルド

製作:ステファン・チャルガジエフ

 

キャスト

シャルル:アントワーヌ・モニエ

アルベルト:ティナ・イリサリ

ミシェル:アンリ・ド・モーブラン

エドヴィージュ:レティシア・カルカノ