鑑賞記録(2022.5.29)
ルイス・ブニュエル監督
『忘れられた人々』1950
@神戸映画資料館
『忘れられた人々』1950/77分/メキシコ/モノクロ/16mmフィルム上映
(本作は)2003年(平成15年)、ユネスコの「世界の記憶」に登録された。
※【世界の記憶】:国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が主催する事業の一つ。危機に瀕した古文書や書物などの歴史的記録物(可動文化財)を保全し、広く公開することを目的としている。(ウィキペディアより)
受賞
カンヌ国際映画祭(第4回・1951年開催)
監督賞
原題
Los Olvidados
一言あらすじ
メキシコシティのスラム街を舞台に、貧しく非行少年達の悲惨な現実を描く
感想
す、凄まじい・・・
貧しい少年たちが
かなり酷いことを
平然と行っている・・・
身体が不自由な人などを狙って
集団で襲いかかり・・・
しかしその中で、
ペドロ少年は
母にいつも邪険に扱われ、
母の愛に飢えており、
本当は優しい心もあるのだが・・・・
いつも何かと厄介事に巻き込まれ
悲惨な状況に陥ってしまう・・・
ラストも衝撃で
救いはないのかと思うほど
無残なことに・・・
しかし、
このお話は
架空の絵空事でなく、
現実にありえたお話、、、
(本作は創作だが、スラム街で
このような少年達の犯罪が
確か実際にあったはず)
それが一番衝撃・・・
そういう話は
2002年公開当時映画館で観た
『シティ・オブ・ゴッド』
(フェルナンド・メイレレス監)
でも観たことがある。
こちらは、実話を基にした
ブラジル・リオデジャネイロの
スラム街の子供たちが犯罪に手を染めて
生きている話。
20年前の記憶なので
あまり詳細は忘れたが、
銃や麻薬なども登場し、
本作よりさらに悲惨だったはず・・・
すべての原因ではないにせよ、
世の中、社会が
貧しい親を生み出し、
その親がまた
愛情や食べ物などに飢えた
子どもを作り出す・・・
負の連鎖・・・・
なんとも辛く恐ろしい。
本作で登場する
感化院の職員(所長)?が母に対し、
子供に愛情を与えてあげないと
非行を繰り返すみたいな事を言い、
子供の本来の姿を
なんとか取り戻すよう信じる行いに
少し救われる・・・
あと、本作途中の
ペドロの夢が
恐怖と渇望、罪の意識など
表現した面白い作りで挿入される。
正直、現状どこまで
改善されているのか分からないが
こういった世の中があることを
改めて思い知った。
(2022年5月37本目。本年度182本目、映画館76本目)
スタッフ
監督:ルイス・ブニュエル
脚本:ルイス・ブニュエル、ルイス・アルコリサ
撮影:ガブリエル・フィゲロア
音楽:ロドルフォ・ハルフター 編集:カルロス・サバヘ
プロデューサー:オスカル・ダンシヘルス
製作:ウルトラマー・フィルム
他
キャスト
ロベルト・コボ
エステラ・インダ
ミゲル・インクラン
アルフォンソ・メヒア
他