鑑賞記録(2022.7.5)
生誕100年記念上映!
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督
『王女メディア』1969
@元町映画館
『王女メディア』1969/111分/イタリア・フランス・西ドイツ/カラー/ビスタ 1:1.85
『アポロンの地獄』(67)で初めて古代ギリシャを題材にとったパゾリーニは、エウリピデスのギリシャ悲劇「メディア」を元に、再び神話世界の映像化を構想しました。この企画が本格的に動き出したのは、一切のオファーを断り続けていた歌姫マリア・カラスが、「この映画だけは断れない」とメディア役を承諾したため。当時カラスは、9年にわたり愛し続けた恋人に裏切られた時でした。失意の底で落胆していた彼女でしたが、ひとりの女性としてのメディアを描こうとするパゾリーニに応えるように、愛の苦悩を背負う壮絶なヒロイン像を演じ切りました。
特筆すべきはその劇伴で、イラン、チベット、インド等世界各国の民族音楽が使用され、中でも日本の地唄や箏曲が印象的に使われています。主にロケの行われたトルコ・カッパドキア地区のギョレメの幻想的な岩窟群、ピエロ・トージによる美しい衣装の数々も大きな見どころ。様々な文化が入り混じった、パゾリーニにしか描けない唯一無二で独創的な神話世界をご堪能ください。
(↑パゾリーニ生誕100年『王女メディア』チラシより)
マリア・カラスが長編映画に出演したのはこの作品のみ。ただし歌は歌っていない。(ウィキペディアより)
原題
Medea
あらすじ
イオルコス国王の遺児イアソンは、父の王位を奪った叔父ペリアスに王位返還を求める。叔父から未開の国コルキスにある〈金の羊皮〉を手に入れることを条件に出され旅に出たイアソンは、コルキス国王の娘メディアの心を射止めて奪還に成功。しかし祖国に戻ったイアソンは約束を反故にされ、メディアと共に隣国コリントスへ。そこで国王に見込まれたイアソンは、メディアを裏切って国王の娘と婚約してしまう。メディアは復讐を誓い…。(パゾリーニ生誕100年『王女メディア』チラシより)
感想
ロケーションと衣装が
とにかく素晴らしい!!!
これだけで
スクリーンで観た甲斐がある!!
というもの。
他にはない
美しく独創的な衣装と、
カッパドキア地区ギョレメの
唯一無二の情景。
お話は古代の話なので
生贄みたいなのとか、
殺しの描写が私には
キツかったが、、、、
(ちょっとでも結構ダメな私・・・ビビりなもので、、)
ギリシャ神話とかって
復讐劇や壮絶な話が多いですね。。。
世界中、昔の歴史とかでも
身内に手をかけることって
結構あるみたいだし・・・
映画出演は本作のみという
オペラ歌手のマリア・カラス。
目力の強さったら凄いです。
凄まじい激情の持ち主
メディアを演じる器があります。
こういった力の強いキャラクターは
演じる側の度量がなければ
成立しないと思いますので、
さすがです。
マリア・カラスの
当時の実体験によるお話も相まって
一層メディアに感情移入する部分も
あった??のかもしれませんね。
『私は、マリア・カラス』(2017)を
当時劇場で観ましたが、
恋愛も色々あったご様子・・・
あまり覚えていませんが・・・ww
とにかく存在感、凄まじかった。
セリフのないシーンも多く
より幻想的で
異世界を感じさせます。
(2022年7月8本目。本年度234本目、映画館104本目)
スタッフ
監督・脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ
撮影:エンニオ・グァレニエリ
衣装:ピエロ・トージ
製作:フランコ・ロッセリーニ
他
キャスト
メディア:マリア・カラス
イアソン:ジュゼッペ・ジェンティーレ
コリントス王クレオン:マッシモ・ジロッティ
ケンタウロスのケイロン:ローラン・テルズィエフ
クレウサ:マルガレート・クレメンティ
ペリアス:ポール・ヤバラ
他