鑑賞記録（2022.6.12）
デジタルリマスター版
ジャック・リヴェット映画祭！
ジャック・リヴェット監督
『メリー・ゴー・ラウンド』1981
@Cinema KOBE
『メリー・ゴー・ラウンド』1981/161分/フランス/カラー
日本劇場初公開
ふたりのライバルが『デュエル』『ノロワ』とは異なり今度は男と女になり、謎に支配された舞台で終わることのない追いかけっこが繰り広げられる。レオ役を演じたマリア・シュナイダーやリヴェット自身の個人的な問題により撮影は長引き混乱を極めるも、長編第一作である『パリはわれらのもの』で導入されたテーマを家族間の復讐やパラノイアを絡めメランコリックなミステリーとして見事に再構築した。ベンを演じるのはアンディ・ウォーホルに見出された俳優ジョー・ダレッサンドロ。またレオとエリザベスの父親には名優モーリス・ガレルが扮している。（『ジャック・リヴェット映画祭』チラシより一部抜粋）
ジャック・リヴェット
1928年3月1日、フランス北部の都市ルーアンに生まれる。49年にパリのシネマテークでフランソワ・トリュフォー、ジャン＝リュック・ゴダール、エリック・ロメールらに出会う。ロメールが主催するシネクラブ・デュ・カルティエ・ラタン発行の機関誌「ラ・ガゼット・デュ・シネマ」に携わるものの、「カイエ・デュ・シネマ」誌の創刊に合わせ同誌は廃刊、以後「カイエ」誌にて多くの優れた映画批評を執筆。63年から3年間に渡って「カイエ」誌の編集長を務めている。映画監督としては49年に初の短編を、そして56年にはクロード・シャブロル製作で『王手飛車取り』を発表。60年に『パリはわれらのもの』で長編映画デビュー。以降、内容が反宗教的と判断され一時上映禁止となったアンナ・カリーナ主演の『修道女』（66）や12時間を超える長尺『アウト・ワン』（71）など話題作を手がける。今回上映される『セリーヌとジュリーは舟でゆく』（74）をはじめとした5作は、ヌーヴェルヴァーグの作家たちの中でも極めて個性的だったリヴェットが最も精力的に活動していた中期の作品群にあたる。その後も『地に堕ちた愛』（84）、『彼女たちの舞台』（89）など傑作を連発、中でも第44回カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞した『美しき諍い女』（91）は日本でも多くの観客を集めた。2000年代に入っても創作意欲は衰えず、『恋ごころ』（01）、『ランジェ公爵夫人』（07）など瑞々しい感性を見せるも、2016年1月29日、パリにて死去。87歳没。（デジタルリマスター版『ジャック・リヴェット映画祭』チラシより）
ジャック・リヴェット映画祭 上映5作品
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』1974年
『デュエル』 1976年
『ノロワ』 1976年
『メリー・ゴー・ラウンド』 1981年（←今回はこちらを鑑賞）
『北の橋』 1981年
原題
Merry-Go-Round
一言あらすじ
ベン（ジョー・ダレッサンドロ）は、元恋人のエリザベス（ダニエル・ジェコフ）から電報を受け取りパリへ向かうが、そこにいたのは彼女の妹レオ（マリア・シュナイダー）だった。ふたりは、エリザベスを探すが・・・
感想
ジャック・リヴェットお得意？の
音楽を演奏する者を
画面にガッツリ挿入。
前回観た
『デュエル』『ノロワ』では
（両方1976年）
背景として入ってくる感じが主だったが、
（※『ノロワ』では既に結構主張されていたが。）
今回は、かなり長い時間
この演奏者2人のショットがあった。
最初から独特です。
物語は、
『デュエル』の時のように
サスペンス的に進んでいきます。
しかし、その間に
不思議かつ奇妙？な
謎のシーンが度々挿入。
さらには
メインのお話の方にも
おとぎ話的晩餐会のような
シーンもあって。
（ありえない状況だけど、
シーンとしては印象的でした。）
サスペンスとしてだけでは、
決して終わらない
不思議な世界観。
やはりヌーヴェル・ヴァーグの作家たちは
独特ですね。
頭で理解しようとすると
置いて行かれるところが
いつもあるように感じます。ｗｗ
個人的には、
マリア・シュナイダーの感じが
自然体で好きな感じでした。
ジョー・ダレッサンドロも
甘いマスクで、
まぁまぁゲスい所があるのが
いいですね。ｗｗ
最近、男前な顔で
中々のゲスっていう設定が
結構好きです。ｗｗ
（先日観た『冬薔薇』の
伊藤健太郎さんの役とかも
そういう系でしたね）
昔の二枚目スターが、
そのままカッコいい！！
っていうのも好きですが。
設定とか人物とかも
色々観ていくと
様々で面白いですね。
（2022年6月16本目。本年度202本目、映画館86本目）
スタッフ
監督：ジャック・リヴェット
脚本：エドゥアルド・デ・グレゴリオ、スザンヌ・スフマン、ジャック・リヴェット
台詞：エドゥアルド・デ・グレゴリオ
撮影：ウィリアム・リュプチャンスキー
編集：ニコール・ルブシャンスキー、カトリーヌ・クズマン
製作：ステファン・チャルガジエフ
他
キャスト
レオ：マリア・シュナイダー
ベン：ジョー・ダレッサンドロ
エリザベス：ダニエル・ジェコフ
ジュリアス・ダンバーズ：モーリス・ガレル
ルネ・ノヴィック：フランソワーズ・プレヴォー
他
