鑑賞記録(2022.1.24 その②)
凄すぎやしませんか、お静さん!
『お遊さま』1951 Amazon Prime Video
『お遊さま』1951/89分(Amazon Prime Video版)/日本/モノクロ・スタンダード
溝口健二監督、大映移籍後 第一作目
国際的に評価された溝口作品の『西鶴一代女』1952『雨月物語』1953『山椒大夫』1954 の前に作られた作品。
谷崎潤一郎の小説『芦刈』を原作に、脚本は依田義賢、溝口健二監督が映画化。
一言あらすじ
お見合いの場に連れて来られた慎之介(堀雄二)は、相手方の一行を庭から見て、やっと理想の女性が現れたと喜ぶ。しかし、その女性は見合い相手のお静(音羽信子)ではなく、付き添いで来たお静の姉・お遊(田中絹代)だった・・・
感想
私はこのお話を、
まったく前情報なしで観たのだが
(基本いつもそうだけど)
それが良いのでは?
となぜか今回、特に思うので
(あまり根拠はないw)
もしご興味あれば、
まずは鑑賞頂きたい。
(一言あらすじは書いちゃったけど・・・)
次の展開が分かっていないからこそ
作品の仕上がり具合に
後から唸る部分がある。
そしてまず、
画が美しい。
日本美を見事に感じます。
庭園でのお茶の席や、
(素敵!カッコいい!と感動)
牡丹で有名な長谷寺のシーンなど
日本独特の
美しさを感じられることでしょう。
お話は、
お静の決断に、
凄まじい、あるいは
ちょっと異常とさえ思える
姉に対する自身の振舞い。
ちょっと、え~~、、
と思うところもあるが、w
基本的に
辻褄は合っているように思うので
違和感だったり、
観ていておかしいと思うところはない。
壮絶に
3本の糸が絡まったようなお話だが、
すべての裏に
理由的背景が見えるので
観客は置いてきぼりにされずに
事の顛末を見届けられる気がする。
お静のラストの場面で、
彼女が一言、
慎之介に本音を言うのも
ぐっと来たし、
やっぱりそうだよね、、、
なんて思った。
本作の冒頭部の解説が
またまた
『人生と仕事に効く 教養としての映画』
(著:伊藤弘了)にも載っており、
鑑賞後に読んでみると、
なるほど~!
と、自分で観ただけでは気付かなかった
新しい発見があった。
ぜひ、こちらも鑑賞後に
読んでみてはいかがでしょうか。
(U-NEXTの電子書籍でも読めます)
(2022.1.24動画鑑賞29本目)
スタッフ
監督:溝口健二
脚本:依田義賢
原作:谷崎潤一郎
撮影:宮川一夫 録音:大谷巌 照明:岡本健一 美術:水谷浩 謡曲指導:小寺金七
製作会社:大映京都撮影所 配給:大映
キャスト
お遊:田中絹代
お静:乙羽信子
慎之介:堀雄二
おすみ:平井岐代子
おつぎ:金剛麗子
栄太郎:柳永二郎
久左衛門:進藤英太郎
乳母:小林叶江 他