鑑賞記録(2022.5.12)
アルフレッド・ヒッチコック監督
『ロープ』1948
『ロープ』1948/79分/アメリカ/カラー
パトリック・ハミルトンの同名舞台劇の映画化で、1924年に実際に起きた少年の誘拐殺人事件「レオポルドとローブ事件」を元にしている。
アルフレッド・ヒッチコック監督はこの映画の全編をワンシーンで繋げたうえ、映画の本編と実際の時間が同時に進むという実験的な試みをしている。当時の撮影用のフィルムは10 – 15分が限界なので、実際には背中や蓋を大写しにするワンカットを入れることで全体がつながっているように演出している。
また、本作品はヒッチコック初のカラー作品である(テクニカラー)。
ヒッチコック監督は本作にカメオ出演している。映画冒頭で新聞を持って通りを歩いている。
(↑ウィキペディアより)
原題
ROPE
一言あらすじ
摩天楼を見渡せるアパートの一室。ブランドン(ジョン・ドール)とフィリップ(ファーリー・グレンジャー)はそこで殺人を犯す。2人はそのままそこへ、被害者の父、恋人、被害者の親友だったケネス、伯母、青年たちの先生だった大学教授を招いてパーティを催すが・・・
感想
時間があまりないけど、
何か1本観たいと思い、
79分と比較的短い本作をチョイス。
ヒッチコック作品は
いくつか観ているが、
今回の映画でも色々と
新しい試みを行っているようだ。
長回しワンカット手法で撮っている
ということは知っていたので、
その点に注目しつつ鑑賞。
完全にワンカットで
最初から最後までいくわけではないが、
当時としては
かなり面白い試み
だったのではないだろうか。
日本で長回しといえば
溝口健二監督が有名だが、
このレベルの長回しは
観たことがない。
本作のように、
(丸々全部ではないにせよ)
大部分を
長回しワンカット風にするのは
凄いことだと思う。
先にも記したが、
当時はフィルムだから
フィルムチェンジが必ずあるので
長編を完全にワンカットというのは
技術的に不可能だが
なるべく繋がるように
背中にグッと寄ったりして
一瞬暗くなり、
その時に一度止めて
そのあとを繋いでいるようだ。
今でこそ
『1917』とか
(2019:サム・メンデス監督)
技術が進化して
本当にすごい長回しワンカットの長編で
編集点がほとんど分からないような
ものが作られているが、
(それでも完全なワンカットではない)
当時、その発想自体が
画期的だっただろう。
(※ちなみに、『ドライブ・マイ・カー』の共同脚本をされている、大江崇允監督の『かくれんぼ』(2012:38分)は、完全なワンカット長回し作品!!!相当変わった作品で興味深いです。これをやるって精神がかなり(良い意味で)クレイジー!!www。超面白い。しかし、事前準備の稽古(リハーサル)がかなり大変だったよう。(『1917』も相当リハしたらしい)やっぱりそうなるでしょうね~。)
時間軸も
リアルタイムを意識して撮られ、
以前流行った
海外ドラマ『24』
とかを思い出す。
すでにヒッチコック監督が
やってたんですね~
スゴイ。
(以下、ちょいネタばれ・・・
一言あらすじで
既に少し触れてしまっているけど・・)
お話は、
わりかし
予想通りの展開ではあるが、
メイン若者二人の行動は
かなりヤバい。ww
ビビりまくるフィリップに
若干イラつく私だが、ww
まぁ普通の神経なら
そうなるよね・・・ww
そして、
ツッコミどころもあるが。笑
(最初の殺害シーンに、とりあえずツッコミ!笑)
私は本作の鑑賞前に
後に製作される
『裏窓』(1954)を観ているから
同じく
ジェームズ・スチュワートで
密室劇ってことで
なるほどって感じです。
お話としては、
『裏窓』の方が
作り込まれている気はします。
毎度何かしら
普通と違う感覚の
映画を見せてくれる
巨匠
アルフレッド・ヒッチコック監督です。
(2022年5月13本目。本年度158本目)
スタッフ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:アーサー・ローレンツ
原案(脚色):ヒューム・クローニン
原作:パトリック・ハミルトン
撮影:ジョセフ・バレンタイン、ウィリアム・V・スコール、
音楽:レオ・F・フォーブステイン
編集:ウィリアム・H・ジグラー
製作:シドニー・L・バーンスタイン、アルフレッド・ヒッチコック
他
キャスト
ルパート・カデル:ジェームズ・スチュワート
ブランドン・ショー:ジョン・ドール
フィリップ・モーガン:ファーリー・グレンジャー
ジャネット・ウォーカー:ジョアン・チャンドラー
ヘンリー・ケントレイ:セドリック・ハードウィック
アニータ・アトウォーター:コンスタンス・コリアー
ミセス・ウィルソン:イディス・エヴァンソン
デイヴィッド・ケントレイ:ディック・ホーガン
ケネス・ローレンス:ダグラス・ディック