鑑賞記録(2022.9.8)
アレックス・トンプソン監督
『セイント・フランシス』
2019
@シネ・リーブル神戸
『セイント・フランシス』2019/101分/アメリカ/カラー/ビスタサイズ/5.1chデジタル
サウス・バイ・サウスウエスト映画祭2019で観客賞と審査員特別賞を受賞したヒューマンドラマ。
これまで赤裸々に描かれることが少なかった生理、避妊、中絶といった女性の身体にのしかかる負担やプレッシャー、さらにブリジットが直面する年齢差別や、レズビアンカップルに対する社会的な差別といったリアルを、軽やかに脚本に落とし込んだのは主演も務めるケリー・オサリヴァン。グレタ・ガーウィグの『レディ・バード』の女性の描き方に触発され本作の執筆を開始。社会問題と共に大人だからこその苦悩と揺れ動く心情、そして今を生きる人たちの本音をユーモアと感動を交えてナチュラルに描いた。私生活でパートナーであるアレックス・トンプソンが監督を務めた。このクリエイティブなカップルに大注目!(本作チラシより)
原題
Saint Frances
一言あらすじ
34歳、独身。大学も一年で中退し、レストランの給仕として働くブリジット(ケリー・オサリヴァン)。夏の間だけ、ナニー(子守り)の仕事を得たブリジットは、ナニー先の6歳の少女フランシス(ラモーナ・エディス・ウィリアムズ)や、彼女の両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ日常に変化が・・・
感想
34歳独身、子供なし、
職はレストランの給仕係で
これといったキャリアはない。
ぶっちゃけ、
私もあまり
変わらないような状況だが、
私よりまだ若い
本作の主人公ブリジット。
私から言わせれば、
独身の30代なんてまだまだ!
と言いたくなってしまうが・・・ww
40代、50代、それ以上でも
独身なんて
ザラにいると思うし、
年齢で言わせてしまえば
ヤバさはブリジットより
私の方が上回ることになる。爆
でも世の中、
年齢や状況は違えど、
ブリジットのように
悩む人たちは
結構いるんではないだろうか?
仕事も、キャリアも、
パートナーも
子供も、お金も
ロクに持ち合わせず
(望むも、望まないも)
基本の生活を、
独りで生きる人たち。
ブリジットは
まだご両親も健在で、
たまに鬱陶しくても
付き合っていなくても
そばにいてくれる人はいて、
フランシスという少女と
フランシスのレズビアンカップルの
両親との交流から
最初は中々
思うようにいかなくても、
人との温かいふれあいが
いつしか始まっている・・・
そう、
ないものではなく
あるものを見れば、
結構、あるかもしれない。
少女フランシスの
子供だからこそ自分に正直に
偽りや偏見のない
心と眼で見たものを
会話を通して聞くことで
新しい発見が生まれる。
子供って本当によくわかってる。
私には子供はいないけど、
子供がいる友人もいれば
いない友人もいる。
フランシスの片方の母マヤも
子供を産んで
産後うつになるほど大変だし、
子供は宝だと思うが、
子育ての大変さは
子育てをしたことの無い者からすれば
考えも付かないほどだろう。
そして大変な分、
きっとそれ以上の
大きな喜びもあることだろう。
大抵の物事には
多かれ少なかれ、
良い面も悪い面もあって、
何を選ぶかは、自分次第だ。
その選択は人それぞれで
何が良いとか悪いとか
万人に当てはまる答えなど
ないと思う。
私もブリジットのように
先行き不安な状況ではあるが、
今出来る事、
今やりたい事、
先のことはわからないけど、
今出来ることは、
今しておこうと思う。
なるべく。ww
多様性のある
本作の日常は、
新たな価値観を見出す
一つの手助けになるかもしれない。
(2022年9月12本目。本年度326本目、映画館171本目)
スタッフ
監督:アレックス・トンプソン
脚本:ケリー・オサリヴァン
音楽:アレックス・バビット、クイン・ツァン
撮影:ネイト・ハートセラーズ
編集:アレックス・トンプソン
美術:マギー・オブライアン
プロデューサー:アレックス・トンプソン、ジェームス・チョイ
他
キャスト
ブリジット:ケリー・オサリヴァン
フランシス:ラモーナ・エディス・ウィリアムズ
マヤ:チャリン・アルヴァレス
ジェイス:マックス・リプシッツ
アニー:リリー・モジェク
アイザック:ジム・トゥルー=フロスト
キャロル:マリー・ベス・フィッシャー
デニス:フランシス・ギナン
ジョアン:レべッカ・スペンス
他