鑑賞記録(2022.9.9)大森立嗣監督『グッバイ・クルエル・ワールド』2022@109シネマズHAT神戸

鑑賞記録(2022.9.9)

大森立嗣監督

グッバイ・クルエル・ワールド

2022

@109シネマズHAT神戸

 

『グッバイ・クルエル・ワールド』2022/127分/日本/カラー(確認していないが、多分シネスコサイズ)

『さよなら渓谷』(13)以来ぶり、大森立嗣監督とタッグを組んだ高田亮によるオリジナル脚本作品

グッバイ・クルエル・ワールド(Goodbye Cruel World)は、1984年に発表されたエルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズのアルバムでもある。

直訳は、”さよなら残酷な世界”。 cruel:(人・動物に対して)残酷な、冷酷な、無慈悲な、という意味。(ロングマン現代英辞書より)

 

監督:大森立嗣

1970年、東京都出身。2001年、プロデュースと出演を務めた『波』が第31回ロッテルダム映画祭最優秀アジア映画賞“NETPAC AWARD”を受賞する。2005年、監督デビュー作『ゲルマニウムの夜』が、第59回ロカルノ国際映画祭、第18回東京国際映画祭など多くの映画祭に正式出品され、国内外で高く評価される。2作目の『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(10)が第51回日本映画監督協会新人賞を受賞し、第60回ベルリン国際映画祭フォーラム部門、第34回香港国際映画祭に正式出品される。続く『さよなら渓谷』(13)がモスクワ国際映画祭に出品され、日本映画としては48年ぶりに審査員特別賞を受賞。『さよなら渓谷』と『ぼっちゃん』(13)で、第56回ブルーリボン賞監督賞を受賞。さらに近年では、『日日是好日』(18)で、第43回報知映画賞監督賞を受賞。『MOTHER マザー』(20)で、第75回毎日映画コンクール日本映画大賞を受賞。『星の子』(21)で、第30 回日本映画批評家大賞作品賞を受賞する。その他の監督作に、『まほろ駅前多田便利軒』(11)、『まほろ駅前狂騒曲』(14)、『セトウツミ』(16)、『光』(17)、「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』(18)、『タロウのバカ』(19)などがある。(本作公式サイトより)

 

脚本:高田亮

1971年、東京都出身。主な作品に、前田弘二監督作品『婚前特急』(11)、『わたしのハワイの歩きかた』(14)、『セーラー服と機関銃 -卒業-』(16)、『まともじゃないのは君も一緒』(21)、呉美保監督作品『そこのみにて光輝く』(14)、『きみはいい子』(15)、『オーバー・フェンス』(16/山下敦弘監督)、『武曲 MUKOKU』(17/熊切和嘉監督)、『猫は抱くもの』(18/犬童一心監督)、『ボクたちはみんな大人になれなかった』(21/森義仁監督)、『死刑にいたる病』(22/白石和彌監督)、大森立嗣監督作品では『さよなら渓谷』(13)などがある。(本作公式サイトより)

 

一言あらすじ

互いに素性を知らない寄せ集めの強盗集団が、ヤクザの金を強奪!しかし、その分前はもちろん!?不平等!!不満あり、裏切りあり、ヤクザはもちろん追ってくる!行く先のない者たちの成れの果ては・・・!?

 

感想

今回、初めて

109シネマズHAT神戸さんで

鑑賞!!

(公開初日現在、神戸ではここのみ上映)

 

 

周辺各駅から

徒歩約10分前後です。

 

今後もまた

伺うことと思います!

 

 

 

今回は、

ザッとではありますが、

 

先にシナリオを読んでの鑑賞!

 

 

 

読んでいる時、

 

正直、

え!こんな事、言えちゃえるんだ!?

 

 

という、社会的闇の部分が

台詞として扱われており、

 

 

そのことだけでも

ちょっと心躍る自分がいた!笑

 

 

 

三浦友和さん演じる

浜田のおじさんが

主に話す台詞である。

 

 

そういうことに

全く疎い私だが、

 

 

資本主義、社会、国家、経済など

 

入っているのに気付いていない

社会システムの中で

 

世の中は回っていると

痛感する・・・

 

 

 

登場人物たちは、

 

(元)ヤクザや、未成年風俗嬢、

リストラされた会社員、

フリーの犯罪なんでも屋

ヤクザに弱みを握られた刑事

など

 

 

ダークでディープな面々だ。

 

 

 

渋くてカッコいい音楽に乗せて

地獄を駆け回りながら

 

一筋の光を探すことすら

覚束無い・・・

 

 

 

抜け出したくても

抜け出せない。

 

 

世間もそれを許さない。

 

 

一度犯した罪は

何年経っても消える事なく

 

影のようについて回る。

 

 

 

個人的に

 

宮沢氷魚さんと

玉城ティナさんが演じた

 

若者二人のキャラクターが

 

 

大好きな映画

俺たちに明日はない』(1967)の

ボニーとクライドのようで

 

 

とても好きなキャラクターだ。

 

 

 

この作品の

主な登場人物たちの世界は

 

 

まるで芥川龍之介の

『蜘蛛の糸』の

地獄の世界。

 

 

(『川っぺりムコリッタ』のシナリオで

登場していた・・・)

 

 

 

底のモンは底のモン同士で

足を引っ張り合う・・・

 

 

地上に、天に

上がれるなんて思うなよ、

上がるんだったらお前じゃない

こっちが先だ!!

 

 

殴り合い、殺し合いのカオス・・・

 

 

まさに

 

地獄絵図とは、このことか・・・

 

 

グロいのは苦手なタチの私だが

 

ある程度、

脚本から想像していたこともあるのと

そこまでキッツい描写はないので

 

バイオレンスな場面も

大丈夫でした・・・ホッ笑

 

 

(もし白石和彌監督だったら恐ろしい・・・

なんて。決して悪口ではない!爆)

 

 

 

超個人的な好みとして

横移動の長回しカットが好き。ww

 

 

 

本作は、

犯罪が中心の映画だが、

 

描かれ方は

人間のドラマだ。

 

 

単なる絵空事の

完全なフィクションではなく

 

身近には居なくとも

 

世界を見渡せば

きっとどこかにこんな人は居て

 

 

実際に起こり得て

 

あり得る話でもある・・・

 

 

 

 

1パーセントが

左うちわで殆どを搾り取り、

 

残りカスを99%で奪い合う・・・

 

 

 

社会ピラミッドの

下に行けば行くほど

 

過酷でキツい仕事の上に

雀の涙ほどの金。

 

 

 

そんなことを考えずにはいられない・・・

 

 

 

このような作品が

世に公開されたことは

 

なんだか民主主義を感じる。w

 

 

 

2022年月刊シナリオ10月号の

高田亮さんの

「脚本家ノート」(P.75)の一部に

 

”この企画を成立させる剛腕・

甲斐プロデューサー”

 

との、名があがっていたが

 

ゴッド・ファーザー』を成功に導き

 

ジ・オファー 

ゴッド・ファーザーに賭けた男

にも登場する

 

名プロデューサー、

アルバート・ラディを

思い出しました!

 

 

(またちょっと方向性違うかもしれませんが・・・)

 

 

社会の闇を描くような作品は、

 

製作の方々の

ご尽力にも頭が下がりますね。

 

 

 

 

そしてラスト・・・

 

 

 

 

彼らの人生とは裏腹に

 

 

澄み渡った真っ青な空と

 

 

”グッバイ・クルエル・ワールド”!!

 

と言わんばかりの

 

 

ふたりの笑顔は

 

 

どこへ繋がっていくのだろうか・・・

 

 

 

終わった後も

なんだか色々考えたくなる作品。

 

 

そういうの、

結構好きな私です。ww

 

 

 

(2022年9月13本目。本年度327本目、映画館172本目)

 

ネタバレMEMO

冒頭の車は、水色のフォード・サンダーバード。

ラスト銃声一発に聞こえたが、だとすれば、その先(またはその理由)が気になる。ww

 

挿入曲

オープニング曲:「What Is This」Bobby Womack(ボビー・ウーマック)Universal Music
劇中曲:「Let’s Stay Together」Margie Joseph(マージー・ジョセフ)Warner Music Japan
「Back In Your Arms」Wilson Pickett(ウィルソン・ピケット)Warner Music Japan
エンディング曲:「California Dreamin’」Bobby Womack(ボビー・ウーマック)Universal Music

(本作公式サイトより)

 

スタッフ

監督:大森立嗣

脚本:高田亮

撮影:辻智彦

照明:大久保礼司

録音:高田伸也

美術:堀明元紀

装飾:松本吉正

スタイリスト:纐纈春樹

ヘアメイク:豊川京子

編集:早野亮

音楽プロデューサー:田井モトヨシ

スチール:三木匡宏

助監督:小南敏也

制作担当:大塚博之

製作:小西啓介、森田圭、甲斐真樹、小川悦司、田中祐介、石田勇、前信介、山本正典、檜原麻希、水戸部晃

企画:甲斐真樹

プロデューサー:甲斐真樹、大畑利久、永田芳弘、高口聖世巨

ラインプロデューサー:梅本竜矢

 

キャスト

安西幹也:西島秀俊

萩原政春:斎藤工

矢野大輝:宮沢氷魚

坂口美流:玉城ティナ

武藤浩一郎:宮川大輔

蜂谷一夫:大森南朋

浜田茂:三浦友和