鑑賞記録(2022.3.22)野原位監督 劇場デビュー作『三度目の、正直』2022@元町映画館

鑑賞記録(2022.3.22)

野原位監督 

劇場デビュー作

『三度目の、正直』2022

@元町映画館

 

『三度目の、正直』2022/112分/日本/カラー・ビスタヴィジョン

黒沢清監督『スパイの妻』(2020)、濱口竜介監督『ハッピーアワー』(2015)の共同脚本を担当した、野原位監督の劇場デビュー作。

 

一言あらすじ

子供がいないことに寂しさが募る月島春(川村りら)は、公園で倒れている青年(川村知)を見つける。彼は記憶喪失になっていて・・・

 

感想

『ハッピーアワー』から7年。

地元、神戸が舞台。

 

 

見慣れた景色が

大画面に映る。

 

 

お話は、

かなり狂気的に感じた。

(そこが面白い)

 

 

 

過去のしがらみというか

記憶、喪失感、執着が

他人から見れば

 

一種、

狂気の沙汰とも思える

行動を引き起こす。

 

 

 

しかし、

そこに存在している

本人にとっては

当たり前の欲求なのかもしれない。

 

 

 

もし、

喉から手が出るほど

欲しかった状況が

 

少しくらい歪な形で表れたとしても、

そんなことを気にするだろうか。

 

 

 

どんな形であれ

そこに現れたなら

きっと手にすることだろう。

 

 

 

そんなところから、

 

それを一時、

手にすることでの

 

充足感と幸福な時間。

 

 

 

ずっと続いてほしい。

 

 

 

でも、

それは私にとっての幸福でしかないなら

 

 

手放すこともまた

ひとつの幸せなのだと気付いたら

 

 

新たな状況を受け入れ

新たな私として

今日も生きていくのだろう。

 

 

 

一見、

普通のようでいて

登場人物の多くが

狂気を孕んでいる本作。

 

 

 

しかし、

人生におけるドラマとは、

このようなものなのかもしれない。

 

 

 

『ハッピーアワー』で

離婚調停中の夫婦を演じていた、

川村りらさんと、謝花喜天さんが

元夫婦役で登場。

 

お話の過去を知っている様で

ちょっと嬉しかった。

 

 

(2022年3月31本目。本年度102本目、映画館36本目)

 

 

 

スタッフ

監督・編集:野原位

脚本:野原位、川村りら

撮影監督:北川喜雄、飯岡幸子 照明:秋山恵二郎、鈴木涼太、蟻正恭子、三浦博之

録音:松野泉 助監督:鳥井雄人 音楽:佐藤康郎 カラリスト:小林亮太 制作:三宅陽子

エグゼクティブプロデューサー:原田将、徳山勝巳 プロデューサー:高田聡

製作:NEOPA.Inc 配給・宣伝:ブライトホース・フィルム

 

キャスト

月島春:川村りら

月島毅:小林勝行

月島美香子:出村弘美

月島生人/樋口明:川村知

野田宗一朗:田辺泰信

大藪賢治:謝花喜天(ざはな よしたか)

福永祥子、影吉紗都、三浦博之