鑑賞記録(2022.9.29)
ヴィカース・バハル監督
『スーパー30 アーナンド先生の教室』
2019
@kino cinema神戸国際
『スーパー30 アーナンド先生の教室』2019/154分/インド(ヒンディー語)/カラー/シネスコ
2003年、インドの片田舎で始まった教育プログラムが全世界の賞賛を浴びた。天才的な数学の頭脳を持ちながら、貧しい生まれのためケンブリッジ大学への留学を諦めたアーナンド・クマールが始めた私塾:スーパー30。全国の貧しい家庭から優秀な頭脳を持つ30人を選抜して、無償で食事と寮と教育を与えるというこのプログラムは、開始した年から、世界三大難関試験の一つと言われる、インド最高峰の理系大学“IIT(インド工科大学)“へ塾生を送り込むという快挙を成し遂げた。その後、毎年20人前後が合格。2008年から3年にわたって30人全員を合格させて、いまなお続いているこのプロジェクトに、世界中のマスコミが注目して絶賛の声が寄せられたのだ。(公式サイトINTRODUCTIONより一部抜粋)
教育プログラムSUPER30の功績
SUPER30は2003年 に、数学者アーナンド・クマールと警察官アバヤーナンドが始めた教育プログラム。毎年、経済的に恵まれない30人を選抜し、無料でインド工科大学(IIT)の入試対策を指導する。選抜された30人には、1年間、寮や食事や教材等も全て無償で提供され、30人の中から、競争率100倍以上と言われるインド工科大学に、毎年20人前後が合格し、2008 年、2009年、2010年、2017年には、30人全員が合格した。 2010年、アメリカの「タイム誌」は、Super 30をアジアで最も優れた学習塾と評し、「ニューズ・ウイーク誌」は、世界で最も革新的な4つの教育機関の一つとした。(公式サイトPRODUCTION NOTESより一部抜粋)
原題
Super 30
一言あらすじ
数学の才能を認められ、ケンブリッジ大学に入学許可されたが、費用が工面できず断念した過去を持つアーナンド(リティク・ローシャン)。そんな彼が貧しい子ども達に無償で家と食事を与え、教育を行う私塾スーパー30を作り、名門インド工科大学の合格を目指すが・・・
感想
実話に基づいているという本作。
(一部、フィクション含む)
冒頭で、その旨が記されるが、
そこはフィクションか〜!?
と、思うところもあったけど
実は本当にあったことだと知り、
びっくりする私。ww
本当に世の中、
お金の有無で
左右される現実・・・
貧しいことで奪われる機会。
悲しいかな、
それが現実ではある。
そんな世の中に
風穴を開けるかの如く、
身銭を切って
私塾を開いたアーナンド先生。
自分の全てを投げ打って
力のある生徒達の未来に
手助けをします。
教師が優秀だと、
生徒の今後にも大きく影響を与えます。
先生って、本当に大事だと思う・・・
お金がないならどうするか?
常に考えて行動せよ!!
生徒達も自ら考え出します。
以下、ネタバレ・・・
劇中の
私塾を開く前のアーナンドは、
物売りをして
貧しい生活を送っていたところを、
エリート予備校の経営をしている
ラッランに拾われて、
アーナンドが教師をして
事業を成功させ
共に儲けていましたが、
ある時、
貧しい子供の教育に
目覚めたアーナンドが
エリート予備校を辞めて
私塾を開くのですが、、、
どこからどこまで実話で
どこからがフィクションか
分かりませんが、
スーパー30は無料なので
収入がないのだから、
教える時間は短くなるけど、
例えば、
昼は、エリート予備校、
夜は、スーパー30
というように両方教えればいいんじゃ・・・
そうしたら、
給料も入るし、
貧富の差に関係なく教えられるし、
ラッランから
恨まれることもなかろうに・・・
なんて思っていたけど、
1992年、天才的数学者ラーマーヌジャンの名をとった「ラーマーヌジャン数学学院」を設立し、数学を教え始める。才能はあっても、貧困により授業料が払えない若者のために、2003年に教育プログラムSUPER30を始める。その運営資金に関して、彼は政府からも企業からも個人からも寄附を受け取らず、「ラーマーヌジャン数学学院」から得られる収益金を当てている。(公式サイト”実在のアーナンド・クマール”より)
って書いてあるから、
実際はやっぱそうだよな〜〜
と思った。。ww
脚本では、
ドラマ性を生むためなのか
かなり無茶で無謀な
やり方になっているが・・・
頭良いのに、
そんな先が続かないやり方で
ゴリ押しするかね〜〜??、、
と、思ってしまった・・・爆
あと、
アーナンド自身もそうだったように
大学合格したとして、
費用はみんな
どうするんだろう・・・??と。
奨学金とかあるのかな??
ちゃんとみんな
入学できたんだろうか??
ということの方が
気になった私だが・・・
調べたところ、
アメリカの名門大学のような
バカ高いことはないようで、
年間授業料が約20〜30万円前後??
のようだが(詳細不明)
それも年々値上がりしているようだ。
年20〜30万なら、
奨学金で入学できれば
後々出世払いができそうだが、、、
現状どうしているのかわからない・・・
とまぁそうは言いつつ、
本作は、基本
どストレートの直球ど真ん中
しか投げない!?戦法で
楽しませるエンタメなスタイル!!
インド映画特有の
歌と踊りあり、
そして演出も、
どストレートな直球勝負だけに
グッと胸を打つ瞬間が
何度もありました。
特にアーナンドのお父さん、
そして家族達が
総出で支えます。
素晴らしいですね。
学ぶことの素晴らしさ、
そして自分なりに
工夫して学んだことの方が
覚えているものだし、
固定概念から離れることは
成功への一歩とも
私は捉えているので
その辺りも
とても刺激になりました。
そして冒頭、
”英語が高い壁”
との言葉があったけど、
日本人である私たちも同じ。
しかし、
インドの英語教育は進んでいると
有名ですよね。
日本も英語教育してるし、
私もちょこっと小学生の時から、
そして中学〜高校まで6年間
と、何年も勉強しているにも関わらず、
全くものになっていない英語・・・
今も、地道にほんの少しずつ
チラリとやってますが、、、
(やっていると言えない恥ずかしいレベル)
あまりに道のりは長く・・・
うーーーん!!
数学はカラッキシだけど、
英語はなんとかしたいものです。ww
アーナンド先生と生徒達を見習って
もっと勉強したいと思いました。ww
(2022年9月38本目。本年度352本目、映画館186本目)
スタッフ
監督:ヴィカース・バハル
脚本:サンジーブ・ダッタ
撮影:アナイ・ゴスワミー
編集:A・スリーカープラサド
音楽:アジャイ・アトゥール
製作:ファントム・フィルムズ、ナディアドワラ グランドソン エンターテイメント、リライアンス・エンターテインメント
他
キャスト
アーナンド・クマール:リティク・ローシャン
スプリヤー:ムルナール・タークル
ラッラン・シン:アーディティヤ・シュリーワースタウ
ラーム・シン(大臣):パンカジ・トリパーティー
プラナフ・クマール(弟):ナンディッシュ・サンドゥ
ラジェンドラ・クマール(父):ビレンドラ・サクセナ
ジャヤンティ・クマール(母):サダナ・シン