鑑賞記録(2022.8.9)エリア・カザン監督『エデンの東』1954 U-NEXT

鑑賞記録(2022.8.9)

エリア・カザン監督

エデンの東』1954

U-NEXT

 

『エデンの東』1954/117分/アメリカ/カラー/シネマスコープ

原作はジョン・スタインベックの同名小説で、その後半部分をポール・オズボーンが脚色した。

映画初主演となるジェームズ・ディーンは、この作品で名実ともに一躍スターの地位を不動のものとした。

旧約聖書のカインとアベルをモチーフにして扱っているとおり、キャル(カイン)は兄、アーロン(アベル)は弟、とするのが正しい。しかし映画公開後、日本語文化圏ではキャルを弟、アーロンを兄として翻訳されている。原文では「お互い名前で呼び合う」「ブラザー(兄・弟の区別はない)と語る」「ふたりは双子である」ということを考慮して、字幕を訳し直した太田直子は、「兄・弟の区別を一切つけなかった」としている。

(↑ウィキペディアより)

U-NEXT視聴期限間近の為、鑑賞。(また復活する場合あり)

 

原作『エデンの東』(East Of Eden

アメリカ合衆国の作家ジョン・スタインベックが1952年に発表した長編小説。旧約聖書の創世記におけるカインとアベルの確執、カインのエデンの東への逃亡の物語を題材に、父親からの愛を切望する息子の葛藤、反発、和解などを描いた作品である。(ウィキペディアより)

 

カインとアベル

旧約聖書『創世記』第4章に登場する兄弟のこと(アダムとイヴの息子たち)。アダムとイヴがエデンの園を追われた(失楽園)後に生まれた兄弟である。カインは農耕を行い、アベルは羊を放牧するようになった。

ある日2人は各々の収穫物をヤハウェに捧げる。カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げたが、ヤハウェはアベルの供物に目を留めカインの供物は目を留めなかった。これを恨んだカインはその後、野原にアベルを誘い殺害する。その後、ヤハウェにアベルの行方を問われたカインは「知りません。私は弟の番人なのですか?」と答えた。しかし、大地に流されたアベルの血はヤハウェに向かって彼の死を訴えた。カインはこの罪により、エデンの東にあるノド(「離い」の意)の地に追放されたという。この時ヤハウェは、もはやカインが耕作を行っても作物は収穫出来なくなる事を伝えた。また、追放された土地の者たちに殺されることを恐れたカインに対し、ヤハウェは彼を殺す者には七倍の復讐があることを伝え、カインには誰にも殺されないためのカインの刻印をしたという。(ウィキペディアより)

 

受賞

アカデミー賞(第28回、1956年開催)

助演女優賞:ジョー・ヴァン・フリート

 

ゴールデングローブ賞(第13回、1956年開催)

作品賞(ドラマ部門)

特別業績賞:ジェームズ・ディーン

 

原題

East of Eden

 

一言あらすじ

1917年のアメリカ・カリフォルニア北部の町サリナス。キャル(ジェームズ・ディーン)は、性格が正反対の双子の弟アーロン(リチャード・ダヴァロス)ばかりが父(レイモンド・マッセイ)から愛され、自分は愛されていないと常に孤独を感じており、なんとか父から愛されようと振る舞うのだが・・・

 

感想

エリア・カザンと言えば、

 

演劇のイメージが強い私ですが

 

それと同時に

 

映画監督としても

成功されていますね。

 

 

 

 

 

以下、ネタバレ含みますが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛情を感じられずに育った

双子の兄・キャル。

(ここではキャルを兄と記載する)

 

 

 

善良すぎるほどの父と、

それにそっくりな弟アーロン。

 

 

そして、

 

そんな父とは正反対だった母と、

それにそっくりなキャル。

 

 

 

キャルは、父のためにと

あれこれ行動を起こすが

 

父とキャルの価値観というか

考え方に開きがあり、

 

父はキャルの行いを認めない。

 

 

 

良かれと思ってやったことが、

受け入れられず、

 

逆に叱られるようなことに・・・

 

 

 

とても切ない・・・

 

 

 

これじゃあ愛を感じられないと

キャルのように思うのは

当然のように思いますね・・・

 

 

 

 

それを理解してくれるのが

アーロンの恋人アブラ。

 

 

彼女だけは

キャルの気持ちを知っています。

 

 

 

 

ちょっと・・・

後半の成り行きは

そんなにまでなるかい!?

 

っていう展開ですが・・・

 

(善良すぎると心がやられやすい気がする・・)

 

 

 

 

とにかく

演出が秀逸!!!!!

 

 

観ていただければ

すぐに分かると思いますが、

 

 

父とキャルの

ダイニング?での

 

斜め構図に注目!!

 

 

父(ヤハウェ)と

キャル(カイン)の

 

確固たる立場を示し表すかのよう!

 

 

すごい!!!

 

 

 

しかし、

あるところで

 

 

キャルの動作と感情と共に

カメラも揺れ揺れ・・・

 

 

ついにその立場が逆転!!!

 

 

キャルは

もう愛なんて要らないんだ!!

 

とヤケになり行動を起こし・・・

 

 

 

 

原作を読んでいないので、

原作のラストがわかりませんが、

 

 

”後半部分を脚色”とあるので

やはりラストは

原作と違っているのかな・・・??

 

 

 

 

もし違っているとすれば・・・

の話ですが、

 

 

もうちょっとなんらかの

回収が欲しかったような・・・

 

 

 

個人的に、

アーロンについてのことが

放置されているのが

 

気になるのかも・・・

 

 

 

終わり方だけ

私は少〜し気になりましたが、

 

 

その他は、

 

孤独や愛について

家族の問題についてなど

 

普遍的な題材と

 

目を見張る演出で

 

 

さすがの名作だと思いました。

 

 

 

(2022年8月15本目。本年度284本目)

 

 

スタッフ

監督・製作:エリア・カザン

脚本:ポール・オズボーン

原作:ジョン・スタインベック

撮影:テッド・マッコード

音楽:レナード・ローゼンマン

編集:オーウェン・マークス

製作会社・配給:ワーナー・ブラザース

 

キャスト

ケイレブ(キャル)・トラスク:ジェームズ・ディーン

アブラ:ジュリー・ハリス

アダム・トラスク:レイモンド・マッセイ

ケート:ジョー・ヴァン・フリート

アーロン・トラスク:リチャード・ダヴァロス

ウィル・ハミルトン(資産家):アルバート・デッカー

グスタフ・アルブレヒト:ハロルド・ゴードン

ジョー(ケートの用心棒):ティモシー・ケイリー

アン(ケートの家と酒場で働く女性):ロイス・スミス

サム・クーパー(保安官):バール・アイヴス