鑑賞記録(2022.12.12)
アニエス・ヴァルダ監督
『冬の旅』1985
@元町映画館
『冬の旅』1985/105分/フランス/カラー/ヨーロッパ・ビスタ(1.66:1)
フィクション、ノンフィクションを自由に行き来して、傑作を数多く遺したヴァルダの、劇映画の最高傑作と言われるのが『冬の旅』である。
1985年ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。フランス本国では作品の評価はもちろん、興行面でもヴァルダ最大のヒット作と言われているが、題材の難しさゆえか日本では公開まで6年を要し、興行も成功に至らず、作品も正当に評価されたとは言い難かった。しかし30年以上の歳月を経て2022年3月に東京・国立映画アーカイブの特集《フランス映画を作った女性監督たち―放浪と抵抗の軌跡》での一度限りの上映は大盛況。(中略)
「漂流する女性」映画の金字塔的作品。
(↑公式サイトより)
受賞
ヴェネチア国際映画祭(第42回、1985年)
金獅子賞(最高賞):アニエス・ヴァルダ
他
原題
Sans toit ni loi (屋根も法もなく、の意)
(英題:Vagabond)
一言あらすじ
寝袋とリュックだけを背負いヒッチハイクで流浪する日々を送っていた少女モナ(サンドリーヌ・ボネール)。あることをきっかけに、直近数週間の彼女の足取りをカメラが追う・・・
感想
予告編を観た時、
映画館で上映あるんだ〜〜!!
これは是非とも観たい!
と思っていて
やっと観られました!!
アニエス・ヴァルダ監督作は、
まだ観られていないものも
沢山ありますが、
今まで観た作品は、
どれも面白く
大好きな監督の一人です。
そして、
彼女の代表作とも評される本作。
冒頭のショットから、
引き込まれる〜〜〜!!
あぁぁ、やっぱり好きです、
監督ww
アニエス・ヴァルダ監督は
必ずどこかに、
面白いトリック的?な映像
を、入れて来て、
他とは一味違う
独創的な世界観を見せてくれます。
本作もいつもの如く、
全く予備知識なしで鑑賞。
冒頭の展開で
お話に引き込まれて行きます。
主人公は、
リュックとテントだけを持ち、
流浪の旅を続ける
サンドリーヌ・ボネール演じる
18歳の少女モナ。
彼女はホームレスで
着た切りスズメで
風呂に入ることもなく、
当てもなく旅を続ける・・・
大学を卒業し、
秘書として働いていたが、
もう人に使われるのは嫌、
楽に生きたい・・・
そう言う彼女は
身寄りもいないらしい・・・
(本当かどうかは不明?w)
気楽に自由に生きる代わりに、
孤独と屋根のない生活を
選んだモナ。
行く先々で、
テントで寝たり、
納屋や部屋に泊めてもらったり、
パンを分けてもらったり、
たまに働いて
小銭を稼いだり・・・
自由と孤独は
表裏一体でもあるだろう。
私もモナの自由を選ぶ気持ちが
とてもよく分かり、
私の人生自体も現状は、
どちらかと言えば、
自由と孤独を選んだ生き方を
していると思うが、
さすがに
屋根は欲しいし、
風呂にも入りたいし、
服も着替えたいし、
贅沢じゃなくても
普通にご飯は食べたいしww
だから、
彼女のようにはできないし、
したいとも思わないが、
自由であること自体には
とても共感している。
それに伴う孤独もあろうが、
基本、どちらかだと思う。
家族を作り、
ある程度の拘束を受け入れるか
自由と共に
一人生きるか・・・
(中には、パートナー等が居つつ
互いに自由に生きる人もいるだろうが)
私は一人が基本的に好きだし、
結構それで平気なタイプなので、
孤独だ・・・ツライ・・・
なんて思うことも
まぁほとんどないから
彼女ほどではないが
比較的自由な生活の方が
私にも合っていると思う。
どっちかっていうと、
あーしろ、こーしろ、
ああしなきゃ、こうしなきゃ、
家に帰らなきゃ、ご飯作らなきゃ
っていう方が苦しいので
1人を満喫!?
している私ですが・・・
死ぬ時の事は、
確かに考える時はありますね・・・
家の外で倒れたら、
誰かに気付いてもらえるだろうけど、
一人暮らしで、
家の中で倒れてそのまま数週間・・・
なんてことも
大いにあり得るな、
と、常々思っている次第で、
その辺だけは、
定期的に
連絡を取り合う相手が必要かな、
なんて思いますね。ww
以前、友人とも
このままお互い独身で
老後を迎えたら、
生存確認をし合おうww
なんて言い合っていますが。ww
本作を観て、
色々と自分の身の上のことも
考えさせられ、
さらに自分の生き方の今後も
また考えさせられ、
なんだか心に残る作品でしたね。
本作に登場の
おばあちゃんがとってもキュートで
モナとのやり取りは
とても素敵でした。
モナほど
振り切れる必要はなくても
世の中を渡る方法は
いくらでもある、と
ある種の勇気付けと、
世間の目など気にせず、
自分にとって大切なものを
大切にする生き方を
改めて
考えさせられる作品でした。
ぜひ、ご覧ください!!
(2022年12月12本目。本年度438本目、映画館248本目)
スタッフ
監督:アニエス・ヴァルダ
脚本:アニエス・ヴァルダ
音楽:ジョアンナ・ブルズドウィッツ、フレッド・チチン
音響:ジャン=ポール・ミュゲル
写真:パトリック・ブロシエ
編集:アニエス・ヴァルダ、パトリシア・マズイ
プロデューサー:オーリー・ミルシュタイン
制作会社: Ciné Tamaris、Films A2、文化省
配給会社:Artificial Eye、Grange、MK2 Diffusion、The Criterion Collection
他
キャスト
モナ:サンドリーヌ・ボネール
ランディエ教授:マーシャ・メリル
ジャン=ピエール:ステファン・フレイス
ヨランド:ヨランド・モロー
ポロ:ジョエル・フォッス
ナレーター兼インタビュアー(声):アニエス・ヴァルダ
他