鑑賞記録(2022.12.13)ルキノ・ヴィスコンティ監督『イノセント』1975 U-NEXT

鑑賞記録(2022.12.13)

ルキノ・ヴィスコンティ監督

イノセント』1975

U-NEXT

 

『イノセント』1975/123分/イタリア・フランス/カラー/スコープサイズ(2.35:1)

ガブリエーレ・ダヌンツィオの長編小説『罪なき者』(L’innocente )が原作。

『ルートヴィヒ』(1972)撮影中に心臓発作で倒れたヴィスコンティが、その後残った左半身マヒのまま車椅子に乗りながら演出を手掛け、ダビングの完成を待たずに死去したため、彼の遺作となった。

主な撮影場所は、ローマのヴィラ ミラフィオーリ、ルッカのヴィラ ブトリ、近くのヴィラ ベロスグアルドでした。

この映画は、ヴィスコンティやスーゾ・チェキ・ダミーコの意図によって施された原作との相違が見られる。(ネタバレMEMOに記載)

(↑日英ウィキペディアより一部抜粋)

U-NEXT視聴期限間近の為、鑑賞(復活の場合、多々あり)

原題

L’innocente(イタリア語)

あらすじ

20世紀初めのローマ。妻への愛がさめているトゥリオ伯爵(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、未亡人の公爵夫人・テレザ(ジェニファー・オニール)とフィレンツェへ旅に出る。一方、妻のジュリアーナ(ラウラ・アントネッリ)は、弟の友人・フィリポ(マルク・ポレル)と引かれ合うようになっていた。旅から戻ってきたトゥリオは、妻の変化に不審を抱くが…。(U本作”ストーリー”より。役者名追記)(※ウィキペディア英語版には、19世紀後半とあり)

爵位の順番(左から上位)

大公、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵

感想

豪華な調度品や衣裳と

 

美しい男女が織りなす、

 

愛と憎しみ

欲望と苦悩など

 

男女関係の絡れから

お話は展開する・・・

 

 

貴族社会を背景に、

 

あるひと組の夫婦と

未亡人の公爵夫人、

そして独身の売れっ子作家と

 

美男美女揃い。

 

美しいです。

 

 

しかしお話は、

 

いや〜、なんともすごい・・・

 

 

主人公は

ジャンカルロ・ジャンニーニ演じる

トゥリオ伯爵。

 

 

ネタバレになるので

あまりお伝えはしませんが、

 

 

目線ひとつで

関係性や互いの想いが

透けるかの様!!

 

 

同監督作

『ベニスに死す』(1971)も、

そうでしたが

 

目は口ほどに物を言う!!

 

 

この瞬間の画は、

素晴らしい瞬間です!

 

ゾクッとしますね!

 

 

ただ、まぁ〜

トゥリオ伯爵がもう・・・

 

 

前半の時点で

妻に向かって

 

ここまで正直に

よくもまぁ言えたもんだという

 

もう子供か動物かっていうか・・・

(もはや子供の方が、

もっと気が回りそうなものw)

 

 

紳士的配慮、

なし!!ww

 

 

ある意味、

そこまで言えば

潔いとも言えるほど!?ww

 

 

そりゃ、奥さんそうなるわ。

 

 

これは恋愛あるあるでしょうが

 

手に入ってしまい、

いつも変わらずあるものは

いつまでもあると思って安心し、

 

興味が薄れ、

ほったらかし。

 

 

しかし、

 

いざ他へ行ってしまいそうになったり、

離れてしまいそうになったりすると

 

途端に惜しくなる・・・

 

繋ぎ止めたくなる・・・

 

全くなくなっていた

執着心が顔を出す。

 

 

人間とは

なんと欲深い生き物なんでしょうかね・・・

 

 

ぶっちゃけ

私は、そんな状況に

 

マジでウザイわーー!!爆

(めんどくさーー!w)

 

とか思っちゃいますがw

 

 

他人に取られたり、

手放すのは嫌!

となって、

 

急に

関心(執着心)が湧くというのは、

 

ある意味、

あるあるな反応でしょうね。w

 

 

そしてまた、

後半が色々と思わぬ展開に・・・!!

 

 

社会性と宗教観、

愛と憎悪など・・・

 

 

なんだか

凄まじかったですw

 

 

基本は

分かりやすいストーリーなので

 

観て展開を知ってもらった方が

より面白いと思います。

 

(※ネタバレMEMOを鑑賞前に

読まないことをオススメします)

 

 

ぜひ、ご覧ください!!

 

(2022年12月13本目。本年度439本目)

 

スタッフ

監督:ルキノ・ヴィスコンティ

製作:ジョヴァンニ・ベルトルッチ

脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ、エンリコ・メディオーリ、ルキノ・ヴィスコンティ

音楽:フランコ・マンニーノ

撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス

編集:ルッジェーロ・マストロヤンニ

配給:チネリッツ

キャスト

トゥリオ・エルミル:ジャンカルロ・ジャンニーニ

ジュリアーナ:ラウラ・アントネッリ

テレザ・ラッフォ:ジェニファー・オニール

ステファノ・エガーノ伯爵:マッシモ・ジロッティ

フェデリコ・エルミル:ディディエ・オードパン

侯爵夫人:マリー・デュボワ

フィリッポ・ダルボリオ:マルク・ポレル

トゥリオの母:リナ・モレリ

ネタバレMEMO

映画の冒頭でめくられている書物は刊行当時の同書。

原作と映画の相違点

【不倫相手】トゥリオの不倫相手テレーザ、及びジュリアーナの不倫相手フィリッポは、映画と比べると小説ではほとんど出番がない。特にテレーザは、小説では物語の冒頭で別れたことになっている。また、映画ではトゥリオがフィリッポの裸体を見てねたむ場面があるが、小説では彼の肉体は貧弱なものとして描かれている。

【子供】ジュリアーナは自分が産んだ赤子に、小説では深い愛を注いでいるが、映画ではわざと邪険に扱っている。

【結末】小説はトゥリオが子供を殺し、その葬式の描写で物語が終わる。しかし、映画では彼がジュリアーナとテレーザの両方から見捨てられ、ピストル自殺を遂げるという最期になっている。

(↑ウィキペディアより)