鑑賞記録(2022.10.5)日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」第1弾作品 松居大悟監督『手』2022@元町映画館

鑑賞記録(2022.10.5)

日活ロマンポルノ

50周年記念プロジェクト

「ROMAN PORNO NOW」

第1弾作品

 

松居大悟監督

』2022

@元町映画館

 

『手』2022/99分/日本/カラー/ビスタ/5.1ch

山崎ナオコーラの小説を原作に、「ちょっと思い出しただけ」「くれなずめ」の松居大悟監督がメガホンをとり、20代の男女のリアルな姿を描いた。

主人公さわ子役を「彼女はひとり」の福永朱梨が演じ、相手役となる同僚の森をNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼家を演じて注目を集める金子大地が演じた。

(↑映画.comより)

 

「日活ロマンポルノ」とは

日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、監督たちスタッフは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、さまざまな表現に挑戦した。製作終了した1988年までの17年間に、約1,100本もの作品を公開し続けた結果、多くのスタッフ・キャストが育っていき、映画史においては、最もセンセーショナルな作品レーベルとして、現在も国内外で高く評価されている。(「ロマンポルノ・ナウ」チラシより)

「ROMAN PORNO NOW」とは

ロマンポルノ50周年記念プロジェクトの新作映画製作における企画名。半世紀にわたり、多彩なジャンルで女性の強さや美しさを描き、愛され続けてきたスピリットを継承。現代のさまざまな生き方や個性を応援する、時代の「今」を切り取った新作映画を製作する。(本作チラシより)

 

あらすじ

おじさんの写真を撮っては、コレクションするのが趣味のさわ子(福永朱梨)。これまで付き合ってきた男性はいつも年上ばかりなのに、父とはなんだか上手く話せずギクシャクしていた。そんな時、同年代の同僚・森(金子大地)との距離が縮まっていくにつれて、さわ子の心にも徐々に変化が訪れる―――。(「ロマンポルノ・ナウ」チラシより、役者名補足)

 

感想

今まで私は、

日活ロマンポルノを

観たことはありませんでしたが、

 

 

今回は、

松居大悟監督が

作品を作られたということで

 

一体どんな風になったのか

と、鑑賞。

 

 

 

”絡みのシーンがガッツリ描かれる”

 

ということ以外は、

 

良い意味で今時の

現代の若者の恋愛や家族のことを描いた

映画として成立しています。

 

 

さすが、松井監督。

 

 

 

以下、ネタバレあり・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

お話は

 

おじさんの、

おじさんである色々な所が

 

可愛いと思っている

さわ子が、

 

 

同年代の同僚の森と

距離が縮まっていき

さわ子に変化が・・・

 

 

というもの。

 

 

 

さわ子は、

超〜簡単にいうと

 

いわゆるファザコン!?ww

 

 

お父さんのことが

本当は好きなのに、

 

お父さんは妹ばかり可愛がり、

自分を全然可愛がってくれない・・・

 

自分の言葉に返事もしなければ、

そっけない。

 

 

そんなことを言うのも嫌だから、

じっと心の奥に思いを押し込み・・・

 

 

 

そういった微妙に複雑な関係が、

 

さわ子のおじさん好きに

繋がっている???

 

 

 

でも、森との関係と、

父との関係の変化により、

 

おじさんに対する思いも

変わってきて・・・

 

 

 

加藤拓也監督の

わたし達はおとな』(2022)の

藤原季節さん演じる直哉も

 

 

金子大地さん演じる

本作の森も、

 

またちょっと違うけど、

 

 

まぁそれぞれ・・・

中々のやり手ですね。爆

 

 

 

まだ直哉の方は、

ちょっと気持ちわかる所がありましたが、

 

 

本作の森くんは・・・汗

 

 

 

 

以下、森くんの

ガッツリネタバレしますが・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶっちゃけ、

 

 

まぁゲス野郎!!ww

 

動物的本能と

ちょっとの脳みそしか機能してねーのか!!

 

人間的理性というものは

あるのかい!?

 

(お口が過ぎますねww)

 

 

 

と、言いたくなりますが、

 

世の中、

そんなことはきっとあるある・・・

 

なんでしょうね・・・苦笑

 

 

 

 

最大のイラつきポイントは・・・

 

おい!森!

泣くんじゃない!!ww

 

 

別れ際、

さわ子の冷静で素敵な言葉に

 

本当にその通りだと思いましたね。

 

 

 

後悔して泣いているのか、

もう会えないから泣いているのか、

 

せめて後者であってほしい。

 

 

 

私は、

さわ子のように寛容ではなく、

 

へそ曲がりな人間なので、

 

(だからそもそも、

もう1回会ったりしないだろうがw)

 

 

 

あ〜、きっと前者で泣いてるわーー

と、思ってしまう・・・!!爆

(きっといろんな思いがあると思いますが)

 

 

 

大抵、

本当に泣きたい人物ほど

 

泣けない状況がやってくるもん

である。

 

 

 

でも、

全ては共同作業。

 

そこは本当にそうですね。

 

 

 

真実を知らなかったにせよ、

 

そんな彼を好きになり、

共に時間を過ごしたのは

 

さわ子の選択でもある。

 

 

 

そんなこんなで色々ありつつ・・・

 

 

ラストが一番良かった。

 

 

 

ラストのさわ子の表情、

 

 

 

三宅唱監督の

『きみの鳥はうたえる』(2018)の

石橋静河さん演じる

佐知子のことを思い出しました。

(状況とか全然違いますが)

 

 

 

素晴らしい瞬間でした。

 

 

 

 

さわ子にとって

とても喜ばしい瞬間だったのでしょうね。

 

 

 

単純な

男女のあーだこーだで終わらない、

 

素晴らしい締めくくりでした。

 

 

 

あと、そういえば、

 

まさか妹の初体験の絡みまで

観ることになるとは

思いもしませんでした・・・爆

 

 

さすが10分に1回です・・・

 

 

やっぱり個人的に、

基本的には

絡みは少なくていいですが

 

 

こういうものもあるんだなと

知ることができました。

 

 

 

ポルノとうたっていない作品でも

ガッツリなものもありますしね。

 

 

最近では、

城定秀夫監督の

ビリーバーズ』(2022)

とかも。

 

 

昔の映画でも多かったりしますしね。

 

 

お客さんも

老若男女関係なく

入っていた印象です。

 

 

(2022年10月6本目。本年度359本目、映画館190本目)

 

 

 

スタッフ

監督:松居大悟

脚本:舘そらみ

原作:山崎ナオコーラ「手」(『お父さん大好き』文春文庫)

撮影:高木風太

照明:秋山恵二郎

録音:西條博介

装飾:龍田哲児、前屋敷恵介

衣装:中泉貴子

ヘアメイク:木戸出香

持道具:加賀谷悠衣

編集:松山圭介

音楽:森優太

主題歌:Ring Ring Lonely Rollss

助監督:山本敦貴

制作担当:長島紗知

スチール:関信

製作:鳥羽乾二郎

エグゼクティブプロデューサー:福家康孝

プロデューサー:結城未来、紀嘉久、加藤毅

配給:日活

 

キャスト

さわ子:福永朱梨

森:金子大地

大河内:津田寛治

さわ子の父:金田明夫

大渕夏子

田村健太郎

岩本晟夢

宮田早苗

三上市朗

中村まこと

島田曜蔵

本折最強さとし

三島ゆたか

村上航

加瀬澤拓未

目次立樹

池田恵理