鑑賞記録(2022.9.9)川村元気監督『百花』2022@OSシネマズミント神戸

鑑賞記録(2022.9.9)

川村元気監督

百花』2022

@OSシネマズミント神戸

 

 

『百花』2022/104分/日本/カラー

中島哲也『告白』、李相日『怒り』、新海誠『君の名は。』など、錚々たる日本映画の名作をプロデュースしてきた川村元気。彼は同時にベストセラー作家でもあり、その小説「世界から猫が消えたなら」「億男」は映画化されてもいる。
小説を書くとき、映画化のことは考えない。むしろ、普段、映画を作っているからこそ、映画にしにくいものを小説にしている。
川村は以前、自作が映画化されたとき、そのように発言している。(本作公式サイト 制作秘話”小説”より一部抜粋)

本作は、川村元気監督自身の体験を基に小説が書かれ、映画化されている。監督初の長編作品。

 

川村 元気(原作・脚本・監督)

1979年横浜生まれ。『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『君の名は。』『怒り』『天気の子』『竜とそばかすの姫』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表し、同作は23カ国で出版され累計200万部を突破し、ハリウッドでの映画化も決定した。18年、初監督作品『どちらを』が第71回カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に選出される。
主な著書に、小説『億男』『四月になれば彼女は』『神曲』、翻訳を手がけた絵本『ぼく モグラ キツネ 馬』、宮崎駿や坂本龍一らとの対談集『仕事。』などがある。

百花(ひゃっか)とは

種々多数の花。いろいろの花のこと。(コトバンクより)

あらすじ

息子・泉(菅田将暉)が母・百合子(原田美枝子)の家を訪ねると、何やら様子がおかしい。母のそれは、認知症の始まりだった。母と息子の交錯する複雑な過去の記憶と現在。母は少しずつ記憶を失いながらも、心の奥に閉じ込めた忘れ得ぬ記憶と強い思いがあった・・・

 

感想

前々から

原作が気になっており、

 

小説を読んでから

鑑賞したかったが、

 

結局、原作は読めずに

公開初日鑑賞を優先した。

 

 

 

ほんの少しだけ情報として、

 

認知症の話が含まれることは

チラッと知っていたが、

 

それ以外は何も入れずに鑑賞。

 

 

 

 

以下、ややネタバレと

演出バレあり・・・

 

(ただし、結構公式サイトに色々情報あり。

詳しく知りたい方はそちらもご覧ください。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒頭、

早速目を引いたカメラの動き。

 

 

公式サイトにも

ガッツリ書かれてあったが、

 

基本、

ワンカット=ワンシーン

長回し。

 

 

私がすぐグッと来ちゃう

撮影方法だ!!

 

 

本作を撮影する上で、

 

この手法は

最初から想定されていたようだが、

 

 

確かに内容的に、

その撮影方法がハマる作品だと思った。

 

 

 

ただし、ほんと、

カメラマンも役者もその他諸々も

 

大変な撮影方法でもある。

 

 

 

大変だったろうことが

目に浮かびます。

(きっと浮かんでる以上でしょう)

 

 

 

カメラの動きが

気になって気になって

(多分、普通はないww)

 

おぉ〜!おぉ〜〜!!

ほーーー!!!と、

 

釘付けになって観ていた。ww

 

 

 

流れるように

そして途切れることなく

続いていく

ひとつのシーン。

 

 

 

常にカメラの

微妙な揺れ(動き)と連動して

 

人間の微細な心が

映し出される。

 

 

 

そして何と言っても

素晴らしいのが役者陣。

 

 

もはや逆?に

出来過ぎなんじゃないか!?

 

というくらいに

ちょっとある意味恐いくらいに

 

完璧なんではなかろうかと。

 

 

 

W主演の

菅田将暉さん、原田美枝子さん

 

もうさすがですね。

 

 

欲しいものがすべて揃っている。

 

とでも言おうか・・・

 

 

なんか言葉での形容が難しいけど、

そんな感じです。ww

 

 

 

原田美枝子さん、

いつも素敵に可愛らしいのは

よく存じ上げていましたが、

 

本作の可愛さは、

一押しではないでしょうか!?

 

 

大女優に向かって

失礼かもしれませんが・・・ww

 

 

少女のように喜んだり、

おねだりする仕草や言葉が

 

これほどまでに素敵に響くのは、

 

 

本作を見ると

ちょっともう、

 

原田さん以外に考えられませんね・・・

 

 

 

そしてもはや

 

コメントは野暮ですね・・・

 

 

と、言わんばかりの

菅田将暉さんでございます。

 

 

素晴らしいです。

 

 

 

特に

ふたりの花火大会のシーンは

 

あぁこれこそがコラボレーションだ、

 

響き合い高め合う場面を

 

目撃したようでした。

 

 

そして

妻役の長澤まさみさんも

 

優しくも頼りになるような存在感で

二人を支えます。

 

 

さらに

脇を固める役者陣が凄い・・・!

 

 

ほんの少しだけど

素晴らしい役者の皆々様が。

 

 

最近よくお見かけする

岡山天音さん、

役がめっちゃ合っててハマり役でした。

 

 

あと、エンディングの歌を、

 

なんと劇中登場した

ヴァーチャルヒューマン「KOE」

 

が歌っているらしく、

 

え!!!

なんか好きな感じだわ〜!

 

とか思ってたんですけど!!

 

リアルの人間じゃないのか!!

 

マジですか・・・

 

ビビりました・・・

 

すごい世の中だ・・・

 

素敵な音楽もお楽しみ。

 

 

そして何気に

 

ヴァーチャルヒューマンと

人間との境を

 

チラッと考えさせられるような

場面も・・・

 

 

 

 

 

以下、

かなりネタバレですが・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的に

特にグッときたシーンは、

 

 

菅田将暉さん演じる泉が、

母の部屋を片付けていて見つけた、

認知症の本のシーン・・・

 

 

 

母は認知症のことを

おそらく自覚していて、

 

 

積まれた本と、

そこに数々のメモが・・・・

 

そのメモを見て・・・泣。

 

 

 

違うんだけど、

私にも似たような記憶があり、

思い出して・・・。

 

 

 

そう、

この”記憶”なんだろうな、

 

泉も感じているのは。

 

 

 

そんな今まで積み上げてきた

記憶が無くなれば、

 

母は母でなくなるのか・・・?

 

 

 

認知症の方の症状を

ちゃんと見たことがないので、

 

分からないことが多いですが、

 

世界的にも多くなっている病。

 

 

難しく繊細な問題を

取り上げた監督は、

 

何か少しでも

実体験あってのことだろうと思った。

(監督の祖母がそうだったらしく・・・)

 

 

 

以前観た

『ファーザー』(2020)でも

 

アンソニー・ホプキンスが

認知症の役を演じていて、

 

 

その世界観を

見事に映像化していたが、

 

 

まるで迷宮にでも入ったかのような

 

本当に訳が分からなくなる世界

 

という怖さを感じたものだ。

 

 

 

何やら色々と

いつものことながら

支離滅裂に話が飛んだが、ww

 

 

原作、脚本、初長編監督で

この仕上がり、

 

長く業界で活躍されているだけあって

素晴らしいです。

 

 

また、改めて

原作も読んでみたいと思いました。

 

 

(2022年9月14本目。本年度328本目、映画館173本目)

 

 

ネタバレMEMO

ワンシーン=ワンカット。
映画『百花』は基本的にその手法で撮影されている。
つまり、ひとつのシーンを、一切カメラを割らずに撮影する。
芝居が始まったら、その場面が終わるまで、一台のカメラで追う。凝視することもあれば、人物もカメラも移動することもある。とにかく、映像は途切れずに、継続するのだ。(本作公式サイト 制作秘話”撮影”より一部抜粋)

映画のクライマックスとなる花火のシーンは、長野県の諏訪湖で撮影された。
花火大会でも知られる湖だが、本作のために、「半分の花火」が打ち上げられた。(本作公式サイト 制作秘話”花火”より一部抜粋)

溝口健二監督の名作『山椒大夫』からインスパイアされたという入水場面。(本作公式サイト 制作秘話”花火”より一部抜粋)

小説「百花」と映画『百花』が最も異なる点。それは、主人公、葛西泉が勤務するレコード会社が手がけているシンガーの設定である。
小説では、若い女性であり、彼女自身が抱えるトラウマによって、その才能は発揮される一方、恋愛沙汰で、華々しいデビューは降下してしまう。そして、彼女を担当しているのは妻、香織だった。
映画では、ヴァーチャルヒューマン「KOE」として登場(本作公式サイト 制作秘話”劇場”より一部抜粋)

ワンシーン=ワンカット、しかも、初監督作。川村元気は場面によっては、かなりテイクを重ねることもあった。
主演二人も監督も、そこに妥協は一切なかった。(本作公式サイト 制作秘話”東京”より一部抜粋)

 

スタッフ

監督・原作:川村元気

脚本:平瀬謙太朗、川村元気

撮影:今村圭佑

照明:平山達弥

録音:矢野正人

美術:杉本亮

装飾:茂木豊

スタイリスト:伊賀大介、荒木里江

ヘアメイクデザイン:勇見勝彦

音響効果:北田雅也

編集:瀬谷さくら

音楽:綱守将平

音楽プロデューサー:成川沙世子

主題歌:KOE

主題歌プロデュース:Yaffle

監督補:平瀬謙太朗

助監督:中里洋一

キャスティング:田端利江

制作担当:菅井俊哉

製作:松岡宏泰

共同製作:西新、依田巽、古澤佳寛、岡田武士、渡辺章仁、弓矢政法、潮田一、今村俊昭、広田勝己、奥村景二、鈴木貴幸、中部嘉人

エグゼクティブプロデューサー:臼井央、小竹里美

プロデューサー:山田兼司、伊藤太一

ラインプロデューサー:横井義人

 

キャスト

葛西 泉:菅田 将暉

葛西 百合子:原田 美枝子

葛西 香織:長澤 まさみ

浅葉 洋平:永瀬 正敏

大澤 哲也:北村 有起哉

永井 翔太郎:岡山 天音

田名部 美咲:河合 優実

佐藤 雅之:長塚 圭史

関 綾乃:板谷 由夏

工藤 恵:神野 三鈴