鑑賞記録(2022.1.16)
『魚影の群れ』U-NEXT
『魚影の群れ』1983/140分/日本/カラー
原作は、吉村昭の短編小説集。
1973年に新潮社から短編小説集『海の鼠』の題名で単行本が刊行され、1983年に新潮文庫版が刊行された際『魚影の群れ』に改名された。同年、相米慎二監督作で映画公開。
一言あらすじ
大間のマグロ漁師・小浜房次郎(緒方拳)と、その一人娘・トキ子(夏目雅子)、トキ子の恋人で漁師になろうと奮闘する・俊一(佐藤浩一)の、マグロ漁に命をかける男たちと、それを支え続ける女の愛憎劇。
感想
相米慎二監督作品は、
(『セーラー服と機関銃』
『ションベン・ライダー』
『台風クラブ』
『東京上空いらっしゃいませ』
鑑賞済)
個人的には
毎度必ずツッコミどころがあるのだが、
今回はかなり少なかった気がする。笑
歌うシーンは絶対あるけど!
以前に田中陽造さんによる脚本を読んでいて
話はわかった上での鑑賞。
とにかく漁の場面がガッツリなので
役者や撮影もかなり過酷だったそうな。
自然相手の作品は、
思うようにコントロール
できないですもんね・・・
緒方拳さんは、現場に先に入って
漁師に付いて船に乗っていたらしいし、
映画の中でも、
船の下を本当にマグロが動いていて
格闘するシーンなんかもあるのだが、
そのマグロが中々手に入らなかったりして
撮影が難航したとか・・・
しまいには、
緒方拳さんが釣っちゃった!?らしい。
もうリアル漁師ですね!
お話自体も中々壮絶で
ラストは、まじか・・・
という結末。
私が読んだ脚本と大筋は同じだが
細かい部分のシーンは
いくつかカットされている。
(カットして140分!)
そして、相米監督、
相変わらずの長回し多数。
溝口健二監督の長回しを観ても思うが
やっぱり長回し独特の迫力と印象が目を引く。
なんだろう、かっこ良い感じがする。
脚本を読んだ時の
私の勝手に想像したトキ子のイメージと
夏目雅子さん演じる
トキ子のイメージが違ったが
こういうのもアリかと思った。
そして、さすがの緒方拳さん、十朱幸代さん。
緒方拳さん、
股引姿でもかっこいいぜ!笑
一度も一緒に登場する場面はないが、
娘と母の、夏目さんと十朱さんが
血が繋がってるなと思わせる仕草があり
母娘感がよく出ている。
当たり前だが、
佐藤浩一さん、お若い!笑
あと、何気に、
無線の浅見を演じる
下川辰平さんが好き!!
三遊亭円楽師匠などなど、
多くない登場シーンでも
丁寧な役者陣の仕事が
映画の彩りを豊かにする。
(2022年動画鑑賞20本目)
スタッフ
監督:相米慎二
脚本:田中陽造
原作:吉村昭
製作:織田明、中川完治、宮島秀司 撮影:長沼六男 音楽:三枝成章 美術:横尾嘉良 録音:信岡実 照明:熊谷秀夫 編集:山地早智子 技術指導:中森幸夫 製作協力:青森県大間町、ヤマハ発動機㈱ 配給:松竹富士
キャスト
緒方拳、夏目雅子、佐藤浩一、十朱幸代、三遊亭円楽、下川辰平、矢崎滋、伊勢将人、石川慎二、レオナルド・熊、伊藤裕平、石倉三郎、工藤栄一、寺田農、木之元亮、他