鑑賞記録(2022.9.6)伊丹万作監督『赤西蠣太』1936 Amazon Prime Video

鑑賞記録(2022.9.6)

伊丹万作監督

赤西蠣太』1936

Amazon Prime Video

 

『赤西蠣太』(あかにしかきた)1936/78分/日本/モノクロ

”本作品は、散逸したフィルムから現存するものを用いて可能な限り復元したものです。”とのAmazon Prime Videoに注釈あり。

志賀直哉の短編小説をもとに、伊丹万作が脚色・監督した。片岡千恵蔵プロダクションにより同名で映画化。

主演の片岡千恵蔵は醜男の赤西蠣太と、美男の原田甲斐の対称的な二つの役を演じた

ヒロインの「小波(さざなみ)」は小説では「小江(さざえ)」となっている。また、小説で「蝦夷菊(えぞぎく)」となっている老女は映画では「沖の石(おきのいし)」に改名されている。

原作者の志賀直哉が見て絶賛したという逸話は有名である。

(↑ウィキペディアより)

 

一言あらすじ

原田甲斐(片岡千惠蔵)一味の謀反を探るべく伊達兵部(瀬川路三郎)の邸に遣わされた密偵・赤西蠣太(片岡千惠蔵・二役)は、密書を集めることに成功。怪しまれずに邸を脱出するべく、お家一の美女・小波(毛利峯子)に恋文を書くことに。果たしてその首尾は?(Amazon Prime Videoより、役者名は補足しました)

 

感想

フィルムに一部損傷あるようで

途中飛んだような箇所あり、

途中補足?の字幕あり。

 

 

伊丹万作監督

初鑑賞です。

 

伊丹十三監督のお父さんですね。

 

 

以前に知人から面白いと

聞いていた作品で

やっとの鑑賞。

 

 

音楽やお話も軽快で

コメディ感たっぷりです!!

 

 

いつもの如く

全く情報入れないで観たら、

 

 

最初の配役に

片岡千惠蔵さんが

二役になっていたのに

 

全然わからなかった!!ww

 

 

後から確認して、

 

え〜〜〜!!!

あの二役が同一人物!?

 

と、びっくり仰天です!ww

 

 

赤西蠣太は、

気は優しいが

見た目は醜男で

 

まさかの二枚目俳優が

演じていたとは

 

つゆ知らず・・・

 

(冒頭の赤西蠣太の映画画像??

手前に男前の原田、奥に蠣太とWになってた!

さすがに醜男は後ろに・・主役だけど)

 

 

 

以下、

 

場面のショット、

シーンネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的に

 

冒頭の一瞬

真上から番傘を映したショットが

 

カッコ良く!!

 

 

全然話は逸れるが、

 

確かジャック・ドゥミ監督の

シェルブールの雨傘』(1963)も

冒頭鮮やかな雨傘が映ったはず!

(それも印象的で好きだった!)

 

 

 

それよりかなり短く

モノクロですが

 

30年も前にそっくりショット!

とも言えますね。

 

 

さすがに『シェルブール〜』の方は

そこから進化してますが。

 

 

日本の番傘はかっこいいですね。

 

 

すぐ引き合いに出しますが

清水宏監督の

按摩と女』(1938)

なんかも最高です。

 

 

何やら傘好きみたいな私ですが・・・ww

 

 

 

あと、

 

家来たちが合図で

ズラ〜〜リと並ぶ

ショットも好き!!

 

こちらもかっこいいですね〜!!

 

 

他には

蠣太と猫ちゃんとのやりとりで

猫の鳴き真似をするのとか

 

それ、わかるわ〜!

と思い、面白く!www

 

 

音楽も純和風から

クラシックまで幅広く、

 

 

台詞回しも

いかにも時代劇(歌舞伎的)!

といった語りから、

 

比較的話し言葉だったりと

言葉のメリハリ?があります。

 

 

コメディー部分は

かなりベタベタな

かぶせ笑い〜〜!!

 

(家来に酒を飲ませて使いを出させる所、

按摩さんの所)

 

 

 

そして

蠣太の腹痛の治し方!!ww

そんな馬鹿な!ですが

 

エピソードとして

面白いなと思いました。

 

 

 

さらには

 

サザエさんより先に

海から取った名前が

たくさん登場人物に使われたお話が

ここにあったんですね〜!!

 

 

ラストは

え!それで終わり〜!!??

と、思いつつ、

 

音楽ひとつで

その後が語られる!!

 

シャイな蠣太ならでは!?ですね。ww

 

 

 

笑い、恋、事件と

盛り沢山です。

 

 

正直、

やや聞き取りづらいところや

 

どの人物が誰なのか

私には分かりづらい事もあり

 

全体としては

なんとなく分かりましたが、

 

 

細かい所が

イマイチ理解できていなかったりして

 

鑑賞後に

ちょこちょこ見直したりしました。

 

 

志村喬さんもお若いっ!w

 

 

全然この時代の

監督や役者さんを存じ上げませんが

 

また徐々に観ていければと思います。

 

 

原作の志賀直哉氏も

絶賛とあって、

 

原作も読んでみたいですね。

 

 

(2022年9月8本目。本年度322本目)

 

ネタバレMEMO

激しいチャンバラ劇で知られる片岡千恵蔵が主演の時代劇だが激しい立ち回りは少なく、1932年公開の『國士無双』同様、風刺的な喜劇映画となっている(立ち回りはラストの原田甲斐が伊達安芸を斬りつけるシーンのみである)。

音楽では、冒頭でショパンの前奏曲第15番変ニ長調(雨だれの前奏曲)を流したほか、エンディングの蠣太とヒロインの小波が向かい合うシーンでワーグナーの『結婚行進曲』を流すなど、時代劇に似合わないクラシック音楽を取り入れている。

演出でも歌舞伎の様式美(原田甲斐の台詞が歌舞伎調であるなど)を取り入れるなど、従来の時代劇を覆す数々の冒険が見られる。主要な登場人物が海産物や海に因んだ名前になっている(伊達騒動の関係者は別。あくまで小説もしくは映画でのオリジナルキャストに限る)。(ウィキペディアより)

あらすじ

昔、主人公赤西蠣太は白石の殿様(片倉景長)の命を受け、伊達兵部の悪事を暴くため屋敷に潜入していた。悪事を暴くための密書が大方完成したところで白石に帰ることになったが、怪しまれないよう暇をもらうため辞める動機をつくる必要があった。そこで共に白石の命で別の原田甲斐の屋敷に潜入していた銀鮫鱒次郎の提案で、美しい腰元小江に艶書を送り、振られ面目がつぶれたところで暇をもらうことにした。しかし振られるどころか小江は蠣太を受け入れた。嬉しい半面困った蠣太は、しかたなく二度目に書いた手紙を拾った老女蝦夷菊に書置を書き、屋敷を後にしたのだった。伊達騒動が終わってから蠣太は本名にかえった。同じく変名していた鱒次郎は、甲斐のために殺されたらしい。蠣太と小江の恋の行方はわからずじまいである。 (ウィキペディアより)

(※↑映画では、銀鮫鱒次郎→青鮫鱒次郎、小江→小波、蝦夷菊→沖ノ石、となっている。恋の行方は、映画ではほぼ予想出来ます。ww)

スタッフ

監督・脚色:伊丹万作

原作:志賀直哉

助監督:佐伯清、毛利正樹、佐野稔

助撮影:今井博、大谷義一、川島良一

撮影:漆山裕茂

音楽:高橋半

録音:塚越成治、池戸正享、山内延夫

照明:山田弘

設計:清水香夫留

装置:平松智惠吉

装飾:新井九十九

衣裳:瀧井卯一

床山:中山源次郎

美髪:中山イト

字幕:黒田豊

 

キャスト

赤西蠣太(二役、白石の殿様に、伊達兵部の元に送り込まれたスパイ):片岡千惠蔵

原田甲斐(二役、鱒次郎が仕える屋敷にいる伊達騒動の中心人物。鱒次郎の調査対象):片岡千恵蔵

伊達兵部(蠣太が仕える屋敷にいる伊達騒動の中心人物。蠣太の調査対象):瀬川路三郎

鱶平:林誠之助

浅利貝之丞:阪東国太郎

可児万蔵:矢野武男

興津鯛之進:赤沢力

亀千代君:柳恵美子

青鮫鱒次郎(蠣太とともに、原田甲斐の元に送り込まれたスパイ):原健作

妾・お磯:比良多恵子

侍女・若芽:香住佐代子

老女・沖ノ石:滝沢静子

多古七兵衛:渥美秀一郎

多良肝助:杉野寿一

鞍毛平馬:市川友三郎

木須長二郎:富士咲実

鰆崎半平:市川吉之介

海老名勘十:月田三郎

若侍:瀬戸一司、川端繁

菅野小助:芝田新

伊達安芸:葛木香一

柴田外記:鳥居正

政岡:梅村蓉子

小波(さざなみ;蠣太が艶書を渡す相手とした選ばれた、美しい腰元):毛利峯子

角又鱈之進:志村喬

門番:川崎猛夫

入船屋鯖右衛門:関操

奥方:東栄子

松前鉄之助:杉山昌三九

按摩安甲:上山草人