鑑賞記録(2022.9.5)
荻上直子監督
『かもめ食堂』2005
『かもめ食堂』2005/101分/日本・フィンランド/カラー
群ようこの書下ろし小説を、荻上直子監督が映画化。フィンランドの首都ヘルシンキで食堂を開いた日本人女性を小林聡美が演じ、その店を訪れる人々との穏やかな交流を描く。(U-NEXT本作見どころより)
※プロデューサーが「フィンランドで映画を撮る」という企画を先に立ち上げて、プロデューサーから群ようこさんに原作の執筆をお願いしたらしい。
『過去のない男』(2002年、アキ・カウリスマキ監督)のマルック・ペルトラさんも出演している(オーディションにて決定)。3人のおばちゃんたちもオーディションで選ばれたらしい。
主演の3人に関しては初めからキャスティングされていたらしい。
(↑シネマジャーナルのインタビューより引用)
撮影にあたって、実際に存在する現地の食堂「カハヴィラ スオミ(Kahvila SUOMI)」をかもめ食堂のセットとして使用していた。現在も「ラヴィントラ カモメ(Ravintola Kamome)」として実在し、日本人観光客の少ないフィンランドにおいて日本人の集中する観光スポットとなっている。また、フィンランド政府観光局が撮影協力したため、マリメッコやイッタラなど、フィンランド企業の商品がプロダクトプレイスメントとして多く登場する。サチエがミドリに『ガッチャマンの歌』の歌詞を教えてもらう場面では、アカデミア書店内のカフェ・アアルトがロケ地として使われた。(ウィキペディアより)
人気フードスタイリストの飯島奈美が手掛けた、素朴ながら美味しそうな料理の数々が話題に!(U-NEXT本作ここがポイント!より)
あらすじ
日本人女性のサチエ(小林聡美)がヘルシンキの街角にかもめ食堂をオープン。なかなか客が来ない中、初めてフィンランドに来たというミドリ(片桐はいり)と出会ったサチエは、彼女を店に迎え入れる。さらにヘルシンキの空港に降り立った訳ありな女性マサコ(もたいまさこ)も店を手伝うようになり…。(U-NEXTストーリーより、役者名は補足しました)
感想
言わずと知れた大ヒット作だが、
私、初鑑賞でございます。
2022年9月16日公開の
(荻上直子監督・脚本)
『川っぺりムコリッタ』を
鑑賞しようと思っており、
荻上監督作を
何も観ていなかったので
とりあえず本作くらいは観ておこう!
と思って鑑賞。
(↓シナリオを読もうと思い、月刊シナリオ10月号を購入)
(↑まだ読んでません。w)
まず、
本作の感想として、
いや〜面白かったです!!
ふんわりとした映画だけれど、
とっても味があり、
素敵なキラリと光る個性や
愛着が湧くような
物語や食事や人や食器や衣装・・・
本作の舞台
「かもめ食堂」の
密かな?メインメニューは
梅・鮭・おかかの
”おにぎり”だが、
本作も
素朴かつシンプルながら
やっぱり一番美味しく
飽きのこないおにぎりに
実はびっくりするほど美味しい
お新香がちょっと添えてあるような
そんな映画だった。
とにかくピカピカに光り美しい
鍋やフライパン、やかんなどの
調理器具。
シンプルでかわいい店内と食器に
色鮮やかな衣装や
白い皿に盛られた食事。
あぁ美味しそう・・・
あぁ素敵・・・
公開から15年以上経っていますが
今でもとても素敵ですね。
お話は
シンプルなおにぎりを
味わうような素朴なストーリーだが、
もうちょこちょこ絶品の
アクセント的小ネタが
私の心をくすぐりまくる!!!
以下、ネタバレ含みます・・・
のっけから、
日本好きの青年トンミのTシャツが
ニャロメ!!!ww
あかん、可愛すぎる!!
ニャロメチョイス抜群すぎます。
もうこの一発目の登場のTシャツは
ニャロメ以外に考えられません!!
(ウナギイヌならOKなのか!?
とりあえず赤塚先生でないとダメですね)
そして、
片桐はいりさん演じるミドリ!
とても愛嬌があって面白く
でも何処か哀愁ある
素敵なキャラクターです。
片桐さんなんで
もう間違いないですがww
サチエとミドリの最初の出会いで
一瞬想像のタヒチで、
ミドリがフラダンス?の
インサートが最高すぎます!!
絶妙〜〜な踊り方!!!ww
青年トンミに漢字で名前を書いてと
頼まれたミドリが書く当て字!
トンミ・ヒルトネン→豚身昼斗念
面白すぎるでしょ!!www
食堂にピッタリ!?ですね??
そして
もたいまさこさん演じるマサコも
静かなのにやっぱり
最高に個性を感じます。
現地でマサコが買った
マリメッコの衣装(かな?)が
とっても似合っていて素敵でした!!
そして
小林聡美さんの
淡々飄々、凛とした
そしてちょっと独特なオーラある?
素敵なサチエ!
この3人のコンビネーションは
最高のマッチングでした。
3人のフィンランドのおばちゃんも
最初と同じ動きを繰り返すのも
面白く、
なんか一々面白かったです。ww
ちょっと語り尽くせませんね。
なんだかほんわかして
あったかくて
大きな事件はないけれど
ちょっとずつ変化していく
人と状況。
そして
映像を観始めてすぐに思ったのが
おそらく
フィルム撮影されているはずだ
と思うんですが
(私が調べたところでは見つからなかったですが、
この頃はまだギリ、フィルム時代かと。
デジタルはこの後あたりから
大幅に増えていくみたい。
エンドクレジットで
コダックとかイマジカ(現像所)
ネガ編集の方がいらしたから、
やっぱりフィルムかと判断)
そのフィルムの美しさ。
2022年現在で本作の内容なら
デジタルでもまた違った美しさも
あるかとは思いますが、
手間と時間とお金も掛かりますが
やっぱりあのフィルムの美しさは
唯一無二の
その作品だけの世界観を作り出します。
素敵ですね〜
やっぱりいいですね〜
フィルム。
そしてラスト!!
井上陽水さんの
『クレイジーラブ』が
これまた絶妙です〜〜!!
選曲最高です!!
素敵な写真と共に
素晴らしいエンディングです。
もう細かい所とかに
キュンキュンしました。ww
あぁ今までなんで観てこなかったか
とも思ったけど、
多分、今の私が
本作を一番味わえる時期ではないかと
自分で思う。
独身で年代も近い感じ、
料理も食べることも大好きだし、
(↑これは前からだけど)
今でこそ日常を描く映画を
味わえるようになった気もする。
フィルムの良さも
デジタルを知った
今だからこそ思うこと。
とても楽しかったです。
群ようこさんの書き下ろし原作も
読んでみたいと思いました。
(2022年9月7本目。本年度321本目)
スタッフ
監督・脚本:荻上直子
原作:群ようこ
撮影:トゥオモ・ヴィルタネン
音楽:近藤達郎
編集:普嶋信一
整音:林大輔
音響効果:齋藤昌利
スタイリスト:堀越絹衣
フードスタイリスト:飯島奈美
写真:高橋ヨーコ
スクリプター:山縣有希子
ヘアメイク:宮崎智子
フードコーディネーター:花澤エリサ
アシスタントプロデューサー:山口真由美
衣装製作:水口育、福田真美、長澤章生
美術助手:田熊里子
編集助手:栗又文克
ネガ編集:田辺賢治
ネガ編集助手:渋谷陽一
タイミング:高橋モリオ
オプチカル:金子鉄男、山岸江美
タイトル:熊谷幸雄
エンディングテーマ:『クレイジーラブ』井上陽水
企画:霞澤花子
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田誠治、大島満、石原正康、小室秀一、小幡久美
プロデューサー:前川えんま、天野眞弓
アソシエイトプロデューサー:森下圭子
協力:フィンランド共和国、フィンランド航空
製作委員会(かもめ商会)メンバー:日本テレビ放送網、バップ、幻冬舎、シャシャ・コーポレイション、パラダイス・カフェ、メディア・スーツ
他
キャスト
サチエ:小林聡美
ミドリ:片桐はいり
マサコ:もたいまさこ
トンミ・ヒルトネン:ヤルッコ・ニエミ
マッティ:マルック・ペルトラ
リーサ:タリア・マルクス
他