鑑賞記録(2022.3.15)
小津安二郎監督
『秋日和』1960
『秋日和』1960/128分/日本/カラー・スタンダード・モノラル
『彼岸花』(1958)の鑑賞記録にも記したが、本作は『彼岸花』と同様のシナリオ作成の仕方らしい。
(↓以下)
クレジットには、原作里見弴と記されているが、(中略)かねてより里見の小説に強い影響を受け、また鎌倉に暮らし里見と親交のあった小津が、里見の原作を映画にしたいと申し出たところ、里見が、映画化されることを前提に新作を書き下ろすことになった。その結果、里見、小津、脚本家野田高梧の三者で構想した大まかな筋のもと、小説、シナリオ別々に作られたものである。(中略)ちなみに、2年後の『秋日和』もこの方式で作られることになる。(『彼岸花』ウィキペディアより)
『晩春』の父娘関係を母娘に置き換えてカラー化した作品とも言える。(松竹『秋日和』作品データベースより)
一言あらすじ
三輪の七回忌に、古い友人たちが訪れる。三輪の娘・アヤ子(司葉子)が年頃だからと結婚を勧めるが、アヤ子はその気はないと言う。母・秋子(原節子)が未亡人のままでは、アヤ子が結婚しないと考えた友人らは、まず秋子を再婚させたらどうかと話をし始めて・・・
感想
なんだかどっかでみたような話が
色々混じっていて
さらにちょいと違う味付けがなされた感じww
先にも記したが、
特にベースは、
母娘版にした『晩春』といったところ。
まぁベースは同じでも
父と母とでは
ちょっとまた感じが変わってくるが。
今回は、
”味付け”に当たる
おじさん3人組と、
岡田茉莉子さん演じる百合子が
とても面白く、
騒動の原因とも言えるwww
(特におじさま方)
騒動の発端となる直前の
おじさん3人衆の会話の
例え話がウケた!
これは、そのくだりを
全部観ないと理解できませんが、、、
田口(中村伸郎)の
おじさんの台詞↓
「ま、痒いところにはメンソレータムでも
塗っといてもらうんだね」
爆笑!!
うまいこと言うな~!ww
これは観ないと
意味分からないと思いますが。w
過去の小津作品の総動員というか、
セットのお店の名前、
役者、お話等、
色々と見覚えがありますね。
役名や設定こそ変わっているけれど、
もはや
小津劇場『サザエさん』みたい。笑
色々定番です。
でも笑いました。
そして、
笑いだけでは、ない。
人生のひとつの生き方を
また垣間見る。
(2022年3月21本目。本年度92本目)
スタッフ
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧、小津安二郎
原作:里見弴
製作:山内静夫 撮影:厚田雄春 美術:浜田辰雄 編集:浜村義康
録音:妹尾芳三郎 照明:石渡健蔵 色彩技術:老川元薫
監督助手:田代幸三 音楽:斎藤高順
他
キャスト
三輪秋子:原節子
三輪アヤ子:司葉子
後藤庄太郎:佐田啓二
佐々木百合子:岡田茉莉子
間宮宗一:佐分利信
田口秀三:中村伸郎
平山精一郎:北竜二
三輪周吉:笠智衆
間宮文子:沢村貞子
間宮路子:桑野みゆき
間宮忠雄:島津雅彦
田口のぶ子:三宅邦子
田口洋子:田代百合子
田口和男:設楽幸嗣
平山幸一:三上真一郎
杉山常男:渡辺文雄
高松重子:千之赫子
佐々木ひさ:桜むつ子
佐々木芳太郎:竹田法一
「若松」女将:高橋とよ
桑田種吉:十朱久雄
その妻栄:南美江
法事の男:須賀不二男
受付女性社員:岩下志麻
寿司屋の客:菅原通済
他