鑑賞記録（2022.11.18）
石川慶監督
『ある男』2022
@kino cinema神戸国際
『ある男』2022/121分/日本/カラー
芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラーを「蜜蜂と遠雷」「愚行録」の石川慶監督が映画化し、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝が共演したヒューマンミステリー。（映画.comより）
あらすじ
弁護士の城戸（妻夫木聡）は、かつての依頼者である里枝（安藤サクラ）から、ある相談を受ける。”谷口大祐”という男（窪田正孝）と再婚した里枝だったが、ある日、大祐は事故で命を落としてしまう。そこから彼が、”谷口大祐”ではないという衝撃の事実が判明。城戸は、調査を開始するが・・・
感想
”血”のしがらみ。
自分が生まれるという事は、
生物学上の
父と母が存在したということ。
自分は何もしていなくても、
親・兄弟である家族が
何をしたかという事が
まるで
自分の人生でもあるかのように
世の中見られる場合が多い。
自分の親や先祖が
他の国籍だったならば
自分が生まれ育った国が日本でも
いつまでも日本人として
扱ってもらえない事実。
人にとって、
親や兄弟、先祖や家族
自分の過去もさる事ながら、
自分ではない
親や兄弟の過去までも
自分の影であるかのように
いつまでもついて回り
離れてくれることがない・・・
自らもまた
その思考に縛られながら
生きていく・・・
そんな生きづらい状況を
なんとか生きてきながら
必死で新しい
”別の人間”になりたいと願う・・・
消せない過去だからこそ、
過去を丸々
取り替えてしまうことが出来たら・・・？
全く別の人の過去を
単なる”履歴”として
貰うことが出来たら・・・？？
しかし、
これらは全て過去にまつわる話。
そんな過去は知らなくても、
”今”一緒に過ごす時間、
楽しんでいる時間、
穏やかな時間、
幸せだと感じる時間、
その純粋で
単純な思いに
何一つ
嘘や偽りはないだろう。
本作も複数の
考えさせられる問題を映しながら、
お話が進んでいく。
大好きな柄本明さんの役が
まるで大阪版
ハンニバル・レクター！？の様な
印象的なキャラクター！
他の豪華キャストの皆さんも
安定感抜群です。
個人的には、
オープニングとラストの
”絵”のカットに
唸りました！！
最高に好きなショットです！
昨日たまたま本屋さんで
月刊シナリオ12月号を購入しまして、
↓
（↑今月号をチェックしてませんでした汗）
まだ読めていませんが、
これから脚本を
読みたいと思います。
私は大抵
脚本を読む場合は、
鑑賞前に
読むことが多いので、
今回のように
映画を観た後に
改めて脚本を読むと、
どんな感じなのか
また楽しみです！
なんならまたまた
原作も気になるので、
読めたらなぁと！
ぜひ、ご覧下さい！！
（2022年11月20本目。本年度415本目、映画館232本目）
スタッフ
監督・編集：石川慶
脚本：向井康介
原作：平野啓一郎『ある男』
撮影：近藤龍人（J.S.C.）
照明：宗賢次郎（J.S.L.）
音楽：Cicada
美術：我妻弘之
録音：小川武
装飾：森公美
スタイリスト：高橋さやか
ヘアメイク：酒井夢月
VFXスーパーバイザー：赤羽智史
特殊メイク：中田彰輝
音響効果：中村佳央
助監督：中里洋一
スクリプター：藤島理恵
製作担当：前場恭平
プロダクションマネージャー：山田彰久
製作：髙橋敏弘、木下直哉、田中祐介、中部嘉人、浅田靖浩、佐渡島庸平、井田寛
エグゼクティブプロデューサー：吉田繁暁
プロデューサー：田渕みのり、秋田周平
ラインプロデューサー：高根澤淳
プロデューサー補：鴨井雄一
音楽プロデューサー：高石真美
宣伝プロデューサー：湯浅正美
制作プロダクション：松竹撮影所
企画・配給：松竹
製作：「ある男」製作委員会
他
キャスト
城戸章良：妻夫木聡
谷口里枝：安藤サクラ
谷口大祐（ある男X）：窪田正孝
後藤美涼：清野菜名
谷口恭一：眞島秀和
中北：小籔千豊
谷口悠人：坂元愛登
武本初江：山口美也子
伊東：きたろう
柳沢：カトウシンスケ
茜：河合優実
小菅：でんでん
谷口大祐（本物）：仲野太賀
城戸香織：真木よう子
小見浦憲男：柄本明
他
ネタバレMEMO
冒頭＆ラストに登場の絵画は、画家ルネ・マグリットの『複製禁止』
