鑑賞記録(2022.7.19)デヴィッド・リーン監督『逢びき』1945 U-NEXT

鑑賞記録(2022.7.19)

デヴィッド・リーン監督

逢びき』1945

U-NEXT

 

『逢びき』1945/86分/イギリス/モノクロ

「アラビアのロレンス」の名匠デヴィッド・リーンが1945年に手がけた名作メロドラマ。俳優・作家・演出家としても知られるノエル・カワード製作のもと、カワードの戯曲『静物画』を映画化セリア・ジョンソンとトレヴァー・ハワードが主演した。全編にわたってラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がBGMとして効果的に使用されたことでも名高い。(映画.com、ウィキペディアから引用抜粋)

1974年にリチャード・バートンとソフィア・ローレンの主演でテレビ映画『逢いびき』としてリメイクされている。(ウィキペディアより)

 

受賞

カンヌ国際映画祭(第1回、1946年開催)

グランプリ:デヴィッド・リーン

(※まだ「パルム・ドール」という名称は生まれておらず、同賞に当たる「グランプリ」該当作が11本選ばれた。)

 

他、アカデミー賞ノミネートなど。

 

原題

Brief Encounter

(翻訳によると、”短い出会い”の意味)

 

一言あらすじ

夫や子供と暮らす平凡な主婦ローラ(セリア・ジョンソン)は、毎週木曜は汽車に乗り、近くの町へ買い物や映画に一人出掛けていた。そこで、偶然医師のアレック(トレヴァー・ハワード)に出会う。互いに家庭のある二人だが、その後の度重なる偶然が、彼らを引き合わせて・・・

 

感想

以前観た

瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』の中で、

 

寂聴さんが

 

「恋は雷に打たれるようなものだから、

避けることはできない」

 

 

みたいな事を

たしか劇中で仰っていたが

 

 

まさにそのような事態を

体現している映画だろう。

 

 

 

意図して起こる事でなし、

望んで起こる事でなし、

 

 

はじめ出会えた喜びが、

いつしか苦しい現実に変わる・・・

 

 

 

特に主人公ローラの苦しみは

痛いほど観客に伝えられ、

 

 

彼女の葛藤を繊細に映し出す。

 

 

 

美しく劇的なラフマニノフの

上品でありながら激しさを持つ音楽は

 

まさに二人の関係を

よりドラマティックに昇華させていく。

 

 

 

なんの不自由もない家庭。

 

満足し、幸福だと思っていた自分。

 

 

 

しかし、

運命の悪戯とはこのことか

 

家庭を持つ二人が

出会ってしまう。

 

 

 

ほんの短い期間だからこそ

美しく、儚く、

 

そして

全てを壊さずに・・・

 

 

 

変わったのは

ただ一つ、

 

二人の心の中に刻まれた

思い出だけ・・・

 

 

 

短い期間で

遠くへ旅してきたようなローラ

 

 

 

ちょっとネタバレ的ですが・・・

 

 

 

 

 

 

幕引き、

 

Thank you for coming back to me

 

という言葉が

(と、私には聞こえたけど、正しいか分かりませんが。。)

 

 

なんともグッときます。

 

 

 

さすがは、巨匠です!!

 

他作品も観たいです!!

 

 

特に

『アラビアのロレンス』(1988)は

227分という超大作ですが、

 

ぜひ挑みたいですね!!

 

 

(2022年7月31本目。本年度257本目)

 

 

スタッフ

監督:デヴィッド・リーン

脚本:ノエル・カワード、ロナルド・ニーム、アンソニー・ハブロック=アラン、デヴィッド・リーン

原作:ノエル・カワード

撮影:ロバート・クラスカー

編集:ジャック・ハリス

美術:ローレンス・P・ウィリアムズ

音楽指揮:ミュア・マシースン

音楽:セルゲイ・ラフマニノフ

製作:ノエル・カワード

 

キャスト

ローラ・ジェッソン:セリア・ジョンソン

アレック・ハーヴェイ:トレヴァー・ハワード

アルバート・ゴッドビー:スタンリー・ホロウェイ

マートル・バゴット:ジョイス・ケアリー

フレッド・ジェッソン:シリル・レイモンド

ドリー・メシター:イヴァーリー・グレッグ

メアリー・ノートン:マージョリー・マーズ

バリル・ウォルターズ:マーガレット・バートン