鑑賞記録(2022.5.21)ルイス・ブニュエル監督特集上映『欲望のあいまいな対象』1977@元町映画館

鑑賞記録(2022.5.21)

ルイス・ブニュエル監督特集上映

欲望のあいまいな対象

1977@元町映画館

『欲望のあいまいな対象』1977/103分/フランス/カラー/ビスタ(1.66:1)/モノラル

二人の女優(フランス人キャロル・ブーケと、スペイン人アンヘラ・モリーナ)に同一人物(ヒロインのコンチータ役)を演じさせた珍奇な試みで名高いブニュエルの遺作フランス人作家ピエール・ルイスの小説『女と人形』を自由に翻案した本作は、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』のブルジョワたちが食事のお預けを食らい続けたように、愛する女コンチータの肉体のお預けを食らい続ける中年男の物語を綴ってゆく。優雅で控えめで痩せ型のブーケと、陽気で情熱的で肉感的なモリーナが同一人物を演じることで、コンチータという女に備わったあいまいさや二面性が明確に打ち出されることになった。(【ルイス・ブニュエル監督特集上映 デジタルリマスター版 ”男と女”】チラシより)

キャロル・ブーケは本作品が映画初出演である。(ウィキペディアより)

【ルイス・ブニュエル監督特集上映 デジタルリマスター版 ”男と女”】作品リスト

『小間使いの日記』1964/97分/仏伊合作

『昼顔』             1967/100分/仏伊合作 

『哀しみのトリスターナ』1970/99分/西仏伊合作

『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』1972/102分/仏伊西合作

『自由への幻想』1974/104分/仏伊合作

欲望のあいまいな対象』1977/103分/仏(←今回の鑑賞作品)

 

(『昼顔』 『哀しみのトリスターナ』『自由への幻想』はU-NEXTでも鑑賞可能 ※2022年5月現在

 

ルイス・ブニュエル(スペイン語: Luis Buñuel, 1900年2月22日 – 1983年7月29日)

スペイン出身、のちにメキシコに帰化した映画監督、脚本家、俳優である。フランス、スペイン、アメリカ合衆国、メキシコ、国境を越えて多種多様な映画を撮った。特にシュルレアリスム作品とエロティシズムを描いた耽美的作品で有名である。キリスト教に関する作品もあり、物議を醸した。(ウィキペディアより)

1900年2月22日、スペインのテルエル県カランダに生まれる。マドリード大学時代の学寮生活で画家サルヴァドール・ダリや詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカら若き芸術家と出会う。25年、パリに移住。映画監督を志し、パリの演劇学校に入学。

29年、ダリと脚本共作で16分の短編映画『アンダルシアの犬』を監督。続いて初の長編映画『黄金時代』(30)を発表。カトリック主義や極右の激しい攻撃にさらされ、前作以上の醜聞を惹き起した結果上映禁止に。貧困地域ラス・ウルデスの住民の状況を描いた次作『糧なき土地』(33)も、スペイン政府により上映禁止処分を受ける。

スペイン内戦勃発後はフランス、アメリカ合衆国での親共和国派的プロパガンダ映画製作に協力した後、46年に映画製作者オスカル・ダンシヘールの誘いでメキシコに渡る。ダンシヘール製作の『忘れられた人々』(50)で、一躍世界的に有名なスペイン語圏監督となった。残りの生涯はメキシコで暮らし、この地で20本の映画を監督する。メキシコ映画産業の黄金時代が終わった後は、主にフランスで映画作りに従事。83年7月29日、メキシコ市の病院にて死去。最後の作品は『欲望のあいまいな対象』(77)。

(【ルイス・ブニュエル監督特集上映 デジタルリマスター版 ”男と女”】チラシより)

 

原題

Cet obscur objet du désir

 

一言あらすじ

テロの危険に満ちたセビリア。初老の紳士マチュー(フェルナンド・レイ)は、発車間際の電車に乗り込もうとしてきた1人の女にバケツの水を被せる。驚く相客に、彼は女が悪魔であることを語りだす・・・(ウィキペディアより引用)

 

感想

今回もいつもの如く

事前情報なしで鑑賞。

 

 

最初、

理解不能だったりしたが、、、ww

 

しかし、

お話の運びも面白く、

結構集中して観られた。w

 

 

 

たまたま列車内に乗り合わせた

1等席の同乗者たちに

(複数人乗り合わせる個室)

 

自分のお話を聞かせて

振り返って行くスタイル。

 

 

先(上記)に、

本作の説明書きとして

 

チラシから抜粋した記事を

書いてしまったが、、、、

(ネタばれでもある)

 

 

 

 

 

二人の女性が

コンチータ役として登場。

 

 

明らかに全然別人なのに、

 

入れ替わり立ち替わりで

”コンチータ”として登場するので

 

 

私は最初混乱した・・・・

 

 

 

え!?同一人物!???

 

てか全然違うし、なぜ!?

 

 

と思ったが、

 

観ていくにつれて、

 

 

最後の方で

やっと

 

ヒロイン女性の二面性を

描いているんだなと理解。ww

 

 

 

 

一番ラストでネタばらし的!?に

 

二人のヒロインが

分かりやすく同じ服をそれぞれ着て登場。

(同時にはもちろん出ない。入れ替わりで。)

 

 

そこで

やっぱり同一人物でよかったんだと

答え合わせされる。ww

 

 

 

途中までは、確信が持てず、

 

同一人物なのか、

 

または同一人物を演じる

(騙すためとか)

別人格なのか、

 

 

それとも二重人格者の表現なのか・・・

(ある意味ではそう。

誰しもが持つ二面性といったところか)

 

 

など、不明な点が多くて

そちらが気になりながら、

 

 

 

あちこちで

 

人が死んだり、

ネズミやハエが死んだり・・・

 

 

死に関する情報も多く・・・

 

 

 

理解不能な部分を

何とか理解しようと必死だったので

 

 

これはどういう意味だ!??

 

一体コンチータは何を考えているのか!?

 

など、

必死で観た。笑

 

 

 

コンチータ演じる二人の

美しい肉体も惜しげもなく披露され、

 

 

中年おじさんのマチューのお預け感が

より一層際立つ。ww

 

 

 

そりゃ最終的に

激怒する気持ちもわかるよな~。ww

 

 

 

最初は

どんなひどいオッサンかと思ったけど。ww

 

 

他にも、

それなりの理由はあった・・・ww

 

お互いさまだったか・・・爆

 

 

 

肉欲、性欲、

所有欲、独占欲、金銭欲、、、

 

 

 

さまざまな欲望が渦巻くが

 

その対象は

はっきりとこちらの思う様に

答えてはくれない・・・・

 

 

 

そして、死・・・

 

 

 

かなり挑戦的な造りで

 

独特の雰囲気の本作。

 

 

 

お話を振り返りながら

話聞かせるように進めるという

大衆にも

受け入れられやすそうな部分も

織り込みながら

 

独特の一作で、

遺作。

 

 

 

 

過去作の鑑賞がまだなのですが

 

スケジュール的に

本作を先に観ないと

鑑賞できずに終わりそうだったので

 

先に観ました。

 

 

本当なら、

古い作品順に順を追って

観られたら一番良かったんですが。

 

 

 

まぁなかなか難しいので

順番バラバラで観ることは

多々ありますが。w

 

 

(2022年5月26本目。本年度171本目、映画館66本目)

 

 

スタッフ

監督:ルイス・ブニュエル

脚本:ルイス・ブニュエル、ジャン=クロード・カリエール

原作:ピエール・ルイス

撮影:エドモン・リシャール 編集:エレーヌ・プレミアニコフ

美術:ピエール・ギュフロワ 音楽:ワーグナー

製作:セルジュ・シルベルマン 製作総指揮:ウリ・ピカール

 

キャスト

マチュー・ファベール:フェルナンド・レイ

コンチータ(Wキャスト):キャロル・ブーケ、アンヘラ・モリーナ

エドワール:ジュリアン・ベルトー

マルタン判事:アンドレ・ウェバー