鑑賞記録(2022.5.21)李相日監督『流浪の月』2022@OSシネマズ・ミント神戸

鑑賞記録(2022.5.21)

李相日監督

流浪の月』2022

OSシネマズ・ミント神戸

 

&

『流浪の月 エピソード0』

U-NEXT

 

『流浪の月』2022/150分/日本/カラー

原作は、2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうの同名小説

「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当。

 

英題

The Wandering Moon

 

一言あらすじ

15年前に起こった女児誘拐事件。しかし、彼らにとっては誘拐ではなかったが本人達の意志とは裏腹に、世間で言われる”加害者”と”被害女児”となった2人が、時を経て偶然再開し・・・

 

感想

(ネタばれと勝手な考察は、感想半ばにて)

 

李相日監督の作品で

私が大好きな作品は

『悪人』(2010)

 

この作品は、

 

人物から滲み出る

人間性や過去を

 

肌で感じるような体験をした

素晴らしいものだった。

 

特に妻夫木聡さんが

こんなに素晴らしい役者さんだったなんて!!

 

知らなかった!!ww

 

と、感じた大好きな作品。

 

(深津絵理さんは前から好きw)

 

 

 

話が逸れたが・・・・

 

 

 

とりあえず、

李監督は好きです!

 

という前提ありきです。。。。

 

 

いつもの如く

事前情報は無しです。

 

原作も読んでません。

(追記:原作、読みました!読んだ感想は↓に)

 

 

レビューなどを観ると

かなり評価は高めだが・・・

 

 

 

うーーーーん、、、、

 

 

とても面白い状況設定で

展開もいいとは思うのですが、、、

 

 

鑑賞中、結構最初の方から

ほんの些細なことなんでしょうが、

 

 

超~~~ちっさな

腑に落ちない点というか

 

ストン、と

お腹に落ちてこないところがあって、

 

 

最初にそれがあったことにより

私の中でそれが

うっすらうっすら溜まっていって

 

 

結局、

感情移入しきれなかったというか、

 

拾い切れなかった自分がいた・・・

 

 

それは

私の理解力の足りなさなのか

私の許容の狭さなのか・・・

 

 

 

鑑賞後、一体私の中で

何がそんなに納得できず、

 

じゃあ一体どうなっていたら

私は納得することができたのかと

 

 

考えてみたが・・・・

 

 

煮詰り過ぎて

答えは出ないが・・・・www

 

 

 

(以下、ネタばれと勝手な考察・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気になった点を、

覚えている範囲で書いてみよう。

(※完全に私個人の好みの問題です!ww)

 

左寄せにて。

 

 

 

 

 

 

文(松坂桃李さん)が

更紗(白鳥玉季ちゃん)に

「うち、くる?」と聞く場面。

 

(さらに超スーパー細かいこと言えば、

「くる?うち」の方が好み。爆)

 

 

ここは、雨が降ってくる中、更紗が公園で動かない。

 

そこへ文が「帰らないの?」と、傘を差し出しながら聞く。

更紗が「帰りたくない」と言う。

 

だから「家、来る?」と聞いたわけだが、

帰りたくない→いきなり、家??、という違和感

 

いきなり、家に誘わなくないか?、、、と。

 

せめて一緒にぶらぶら当てもなく外を歩き回り、

夜遅くなったし、更紗も疲れているとかで

 

しょうがなく家に行くなら話はわからんでもない。

 

 

更紗にはどうしても帰りたくない理由があったのだが、

それにしても、知らない男の家にいきなり行く違和感。

(追記:原作では、更紗の中で既に知らない男としての認識は薄れており、それ以上に家に帰りたくないというものが上回っているようだ。)

 

 

私の中の感覚では、

家にも帰らず、男の家にも行かないって思う。

(追記:これも私の感覚で、更紗は違ったらしい。自分の常識が他人の非常識、、、みたいなことらしいw)

 

もし、そのままついて行くなら、

 

事前にもっと2人の間に

何かがないと私の中では成立しない。

 

 

例えば、

いつも2人は公園にいて、

 

お互いが、いつもいるなと

認識しているくだりがもっと必要かなと。

(ちなみに原作には一応あるが、ついていくまでの衝動としては弱い →追記:現在、原作を読んでいる途中だが、一応ついていくことへの更紗の心情の説明はあった。更紗の育った環境や性格など含めると、成立はしていた。すんなりと私は飲み込めなかったが、説明?はしてあった。→更なる追記:最後まで読むと、より一層更紗の性格なども分かってきて違和感は消えたように思う。)

 

 

2人は話してなくてもいいが、

 

例えば

文がいつも野良猫に餌を与えているのを

いつも更紗が遠くから見ていたなど

 

文が心優しい人物で

ついて行っても大丈夫なんじゃないか思わせる

 

理由付けが、私には必要だった。

(追記:原作を最後まで読んだら、特に必要ないとは思った。この演出を入れると若干文の内面が変わってしまう気がするが、映画を初見で観た時には、ふたりの行動に違和感を感じ、引っかかったので。)

 

 

 

更紗の彼氏・亮(横浜流星さん)が

あんだけぶちのめすDV系でありながら、

最終的に自傷っていう違和感

(追記:原作では自傷してなかった。)

 

 

私的には、そういうキャラなら

 

更紗(広瀬すずちゃん)ぶちのめしたあと、

めっちゃ謝り倒して「愛してるから殴ったんだ」的な

超気持ち悪い感じの台詞を吐き、

ぶっといて愛してるからアピールが欲しい。ww

 

 

俺は更紗が居ないと生きていけないし、お前もそうだろ的な。

 

自分で提案しといて、我ながらゲスだと思いますが!ww

 

 

映画内のキャラ的にはそういう部分もあったけど、

自傷するイメージはちょっと違ったような。

 

それまでの亮なら

自分じゃなく、更紗を刺してるっしょ!?

と思ってしまった・・・

 

更紗刺すように、観客に思わせておいて

逆を突きたかったのかなとか、

 

超へそ曲がりな考えが出てきてしまう・・・爆

 

(その前のシーンで、マンション下で更紗を殴らないのも違和感。最初の暴行レベルの亮なら殴ってる気がする。もし更紗を殴らないなら、怒りにまかせてマンションの壁などに自分で頭をぶつけ出し、更紗が止めるとかを入れると、最後の自傷行為は納得できたと思う)

 

 

 

谷あゆみ(多部未華子さん)が

文に言う台詞(吐きそう)が、

ちょっと違和感

 

文に説明を聞いた上ならまだしも、

聞く前に「吐きそう」っていうキャラには見えなかった・・・

 

(追記:映画になると、谷さんの登場シーンが少ないので・・・原作ではこの前にもうちょい登場していて彼女の性格や過去など諸々で、このくだりに違和感はない)

 

 

要するに、

多部さん演じる谷が

あまりに綺麗な心を持っていそうで・・・ww

 

自分を受け入れられない原因が

幼女しか好きになれないからと知っても

 

そういうことは言わなそうで・・・

 

言うとしたら、

文に「自分は幼い子しか愛せない」みたいなこと言われて

やっと出る言葉なんじゃないか?と。

 

(映画内で、文がそう説明している下りはあるが、“吐きそう“のあとだった)

 

 

文の話を聞く前の

一発目にそれを言ったから

気になったのかも。

 

 

文の完璧・潔癖?主義の母、佐伯音葉(内田也哉子さん)

お母さんである、

私の大好きな樹木希林さんの生き写しみたい!

(そっくり!!遺伝子スゴイ!!ww)

 

 

芝居云々よりも、

ビジュアル的にイメージが違うのでは??

と。これは映画を観ながらの勝手なイメージで

 

原作も読んでいないから

 

(追記:読んだけど、母に関する情報は限定的で、ある意味イメージは自由なのかなと。映画初見時ほどの私の偏見は薄れたかな。ww)

 

もしかしたら

原作読んだら、

内田さんの雰囲気なのかもしれないが

 

映画しか観ていない上で、

私の印象は、

 

欠陥品が許せないという完璧さにこだわる人物。

(良いも悪いも、その子自身である、と、全てひっくるめてありのままを愛すこと、受け入れることが、できない)

 

自分の子供(家系)にはあり得ないという

 

ある種の固定観念や

独特の美意識を持つイメージ。

 

 

凄く美しく、隙がなく、

綺麗、たぶん細身(神経質)

そして、冷たい。

 

そんなイメージ。

 

 

文がイケメンなだけに

それを上回るほどの

 

外見、頭脳、社会的地位(これは夫があればいいが)、

など完璧さがあったら

 

よりしっくりきたのでは???と思う。

 

 

そして親子だし、

文がイケメンなのは

母の血を引いているんですね的な。w

 

 

内田さんは

一種の精神的暴力性は感じたが

 

ややふくよかな体型や、顔立ちから

ちょっと私の第一印象と違った。

 

(ダメとかではない。私の勝手な印象からの好みの問題。)

 

 

 

元も子もないが、

隣に住むみたいな大胆なことしたら

騒がれるの分かるよね!ww

 

(追記:これは原作でもやってます。しかしすべては物事の流れがあって、原作ではそこまで違和感なかったな。映画を先に観てて知ってることもあったのかもしれないけど・・・)

 

 

事件から15年も経っても

散々噂されてるんだから~~~爆

 

さっさと誰も知らないところへ逃亡です。ww

 

 

そんな話しをするタイミングや

互いの意志の確認ができていなかったにせよ、

行動が安易なのはツッコミ!!ww

 

 

そばにいたい、

抑えれない衝動があっても、

そんな街で楽しく暮らせはしないだろうに・・・

 

 

 

 

以上!!!!!ww

 

 

と、まぁとりあえず、

この辺は気になった点ですかね。

(生意気なこと言って、本当にスミマセン!!w)

 

 

こういったことが

塵も積もればで、、、

 

観ている間に自分で咀嚼出来ず・・・

 

あまり深く入り込めなかった。。。

 

 

 

どっかグッと来たところは

あったりしましたが。ww

 

 

 

また観返したり、

原作を読んだりすれば

 

もっと分かることも

あるかもしれません。

 

 

映画、鑑賞後

『流浪の月 エピソード0』も

U-NEXTで鑑賞。

 

 

 

こちらは、主に

W主演の

広瀬すずさんと松坂桃李を中心に

インタビュー形式で

 

李監督、横浜流星さん、

多部未華子さんがそれぞれ

 

撮影時のお話や感想などをまとめたもの。

 

 

エピソード0だから、

 

映画の前の

ショートストーリーかと思ったら

 

違った!

 

 

なので、

映画鑑賞後に

観る方をお勧めします。

 

 

先に観ても良いと思いますが、

ネタばれがありますね。

 

 

 

これを観ると、

 

李監督のお人柄や

丁寧な作り方だとか

 

色々やはり

素晴らしいと思いました!!

 

(散々言いましたが!ww)

 

 

 

そして

やはり原作も気になり、

 

電子書籍の「お試し」で

冒頭の所だけ読み、

 

更紗が家に帰りたくない理由は

 

李監督の脚本の方が、

明確に記されているので

 

その点は

知らない男の人に着いて行く理由として

根拠が明確です。

(※追記:原作を、結局U-NEXTの電子書籍をポイント購入し(Amazonとかより安かった)、まだ途中ですが読み進めると、映画での更紗が家に帰りたくない理由は、原作にも出てきたので、原作と映画は同じでした。)→さらに追記:原作読み終えました。感想は↓で。

 

 

図書館で原作本を予約しましたが、

600人以上待ち!!!で、

 

これを待つか、購入か・・・爆

(追記:結局気になり購入しました!w)

 

 

正直、

冒頭のお試しの範囲の時点では

 

まだ買うほどまで

この原作に惹かれておらず、

 

先が気になるものの

買うかは、、、

ちょっと悩みます。。ww

 

 

図書館で

早く回ってきてくれたら有難い!ww

 

 

いろいろイチャモンみたいに

書いてしまいましたが、、、汗

 

 

基本的には

映像、音楽、芝居、など、

平均点ははるかに超えた上での話です。

 

 

 

良いがための、ツッコミ!?ww

 

 

 

これだけ考えさせられるっていうのは

良い映画ということでしょう。

 

 

 

ぶっちゃけ、

あまりピンと来なかったり

または理解できないと

 

感想も特になくなりますからね・・・爆

 

(あまりに好き過ぎて、

書くことが全然出ない場合もあるけど・・・w)

 

 

ある種の情熱があった!

ということです!ww

 

 

 

(2022年5月27本目。本年度172本目、映画館67本目)

 

 

原作を読み終えて・・・

原作最初の方は、少し斜に構えながら読んでいた自分がいたが、

お話が進むにつれ、キャラクターとの関わる時間が増えるにつれ

どんどんと引き込まれた。

 

上記に記した、映画での違和感は、

正直、原作にはなかったな、という印象。

 

最初の、”うちにくる?”(原作では”に”が入る)という所はやはり違和感があったが、最後まで読み進めたら、その台詞も納得した。

キャラクター達もすべて、しっくり来ました。

 

小説で描かれた世界観を2~3時間に作り替えることの難しさ。

 

個人的には、そのちょっとの変更が違和感に繋がっている感が否めないと思った。

かと言って、じゃあどうしたらいいかも分からないが。

 

人気小説をそのまんま映画にすることは大抵難しいでしょうから、

映画脚本を変えるとなると・・・また大変な話ですね。

 

生みの難しさを感じました。

個人的には原作を読んで、納得できて良かったです。

 

もし、私のように感じていた方がいらしたら、

原作を読んでみるとまた面白いかもしれません。

 

 

 

スタッフ

監督・脚本:李相日

原作:凪良ゆう

撮影監督:ホン・ギョンピョ

音楽:原摩利彦 編集:今井剛

美術:種田陽平、北川深幸 照明:中村裕樹

音響:白取貢 音響効果:柴崎憲治

装飾:西尾共未、高畠一郎 助監督:竹田正明

衣装デザイン:小川久美子

ヘアメイク:豊川京子

製作総指揮:宇野康秀 製作エグゼクティブ:依田巽 製作:森田篤

プロデューサー:朴木浩美

エグゼクティブプロデューサー:小竹里美、髙橋尚子、堀尾星矢

ラインプロデューサー:山本礼二

キャスティングディレクター:元川益暢

制作担当:多賀典彬

音楽プロデューサー:杉田寿宏

宣伝プロデューサー:依田苗子、新田晶子

共同製作・配給:ギャガ

共同製作:UNITED PRODUCITONS

企画・製作幹事・制作プロダクション:UNO-FILMS

製作:「流浪の月」製作委員会

 

キャスト

家内更紗:広瀬すず

佐伯文:松坂桃李

中瀬亮:横浜流星

谷あゆみ:多部未華子

安西佳菜子:趣里

湯村:三浦貴大

家内更紗(幼少期):白鳥玉季

安西梨花:増田光桜

佐伯音葉:内田也哉子

阿方:柄本明