鑑賞記録(2022.1.27)
ヌーヴェル・ヴァーグ左岸派監督、
夫婦でオシャレ!
『5時から7時のまでのクレオ』1961 U-NEXT
『5時から7時までのクレオ』1961/90分/フランス・イタリア/モノクロ・ビスタサイズ
ヌーヴェル・ヴァーグを代表する女性監督、アニエス・ヴァルダの初期の傑作とされる。
夫は、同じくヌーヴェル・ヴァーグ左岸派のジャック・ドゥミ。
本作の劇中劇のサイレント映画には、ジャン=リュック・ゴダール(『勝手にしやがれ』等、ヌーヴェル・ヴァーグのカイエ派映画監督)、アンナ・カリーナ(ゴダール監督作に多く出演する女優。この頃ゴダールと結婚、その後離婚。)、サミー・フレイ(フランスの俳優)、エディ・コンスタンティーヌ(フランスのアメリカ人俳優)、ジャン=クロード・ブリアリ(フランスの俳優)などが出演している。
本作の音楽を担当している、ミシェル・ルグランも、ボブ役で登場。ミシェル・ルグランは、夫の長編デビュー作『ローラ』(1960)でも音楽を担当している。
U-NEXTで視聴期限が、2022年1月末までとのことで鑑賞。
原題
Cleo de 5 a 7 (フランス語記号使えてません)
一言あらすじ
クレオ(コリンヌ・マルシャン)は今日、病院の検査結果をPM7時に聞く予定だ。自分は酷い病なのではないかと疑いながら、夕方5時~7時まで過ごす・・・
感想
一昨日観た、
夫であるジャック・ドゥミ監督の
『ローラ』にも負けず劣らず、
妻のアニエス・ヴァルダも
とってもオシャレで
工夫をした面白い撮り方!!
夫婦揃ってオシャレかい!!w
とても素敵です。
時間経過が伝えられながら、
クレオが生きる時間を
観客は観ていく。
ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちは
日本の溝口健二監督にも
大きな影響を受けているらしく、
(『仕事と人生に効く教養としての映画』著:伊藤弘了、その旨の記載あり)
長回し(長く切り替わらないショット)は
随所に見られます。
特に、
ヌーヴェル・ヴァーグ左岸派は、
ドキュメンタリー(記録映画)を出自とする
面々のことらしい。
まさに、
クレオの行動の
記録的映画となっており、
彼女が買い物したり、
カフェに行ったり、
友達と会ったり、などを
追いかけていく。
でも、
単に追いかけるだけでなく、
しっかり演出されていて
色んなところに
面白い仕掛けを施している。
基本モノクロなのだが、
冒頭の一部だけカラー映像が
使われている。
これって、最初からこうなのかしら?
きっとそうなんでしょうね!
(1960年前後からカラー映画が本格的に出てきているようだ)
これまた良いんですね。
一部だけカラー使うとか、
そういう
ちょっと変わったことを
アニエス・ヴァルダってやりそうだな~
と、本作を観ながら思った。
(他の作品まだ観てないけど。観ますw)
逆にモノクロだったらどんな感じだろう?
とも思うけど、
挑戦的な演出は、
目を見張ります。
とっても素敵で独特。
公園のシーンも素敵です。
木々や水の流れる感じ。
それも先日観た
『お遊さま』(1951・溝口健二監督)
の庭園のシーンを思い起こします。
しかも、
アニエス・ヴァルダ監督、
こちらも結構長めのショット。
クレオがふたりで歩くシーンの
光の加減もとてもいい。
(これはモノクロならではに美しい)
などなど、
面白い工夫が散りばめられています。
冒頭にも書きましたが、
ヌーヴェル・ヴァーグのカイエ派(右岸派)の
ジャン=リュック・ゴダール監督や
ヌーヴェル・ヴァーグ時代に活躍した俳優陣が
劇中劇に登場。
こちらもチェックしてみてください。
(2022年動画鑑賞33本目)
スタッフ
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
音楽:ミシェル・ルグラン 撮影:ジャン・ラビエ 編集:ジャニーヌ・ヴェルノー 美術:ベルナール・エバン 製作:ジョルジュ・ド・ボールガール、カルロ・ポンティ
キャスト
クレオ:コリンヌ・マルシャン
アントワーヌ:アントワーヌ・ブルセイエ
ボブ:ミシェル・ルグラン
アンジェール:ドミニク・ダヴレー
ドロテ:ドロテ・ブラン
ジョゼ:ホセ・ルイス・デ・ビラロンガ
他