鑑賞記録(2022.10.16)神戸発掘映画祭2022 『フィルム 私たちの記憶装置』2021 +解説:石原香絵@神戸映画資料館

鑑賞記録(2022.10.16)

神戸発掘映画祭2022

フィルム 私たちの記憶装置

2021

+解説:石原香絵

神戸映画資料館

 

『フィルム 私たちの記憶装置』2021/120分/カナダ・スペイン/カラー、モノクロ

125年以上も前に撮影された映画をいまもみることができるのはなぜだろう──米国ジョージ・イーストマン博物館のL.ジェフリー・セルズニック映画保存学校を修了したスペインのドキュメンタリー作家イネス・トハリア・テランは、複数のフィルムアーカイブでの実務経験を経て、本作を3年がかりで完成させた。映画の発掘、復元、上映に並々ならぬ情熱を傾けるフィルムアーキビストたちが世間の注目を集めることは滅多にないが、ジョナス・メカス、ケン・ローチ、ヴィム・ヴェンダースといった映画作家の声、そして欧米、アジア、アフリカから集めた夥しい数のアーカイバル・フッテージとともに、映画を文化遺産として救済する人々の地道な取り組みが鮮やかに照射される。(神戸映画資料館公式サイトより)

原題

Film, the Living Record of Our Memory

あらすじ

125年以上前に撮影された動画を今でも見ることができるのはなぜですか?

私たちがデジタル時代にさらに進むにつれて、私たちの視聴覚遺産はますます当然のものと見なされているようです。しかし、私たちの撮影された歴史と映画の多くは、すでに永遠に失われています。

世界中のフィルム アーキビスト、キュレーター、技術者、映画製作者が、フィルムの保存とは何か、なぜそれが必要なのかを説明します。私たちの主人公は、映画の存続を守るために舞台裏で働く映画の管理者です。それは、映画がいつか誰かの人生を変えるかもしれないという共通のマントラに合わせて、動画の芸術的および文化的価値に対する彼らの固い信念に基づいて引き受ける仕事です。このドキュメンタリーは、彼ら全員へのオマージュであり、彼らの重要な取り組みに光を当てています。(公式サイトAI翻訳版より)

アーキビストArchivist)とは

永久保存価値のある情報を査定、収集、整理、保存、管理し、閲覧できるよう整える専門職を指す。(ウィキペディアより)

キュレーターcurator)とは

博物館(美術館含む)、図書館、公文書館のような資料蓄積型文化施設(ミュージアム)において、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門管理職。(ウィキペディアより)

 

感想

映画フィルムの

過去、現在、未来についての

ドキュメンタリー作品。

 

 

主役となるのは、

 

劣化したり、損傷している

映画のフィルムを

 

地道に手作業で復元している

職人さん、

 

アーキビストやキュレーターの

皆さんたち。

 

 

特に普段は

表に出ることなく

職人技で仕事をしている

技術者の皆さんが

 

大変な仕事を

してくださっているからこそ、

 

 

私たちは

現在でも100年以上前の作品を

観ることが出来ます。

 

 

 

そして、

映画は当初、

 

残す考えがなかったことから

その多くが現存していません。

(戦争や災害もありますが)

 

 

そう考えると、

やっぱり古い映画ほど

希少価値があり、

 

貴重だと思うので

ますます古い映画を観ておこう!

 

という気持ちになりますね。

 

 

単純に素晴らしいものも多いし。

 

 

 

有名監督たちも多数登場

 

アッバス・キアロスタミ監督

マーティン・スコセッシ監督

ヴィム・ヴェンダース監督

などなど

 

 

が、フィルム保存の重要性を説き、

活動されています。

 

 

 

しかし

フィルムを保存する難しさも

同時にあります。

 

 

単純に量も多いし、

 

湿度や温度にも気を配り、

 

さらには生き物と同じように

日が経てば劣化する・・・

 

そのための巨大な施設も必要。

 

 

現在では、

北極圏にフィルムを保存したりと、

 

施設の場所なども

考えられている様です。

 

 

現在ではデジタル化が進み、

フィルムの価値が薄れていて、

 

 

専門家や映画監督たちなどが

何とか無くならないように

奮闘してくださっています。

 

 

映画好きとしては、

手間と時間は掛かるけど、

 

単純に

やっぱりフィルムの映像は良い!!

 

と、思うので

今後もこの保存活動はしてほしいし、

 

 

歴史的に見ても

その当時を知れるものとしても

 

価値が高いだけに

ぜひ続けて頂きたいですね。

(言うだけは簡単ですが・・・)

 

 

 

そして、

未来においても、

 

皆さん

ィルムの重要性を説かれています。

 

 

デジタルの移り変わりの速さと、

フィルムの変わらなさ・・・

 

 

フィルムだと

ちゃんと管理すれば500年は持つと

言っていた様な・・・

 

すごい!

 

 

しかし

デジタルは変化が激しく、

 

例えばVHSだと、

もう出力する機器がなくなるなど

 

どんどん変化してますよね。

 

 

保存という面では、

手間とコストは掛かっても、

 

フィルムは適している様ですね。

 

 

 

今観られるフィルムの映像は

まだまだ一部で、

 

もしかしたら

どなたかの家の倉庫に

眠っているお宝が

あるかもしれませんよ・・・

 

 

 

本作の情報量が膨大ゆえ、

あまりちゃんと

覚えられていませんが、ww

 

 

とにかく

途方もない作業を地道にこなす

そうした努力あってこそ

 

昔の映画も

楽しめているのですね。

 

 

本当に有難いです。

 

 

上映後、

イネス・トハリア・テラン監督

と同じく

 

L. ジェフリー・セルズニック映画保存学校を

卒業された

石原香絵さんのお話もあり、

 

より一層楽しめました。

 

 

とても興味深いお話を

ありがとうございました。

 

 

 

映画を作る人々、

映画を支える人々、

映画を楽しむ人々、

 

 

みんなで

 

過去の遺産としてのフィルム、

そしてこれからのフィルムを

 

次の世代に届けたいものですね。

 

 

本作、

オンラインでも上映しているそうです。

 

vimeo.com/ondemand/film2021

 

視聴可能期間:

2022年10月15日(土)14時〜23日(日)24時

 

料金:1,400円(72時間)

会場で鑑賞したら割引(半額の700円)あり。

 

 

ちなみに、

 

石原香絵さんが

チラッと仰っていましたが、

 

本作を

劇場の大スクリーンで観るのは

初だったそうで、

 

違う作品かと思うくらい

感動されたそうですよ。

 

 

映画館あるあるですね。ww

 

 

もしお近くであれば、

ぜひ劇場へ。

 

次回は10月21日(金)13時30分〜

@神戸映画資料館

 

 

遠方の方はオンラインで。

 

オンラインは、

巻き戻したり、止めたりできるので

その点、良いですよね。ww

 

 

(2022年10月17本目。本年度370本目、映画館196本目)

 

 

スタッフ

監督・脚本イネス・トハリア・テラン

プロデューサー:アイザック・ガルシアポール・カデュー

写真  ディレクター :ダニエル・ヴィラー

音楽  作曲家:ロバート・マルセル・レページ

カメラ:ハビエル・トゥルエバ、ジョン・アシュモア、アルムデナ・サンチェス、ダニエル・ヴィラー

サウンド:サルバロ・シルバ・ウース、カイル・スタンフィールド、セルジオ・フェルナンデス、シャンティ・サルバドール

編集:エイブラハム・リフシッツ、イネス・トハリア・テラン

音響編集者:マルタン・カデュー=ルイヤール

ミキサー:ミシェル・ランバート  オンライン

オンライン編集者兼カラリスト:フィリップ・カルボノー

コンピュータ  ・グラフィックス:ジュリアン・シャボ=パケ

ポストプロダクション  スーパーバイザー:イサベッレ・ブシャール

予告編:ルイス・ベルナダス

クロージング ソング  ダブINC エグゼクティブ プロデューサー: ISAAC GARCIA、MARYSE ROUILLARD

 

【英語表記】

DIRECTOR & WRITER: INÉS TOHARIA

PRODUCERS:ISAAC GARCIA, PAUL CADIEUX

DIRECTOR OF PHOTOGRAPHY: DANIEL VILAR

MUSIC COMPOSER:ROBERT MARCEL LEPAGE

CAMERA :JAVIER TRUEBA, JOHN ASHMORE, ALMUDENA SÁNCHEZ, DANIEL VILAR

SOUND: ÁLVARO SILVA WUTH, KYLE STANFIELD, SERGIO FERNÁNDEZ, XANTI SALVADOR

EDITORS :ABRAHAM LIFSHITZ, INÉS TOHARIA

SOUND EDITOR :MARTIN CADIEUX-ROUILLARD

MIXER: MICHEL LAMBERT

ONLINE EDITOR & COLORIST: PHILIPPE CARBONNEAU

COMPUTER GRAPHICS: JULIEN CHABOT–PAQUET

POST-PRODUCTION SUPERVISOR: ISABELLE BOUCHARD

TRAILER:LUIS BERNADAS

CLOSING SONG DUB INC EXECUTIVE PRODUCERS: ISAAC GARCIA, MARYSE ROUILLARD