鑑賞記録(2022.6.26)
上野昂志 氏
【黄昏映画館】刊行記念上映会!
清水宏監督
『花形選手』1937
@シネ・ヌーヴォ
『花形選手』1937/64分/日本/モノクロ/16ミリ/スタンダード
上野昂志による異貌の日本映画史「黄昏映画館」刊行記念上映会《2022年6月25日(土)~7月22日(金)》で、大阪・九条のシネ・ヌーヴォにて開催中の企画。
いったい、軍事演習をこんなに楽しげにやっていいのかと思うが、そこが清水宏の、清水宏らしいところだ。もっとも、そのあと川の浅瀬を走る学生たちを横移動で追うシーンの躍動感は素晴らしいし、また、坪内美子の旅芸人と佐野周二との淡い交流と、それ故の哀しく残酷な行き違いには、前半の楽しさとは別種の悲哀が漂っているのだが。(本企画チラシより※上野昂志「黄昏映画館 わが日本映画誌」からの引用)
あらすじ
大学の陸上部に所属する関(佐野周二)は、練習嫌いだが本番に強い‘花形選手’。今日も昼寝しているところをライバルの谷(笠智衆)に起こされ勝負をするがあっさり勝ってしまう。大学の軍事教練の一環として行われた秋季演習の行軍の途中で関は門附の女と出会う。部隊はその夜、ある村落で夜営をすることになり、そこで関は門附の女と再会。女と二人きりで話しているところを仲間にみつかってしまい大騒ぎになる。(松竹DVD倶楽部、本作ストーリーより)
感想
軍事演習など出てきたので
もう国からの映画検閲が
始まった時期だったかと思ったが
正式に始まったのは1939年なので
一応まだではあるが、
この頃はどうだったのだろうか?
何かにつけて
”勝った方がいい~♪”
ってことで
わりかしフワ~っとしてるので
まだ大丈夫だったのかな??ww
清水宏監督は
結構ベタな笑いが多いので、
会場でも笑いが何度かありましたね。
個人的には、
(もう何度も言っていますが)
清水宏監督作は、
『按摩と女』(1938)が
今まで観たところ
一番面白いと思っていて、
その次は
『蜂の巣の子供たち』(1948)
が良かったですかね。
本作は、
64分と短いこともあってか
人物に関する描写が少なめなので
(少しはあります)
単純に
歌って、行進して、走って、
たまに寄り道、
ちょいちょいコメディー
みたいな感じで
あまり深いところまでは
私には読みとれず・・・
ロケ撮影は健在で、
前半は特に外を歩いたり、
走ったりするシーンが多いですね。
清水宏監督作品も
中々お目にかかれないものも多いので
映画館で上映の際は
ぜひ観たいです。
(2022年6月33本目。本年度219本目、映画館97本目)
スタッフ
監督:清水宏
脚本:鯨屋當兵衛(清水宏)、荒田正男
撮影:猪飼助太郎 音楽:伊藤宣二、島田康
セット:江坂実、穂苅貞一
他
キャスト
佐野周二
日守新一
笠智衆
坪内美子
大山健二
近衛敏明
水戸光子
突貫小僧
他