鑑賞記録(2022.6.3)
ロマン・ポランスキー監督
『オフィサー・アンド・スパイ』
2019@シネ・リーブル神戸
『オフィサー・アンド・スパイ』2019/131分/フランス・イタリア(フランス語)/カラー/4K 1.85ビスタ/5.1ch
19世紀末、フランスで実際に起きた歴史的冤罪事件〈ドレフュス事件〉の映画化。
原作は、作家ロバート・ハリスの同名小説
〈ドレフュス事件〉とは
1894年、フランス。ユダヤ人のドレフュス大尉がドイツのスパイとして終身刑に処せられる。その後、真犯人が現れるが軍部が隠匿。これに対し知識人らが弾劾運動を展開し政治的大事件となった。1899年、ドレフュスは大統領の恩赦により釈放。1906年に無罪が確定した。(本作チラシより)
受賞
ベネチア国際映画祭(第76回・2019年)
銀獅子賞(審査員グランプリ)
原題
J’accuse
一言あらすじ
スパイ容疑で終身刑となったユダヤ人大尉ドレフュス(ルイ・ガレル)。新たに防諜局長に任命されたピエール中佐(ジャン・デュジャルダン)が、実務に当たって調査を進めていくと、スパイはドレフュスではなく、別の人物と確信する。しかし、上官たちに報告するも、証拠はすべて隠蔽や捏造され・・・・
感想
なぜこのような事件が起こったのか?
正直、真相は闇の中・・・?
それでもお話として、
ピエールが
最後まで真実と向き合い、
自分が罪なき罪を被ることになっても
権力に飲まれず、屈せず、
闘ったという点は
すごい信念だと思う。
この精神は、
見習いたいものです。
こんな目に会いたくはないけど!!ww
(以下、ネタばれ含む・・・・)
時代は、
反ユダヤ主義が横行している時代。
ユダヤ人であるドレフュスを
公判なしに有罪にしたものの、
それが間違っていると気付いても
誤りを認めない、
(むしろワザと罪を着せた??)
国家レベルの隠蔽・・・
国家権力の体裁を守るため??
というだけでは、、、
何か引っかかる・・・・
と、思うのは私だけだろうか??ww
ドレフュスがスパイでなければ、
真犯人がいるわけで、
そうなると国家としても危ういはずだけど・・・
うーーーん、
更なる裏がありそう・・・
と、私は思ってしまうが・・・
ユダヤ人に罪を着せたかった??
にしては、大掛かり過ぎるし、
完全に隠蔽したければ、
なぜピエールを局長に任命したのか・・・
(ピエールは任命により防諜局長に就任し、
少佐から中佐に昇進)
元々防諜局にいた、上官の犬である
アンリ少佐を昇進させれば、
隠蔽は確実に守られただろうに・・・・
なぜ???
なんて思うが、
原作を読んでいないし、
さらに、
実話に基づいてはいるが、
分かっていることも
限られるのだろうし。
国家権力と、
組織に属する大多数が嘘をつくことで
真実が嘘とみなされる。
そして人種的差別・・・
そんな中、
真実の為に闘った男の物語。
国家権力が隠蔽を図るのは、
悲しいかな
もはや常套手段となっている、、、
と国民も既に理解している現代・・・。
本当の真実は闇の中・・・
なんてやはり思ってしまいますが。ww
国家権力の陰謀などの
お話がお好きなら、
『モーリタニアン 黒塗りの歴史』
(2021:ケヴィン・マクドナルド監督)
なんかも実話を基に描いた作品で
面白いと思います。
(ドキュメンタリーがお好きなら
『コレクティブ 国家の嘘』
(2019:アレクサンダー・ナナウ監督)
も、面白いかも。)
歴史スペクタクルを
観客としてより楽しむには
多方面からのアプローチも
視野に入れておきたいなと思う私です。
(2022年6月3本目。本年度189本目、映画館79本目)
スタッフ
監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロバート・ハリス、ロマン・ポランスキー
原作:ロバート・ハリス
撮影:パベル・エデルマン 音楽:アレクサンドル・デスプラ
衣装:パスカリーヌ・ジャバンヌ 美術:ジャン・ラバッセ
編集:エルベ・ド・ルーズ 製作:アラン・ゴールドマン
日本語字幕:丸山垂穂 字幕監修:内田樹
提供:アスミック・エース、ニューセレクト、ロングライド
配給:ロングライド
他
キャスト
ピカール:ジャン・デュジャルダン
ドレフュス:ルイ・ガレル
ポーリーヌ:エマニュエル・セニエ
アンリ:グレゴリー・ガドゥボワ
ラボリ(弁護士):メルビル・プポー
ベルティヨン(筆跡鑑定人):マチュー・アマルリック
他