鑑賞記録(2022.9.16)荻上直子監督『川っぺりムコリッタ』2022@kino cinema神戸国際

鑑賞記録(2022.9.16)

荻上直子監督

川っぺりムコリッタ』2022

@kino cinema神戸国際

『川っぺりムコリッタ』2022/120分/日本/カラー

撮影は、2020年9月上旬より10月上旬にかけ富山にて行われた。(公式サイトより)

 

ムコリッタ

ムコリッタという単語は、仏教の時間の単位のひとつであり、30分の1日で、刹那というのはその最小単位だということです。30分の1日、なんて曖昧な時間でしょう。このお話の中に流れる時間にぴったりだと思いました。

荻上直子監督(2022年月刊シナリオ10月号 脚本・監督ノート『川っぺりムコリッタ』映画って果てしなくムズカシイ より一部抜粋)

 

公式サイト 荻上直子監督インタビューより (Q&A 一部抜粋)

川っぺりムコリッタ』は、ご自身が書いた小説が原作ですね。

実は、最初から映画にするつもりで脚本を先に書いていました。けれど、製作がなかなか進まなかったので、その間に小説を書いたんです。なので通常の小説の映画化とは違うかもしれません。

主演の松山ケンイチさんを始め、ムロツヨシさん、満島ひかりさんなど実力派の俳優が顔を揃えていますが、
キャスティングはどのようにされたのですか?

私は特定のキャストを想定しての当て書きはしないので、キャスティングはいつも制作が決まったあたりからプロデューサーと相談しながら進めていきます。ですが、松山さんに関しては、脚本を書き終えたすぐ後に行った2017年のイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭で、初日にご飯を食べに行ったら目の前にいらしたんです。これは運命だなと思って、主演は絶対に松山さんにお願いしたいと熱望しました。満島さんには、純真な部分を心の芯に残したまま大人になったような人だという印象を持っていました。
その印象は間違っていなかったと現場で思いました。人のココロ読むし、怖い。その純真な部分が映画に表れていると思います。島田のキャラクターは、一番、キャスティングが難しかったのですが、ムロツヨシさんはぴったりだったと思います。人の部屋にズケズケと上がりこんでくるように厚かましさもあり、本当は繊細な人かもしれないという得体の知れない部分もある。テレビでよく見るムロさんのキャラクターとは違い、こちらの要求に真摯に応えようと努力を惜しまず、とても真面目な方でした。吉岡さんは、この映画の大黒柱のような存在でした。どっしりと構えて受け止めてくれているような、そんな安心感を与えてくれ、私は現場でずいぶん吉岡さんに頼っていたように思います。

 

撮影はすべて富山でロケされたそうですが、ロケ地はどのように選んだのですか?

山田が塩辛工場で働くという設定だったので、塩辛の名産地を調べたら、富山ではイカスミを使った黒い塩辛が作られていると知って、ちょっとおもしろいかなと思って富山に決めました。コロナ禍での撮影でしたが、温かく撮影隊を迎えてくださり、とても撮影がしやすかったです。

 

一言あらすじ

とある事情を持つ男・山田(松山ケンイチ)が、紹介を受けてやって来た働き口の工場。その工場の社長から住む場所として紹介されたアパート、ハイツムコリッタ。そこの住人達や、工場の社長らとの交流を通して、ほんの少しずつ、変化が・・・

 

感想

かもめ食堂』(2005)も

とっても素敵な映画でしたが、

 

 

本作もとても面白かったです!!

 

 

荻上直子監督の、

他の作品も是非観たいと思いますね。

 

 

何度もお伝えしていますが、

 

今回は、原作は未読ですが、

脚本は事前に読みました。

 

 

シナリオの時点でも

とても面白く、

 

 

身寄りのない人の生き方というか

独り身の人の生き方と死を描くので

 

中々内容はしっかりと重いですが、

 

 

しかし軽やかでありながら

丁寧に描かれており、

 

重苦しい雰囲気なく

人生を考えるというか・・・

 

 

ギリギリの生活でも

誰かと一緒にご飯を食べると

 

やっぱり美味しい。

 

 

友達でもなく、

家族でもないけれど、

 

ちょっとお互い

持ちつ持たれつ・・・

 

 

そしてキャスト陣が

全員素敵でした!!!

 

 

想像していた以上に

皆さんハマり役で

 

素晴らしかったです!

 

 

脚本を読んでて、

すでに色々と

面白いところあったけれど、

 

 

役者さんが

そのセリフを話すことで、

 

言葉に命が吹き込まれ、

 

よりイキイキと、

面白く感じました。

 

 

素晴らしかったです。

 

 

 

皆さん

キャラクターもピッタリで

 

何だか嬉しくなるほどでした。

 

 

 

映像もとても美しく、

富山の大自然が映り、

 

 

そしてイカの塩辛と

お漬物が美味しそうで・・・ww

 

 

炊き立てのご飯で

ほっこり幸せ、ですね。

 

 

 

ちょいちょい笑いながらも

ちょいちょいグッときて

 

最後もグググッときました!!w

 

 

自分の生き方にも

通じる部分があって

 

他人事には思えない・・・

 

 

 

生きていれば

何かしら問題あれど、

 

心温まる素敵な作品でした。

 

 

(2022年9月19本目。本年度333本目、映画館177本目)

 

 

 

スタッフ

監督・脚本・原作:荻上直子

撮影監督:安藤広樹

音楽:パスカルズ

照明:重黒木誠

録音:池田雅樹

美術:富田麻友美

装飾:山崎悠里

スタイリスト:堀越絹衣

衣装:村上利香

ヘアメイク:須田理恵

編集:普嶋信一

VFX:古橋由衣

整音:瀬川徹夫

音響効果:大河原将

フードスタイリスト:飯島奈美

スクリプター:天池芳美

助監督:藤森圭太郎

制作担当:鳥越道昭

製作:堀内大示、五老剛、多湖慎一、中西一雄、益田祐美子、亀山暢央、竹内力、五十嵐淳之、鈴木貴幸、川村岬、中西修、駒澤信雄

企画プロデュース:水上繁雄、飯田雅裕

プロデューサー:野副亮子、永井拓郎、堀慎太郎

共同プロデューサー:成瀬保則、神保友香

協賛:キタノ住建、メディアスタッフビジョン、山栄

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会

配給:KADOKAWA

宣伝協力:シンカ

制作プロダクション:RIKIプロジェクト

製作幹事:KADOKAWA、朝日新聞社

製作:「川っぺりムコリッタ」製作委員会(KADOKAWA、朝日新聞社、メ〜テレ、カルチュア・エンタテインメント、平成プロジェクト、basil、RIKIプロジェクト、ムービーウォーカー、Filmarks、ねこじゃらし、富山テレビ放送、北日本新聞社)

 

キャスト

山田たけし:松山ケンイチ

島田幸三:ムロツヨシ

南詩織:満島ひかり

溝口健一:吉岡秀隆

中島:江口のりこ

堤下靖男:柄本佑

大橋:田中美佐子

沢田:緒形直人

タクシー運転手:笹野高史

電話の女性(声):薬師丸ひろ子