鑑賞記録(2022.7.7)【デジタルリマスター版】シャンタル・アケルマン映画祭!シャンタル・アケルマン監督『オルメイヤーの阿房宮』2011@Cinema KOBE

鑑賞記録(2022.7.7)

【デジタルリマスター版】

シャンタル・アケルマン映画祭!

 

シャンタル・アケルマン監督

オルメイヤーの阿房宮』2011

Cinema KOBE

『オルメイヤーの阿房宮』2011/127分/ベルギー・フランス/カラー

『地獄の黙示録』(79)のもとになった「闇の奥」で知られるイギリスの作家ジョゼフ・コンラッドの処女小説を脚色。時代も場所も明かされず抽象化された設定の中で、狂気と破滅の物語が繰り広げられる。原作の持つ実存主義と家父長制という重苦しいテーマを孕みながらも、アジアの街並みを自在に歩き回る娘を横移動で捉えたカメラが素晴らしく、幻想的なまでに美しい。(『シャンタル・アケルマン映画祭』チラシより)

アケルマン監督作「囚われの女」でも主演を務めたスタニスラス・メラールがオルメイヤーを演じ、「薬指の標本」のマルク・バルベが共演。(映画.comより)

またアケルマンは、その約10年後に、今度は、19世紀後半の植民地下のボルネオ(映画のロケ地はカンボジア)を舞台にしたジョゼフ・コンラッドの『オルメイヤーの阿房宮』の映画化に挑戦する。そして、現地の女性との間に生まれた混血の娘ニナに過度に執着する白人の没落商人オルメイヤーを演じるのは、またしてもメラールだ。水のイメージがどこか「死」を連想させるという意味でも『囚われの女』を彷彿とさせるこの映画で、オルメイヤーの妄執を表象するのは、今度はトラベリング・ショットだ。夜のジャングルで娘を追いかけるオルメイヤーを滑るように捉え続けるカメラは、『東から』で卓抜な移動撮影の才を見せたレイモンド(レモン)・フロモンの手によるものだ。(『「部屋」から世界へ 移動し続けた映画作家シャンタル・アケルマン』小柳帝 ライター・編集者 『シャンタル・アケルマン映画祭』チラシより一部抜粋)

 

原題

La Folie Almayer

 

一言あらすじ

東南アジア奥地の河畔にある小屋で暮らす白人の男オルメイヤー。彼は現地の女性との間に生まれた娘を溺愛し外国人学校に入れるが、娘は父親に反発するように放浪を重ねていく……。(『シャンタル・アケルマン映画祭』チラシより)

 

感想

ぬぬぬ・・・!!!

 

これは凄い!!!!

 

誰!?

撮影カメラマンは!?!?

 

 

 

個人的に

超好み、超素晴らしい!!

 

超最高の撮影です!!!

 

 

 

レイモンド・フロモン氏が

撮影となっております。

 

 

 

(調べても全然出てきません・・・

唯一『はちみつ色のユン』(2012)という

アニメと実写の作品に名前があるだけ・・・)

 

 

(※追記:もらったチラシに

ライターの小柳帝さんによるお話が

チラッとありました。)

 

 

 

本作は、

小説を脚色していることもあり

ストーリー性が色濃く出ています。

 

 

 

冒頭から何やら

ただならぬ雰囲気・・・

 

 

 

回想していく形でお話が進みます。

 

 

 

素晴らしい構図とカメラワーク!!

 

 

 

なんといってもカメラワークが凄い!!

 

 

 

絶妙な寄せ!!

 

スローかつ完璧に人物達を捉え

安定感がありながら、動きがあり

 

見逃せません!!!!!

 

 

 

 

長回しの歩き続けるショットも

カメラのブレがほぼなく、

 

何かに乗って移動撮影してる??のか

わかりませんが

 

(道的にカメラ担いで

歩き移動してるのかと思ったけど・・・)

 

 

見事な撮影っぷりです!!!

 

 

惚れ惚れするカメラワークが随所に見られ、

本当に素晴らしかった。

 

 

(個人的にビビったのは、

オルメイヤーと船長の二人が部屋で話す場面!!

カメラに澱みがありません。

照明も絶妙です。自然光のみなのかな!?)

 

 

 

さらには、

美術、照明もとても好みで

 

印象的な美しい場面が

あちこちに観られます。

 

 

 

本作も、冒頭から美しい。

 

 

完全に私の個人的な好みですが。

 

 

 

何度も書いていますが、

 

私は、

冒頭が命と言っていいほど、

 

冒頭どう出るかで

その後、好みかどうかが

ほぼ決まります。

 

 

 

そしてほぼほぼ

それが当たります。

 

 

冒頭ショットにピンと来なくて

 

後から意外と面白いというのも

稀にありますが、

 

 

大体そこで好みかどうか

わかっちゃいますね。

 

 

 

惚れ惚れする画と

 

今の所のアケルマン監督

3作品観た中では

一番物語性があったので

 

どんなお話なのかと

画面を見つめて観ていました。

 

 

 

いや〜、

 

私の大好きな映画

 

三隅研次監督の

『座頭市物語』(1962)ぶりに

 

痺れた構図と画です!!!ww

(撮影:牧浦地志)

 

 

 

 

ただ、最近思うのは、

 

一般的な評価と

自分の評価に

 

齟齬があること結構あるよな〜

 

と思うので

 

私の感性にビビッとくるのは

一般的にはあまりウケないのかもしれない・・・

 

とも思っている・・・・

 

 

(と言いつつも、

不動の殿堂入りマイベストは

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

『ドライブ・マイ・カー』

なので、超絶評価されてるけども!)

 

 

 

中々、共感者が少なそうで

ちょっと寂しいが・・・w

 

 

 

まぁ、人の好みは

人それぞれですからね!

 

 

 

こんなこと言う者もいる

ってことで・・・笑

 

 

(2022年7月13本目。本年度239本目、映画館109本目)

 

 

 

スタッフ

監督・脚本:シャンタル・アケルマン

撮影:レイモンド・フロモン

録音:ピエール・メルテンス

編集:クレア・アサートン

衣裳:カトリーヌ・マルシャン

美術:パトリック・デシェスネ、アラン=パスカル・フーショー

製作:パトリック・キネ、シャンタル・アケルマン

 

キャスト

オルメイヤー:スタニスラス・メラール

リンガード船長:マルク・バルベ

ニーナ:オーロラ・マリオン

デイン:ザック・アンディアナ

ザヒラ:サクナ・オウム