鑑賞記録(2022.1.29)
色彩とショットの魔術師!
アニエス・ヴァルダ監督
『幸福(しあわせ)』1964 U-NEXT
『幸福(しあわせ)』1964/80分/フランス/カラー
U-NEXTで視聴期限が2022年1月末までとなっており、ここ数日、ジャック・ドゥミ&アニエス・ヴァルダ監督を鑑賞している。
原題
仏語:Le Bonheur
受賞
1965年
ベルリン国際映画祭:銀熊賞、審査員特別賞
ルイ・デリュック賞(フランスの映画賞)
1966年
キネマ旬報外国映画ベルトテン 第3位
一言あらすじ
妻子に恵まれ、幸せに暮らし、不満のない生活をしているフランソワ(ジャン=クロード・ドルオ)だが、ある日、郵便局員の女性・エミリー(マリー=フランス・ボワイエ)を好きになり、関係がはじまるが・・・
感想
アニエス・ヴァルダ監督の
色彩感覚が最高に好き!!
今回はカラーとあって
色彩感覚、
爆発!!!
色遣い、
好き過ぎます!!
色の組み合わせ、色調、
本当にオシャレで、かわいく
綺麗。
撮り方も好き!!
ひと癖ある様な、
なにかひねりのある、
ちょっと面白い映し方が
随所に出てきて、
普通に画面を進めないところが
彼女らしい。
『5時から7時までのクレオ』でも
そう思った。
ストーリーの方は、
お話を観終わった後、
正直、
なんとも言えない妙な気持になった・・・
お話のネタばれになるので、
あまり詳しくは言いたくないが・・・
タイトルに『幸福』
と、言い切ってしまうところが
潔い。
状況的には、
単純に幸福と
言えないところがあるのだが、
・・・たしかに、
フランソワは、、、、
幸福なのか・・・・
???
さらには、
お国柄なのか
登場人物の性格設定なのか、
男女関係の受け入れ方が、
独特というか、
大人というか、
女のしたたかさなのか
愛とはそういうものなのか・・・
など、
色々考えさせられる。
もちろん言葉が
本音そのものでもないだろうし・・・
うーーん、、、
とりあえず私は、
テレーズみたいにも
エミリーみたいにも
なれないだろうな~、、、
というか、
そんな思い、
したくないかな。笑
海のように寛容な女性たちです。ww
幸福とは、
人それぞれですね。
しかし、
劇的な事件はあっても
その後のお話の
淡々感。
逆にリアル・・・・かも?
衝撃的な悲しい出来事があっても
人生は続いて行く。
そこには、
また新たな幸福がある・・・・
個人的には、
ドラマティックなものを考えちゃうから、
不幸な出来事の連鎖反応で
また不幸が起こる・・・
なんてのを期待する自分が
どこかにいたことに気付く。w
日本の巨匠たちが描く、
(溝口健二、成瀬巳喜男など)
これでもか!!
そこまでやるか!?
ってくらいの
ダメ押しの不幸話を、
昨年末から今月辺りにかけて
観ている影響かもしれない。ww
あと、
キャストをみて気付いたのだが、
この夫婦と子供たち
リアルの家族!
みたいですね。
だから冒頭の素敵なシーンが
撮れたのか~!と。
とても自然なのは、
そういうところなんですね。
色々思うところアリの、
面白い作品でした。
ぜひ、機会があればご覧ください。
(2022年動画鑑賞35本目)
スタッフ
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
音楽:ジャン=ミシェル・ドゥファイ 撮影:クロード・ボーソレイユ、ジャン・ラビエ 編集:ジャニーヌ・ヴェルノー 製作:マグ・ボダール
キャスト
フランソワ:ジャン=クロード・ドルオー
テレーズ:クレール・ドルオー
エミリー:マリー=フランス・ボワイエ
ピエロ(子役):オリヴィエ・ドルオー
ジズー(子役):サンドリーヌ・ドルオー
ポール:ポール・ヴァキアリ