鑑賞記録(2022.8.7)生誕90周年上映【フランソワ・トリュフォーの冒険】フランソワ・トリュフォー監督『野性の少年』1969@アップリンク京都

鑑賞記録(2022.8.7)

生誕90周年上映

【フランソワ・トリュフォーの冒険】

 

フランソワ・トリュフォー監督

野性の少年』1969

アップリンク京都

生誕90周年上映 フランソワ・トリュフォーの冒険 上映作品

4Kデジタルリマスター版】(アップリンク京都は2K上映)

(※以下、5作品は「アントワーヌ・ドワネルの冒険」シリーズ)

『大人は判ってくれない』 1959/99分

『アントワーヌとコレット〈二十歳の恋〉より』1962/30分(※『夜霧の恋人たち』と同時上映)

夜霧の恋人たち』    1968/91分(※『アントワーヌとコレット〈二十歳の恋〉より』と同時上映)

家庭』         1970/97分

逃げ去る恋』      1979/95分

 

デジタルリマスター版

『あこがれ』(短編)   1957/18分(※『私のように美しい娘』と同時上映)

恋のエチュード』    1971/130分

私のように美しい娘』  1972/98分(※『あこがれ』と同時上映)

終電車』        1980/131分

突然炎のごとく』    1961/106分

野性の少年』      1969/85分

アデルの恋の物語』   1975/97分

 

 

『野性の少年』1969/85分/フランス/モノクロ/ヨーロッパビスタ(1×1.66)

ジャン・イタール(Jean Marc Gaspard Itard:フランスの医師で、聾唖教育者)によるアヴェロンの野生児の記録を映画化した。

イタール博士はトリュフォー自身が演じている

レムリ夫妻とその子どもは、映画監督のクロード・ミレール一家のカメオ出演。

照明の光源は本物のロウソクを使った。ロウソクの光だけで撮影する手法はスタンリー・キューブリック監督が1975年に『バリー・リンドン』で試みているが、本作の方が6年早い。カメラマンのアルメンドロスはそのことを密かに自慢にしていたらしい。

後のトリュフォー映画でも使用される「アイリス」の技法(絞りを使ったクローズアップ)が本作では多用されている。アネット・インスドーフは『フランソワ・トリュフォー、彼の人生の映画たち』のなかで、アイリス・イン(暗→明)は発展や進歩や希望、アイリス・アウト(明→暗)は停滞や曖昧さやペシミズムを表現すると分析している。

スティーヴン・スピルバーグ監督は本作に感銘を受けて、『未知との遭遇』のフランス人科学者役をトリュフォーに頼んだ。ラストシーンにその影響がみられる。

(↑ウィキペディアより)

(中略)この医師の役は、結局は映画監督と同じであって、俳優の演じる役ではないと確信するに至ったのです。監督が俳優に演技をつけるように、医師イタールは野性の少年に人間としての動きをつけてやるのです。これはわたし自身の仕事だと思いました。『大人は判ってくれない』のときには、わたしは少年(ジャン=ピエール・レオー)に自分を同化させていました。しかし『野性の少年』では完全に大人の側に立っている自分に気付いたのです。(中略)外部から、映画を見た他人の言うことから、気付かされたのです。この映画をジャン=ピエール・レオーに捧げたのも、そんな理由からなのです。(公式プログラムP.50-51より一部抜粋)

撮影期間:1969年7月7日〜9月1日(35日間)。撮影場所:オービア(オーベルニュ地方)、パリ

パリ公開:1970年2月25日、日本公開:1970年12月19日(東京・みゆき座)

(↑『フランソワ・トリュフォー映画読本』より)

 

原題

L’Enfant sauvage

あらすじ

18世紀末。フランス中部にあるアベロンの森で、獣のような生活をしていた人間の少年(ジャン=ピエール・カルゴル)が発見された。言葉を発せず意思疎通が困難な少年はパリのろうあ研究所に送られ、酷い扱いを受ける。見かねたイタール博士(フランソワ・トリュフォー)は少年を自宅に引き取り、家政婦のゲラン夫人(フランソワーズ・セニエ)と協力しながら教育していく・・・(映画.comより)

 

感想

ジャングルブックと

ヘレン・ケラーのお話を

 

混ぜ合わせたような

物語だと思ったが、

 

 

実話を基にしている。

 

 

おそらく捨てられたのであろうと

劇中で推測される

野生児の少年。

 

 

 

幼い頃から

一人で森で生き延びてきて

まるで動物のよう。

 

 

言葉ももちろん通じない・・・

 

 

森で発見されてから

研究のために街へ連れて来られるが

 

見せ物にされたり、

ひどい扱いを受けたり・・・

 

 

 

結果的に

イタール医師が引き取る。

 

 

ゲラン夫人と共に

野生児をヴィクトールと名付け、

 

教育をしていく・・・

 

 

 

ヴィクトールも周りの人も

お互に

とっても大変だけど、

 

少しずつ変化が・・・

 

 

 

愛情を持って接する人達。

 

時間をかけて

時間をかけて・・・

 

 

何度も挫折しそうになりながらも、

みんな本当に忍耐力があります!

 

 

ヴィクトールも頑張ります!!

 

 

 

その結果、

 

当初は考えられなかった

変化が。

 

 

現実は小説より奇なり!!

 

ですね。

 

 

お話は途中で幕を閉じますが、

 

(中略)ヴォクトールは、医師イタールの手を離れてからも、イタールの家政婦であり国立聾唖学院の監督婦だったゲラン夫人の世話で、フイヤンチーヌ街4番地の聾唖学校の附属家屋で静かな生活を送り、推定40歳まで生きることになる。(公式プログラムP.57より一部抜粋)

 

だそうです。

 

 

映画が終わって、

 

その後どうなったのかと

気になったので、

勝手に少しホッとしました。w

 

 

(2022年8月14本目。本年度283本目、映画館146本目)

 

 

スタッフ

監督:フランソワ・トリュフォー

脚本・台詞:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー

原作:ジャン・イタール「アヴェロンの野生児」

監督補:シュザンヌ・シフマン

撮影:ネストール・アルメンドロス

音楽:ヴィヴァルディ

音楽監督:アントワーヌ・デュアメル

録音:ルネ・ルヴェール

記録:クリスチーヌ・プレ

編集:アニエス・ギユモ

美術:ジャン・マンダルー

小道具:ジャン=クロード・ドルベール

衣裳:ジット・マグリーニ

ヘアメイク:ニコル・フェニックス

助監督:ジャン=フランソワ・ステヴナン

撮影助手:フィリップ・テオディエール、ジャン=クロード・リヴィエール

録音助手:ロベール・カンブーラキス

編集助手:ヤン・デデ

美術助手:ジャン=ピエール・コユット

スチール写真:ピエール・ズカ

進行:ロラン・テノ

製作主任:クロード・ミレール

製作代表:マルセル・ベルベール

製作:LES FILMS DU CARROSSE / LES PRODUCTIONS ARTISTES ASSOCIES

 

キャスト

ヴィクトール(アヴェロンの野生児):ジャン=ピエール・カルゴル

ジャン・イタール:フランソワ・トリュフォー

フィリップ・ピネル:ジャン・ダステ

フランソワーズ・セニエ(ゲラン夫人):フランソワーズ・セニエ

レミー:ポール・ヴィレ

聾唖学院の看護人:ピエール・ファーブル

レムリ氏:クロード・ミレール

レムリ夫人:アニー・ミレール

赤ん坊:ナタン・ミレール