鑑賞記録(2022.3.11)濱口竜介監督特集上映~言葉と乗り物~ 酒井耕・濱口竜介監督『なみのおと』2011 @元町映画館

鑑賞記録(2022.3.11)

濱口竜介監督

特集上映~言葉と乗り物~

 

酒井耕・濱口竜介監督

『なみのおと』2011

@元町映画館

 

『なみのおと』2011/142分/日本/カラー

津波被害を受けた三陸部に暮らす人々の対話を撮り続けたドキュメンタリー。親しいもの同士が震災について見つめ合い、語り合う口承記録の形が取られている。未曽有の事態に対してカメラは何を記録し、この被災を伝え続けることが出来るのか。被災地の悲惨な映像ではなく、映画が「良き伝承者」となるよう、対話と、そこから生成される人々の感情を記録しようとする。(「言葉と乗り物」チラシより)

濱口竜介と「ホームスイートホーム」の酒井耕が共同監督でで手がけた東北記録映画3部作の第1部(第2,3部「なみのこえ 気仙沼」2013、「なみのこえ 新地町」2013)

 

東日本大震災

東日本大震災は、2011年3月11日14時46分頃に発生。三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130km付近で、深さ約24kmを震源とする地震。マグニチュード(M)は9.0。これは日本国内観測史上最大規模、アメリカ地質調査所(USGS)の情報によれば1900年以降、世界でも4番目の規模の地震でした。(内閣府 防災情報のページ:東日本大震災の概要より一部引用抜粋)

 

一言あらすじ

東日本大震災で津波被害を受けた人々の「対話」を集めたドキュメンタリー。岩手県宮古市田老地区から福島県相馬郡新地町まで南下しながら、家族や仲間など親しい者同士が震災とその後について語り合う姿を映し出す。(映画.comより)

 

感想

今から11年前の今日。

 

東日本大震災が起きた。

 

 

 

当時、

私は東京に暮らしており

 

地震の揺れを

ひとり当時の自宅で感じたことを

今でもはっきり覚えている。

 

 

 

本作は、

実際に地震と津波を体験された方々の

当時の状況を

 

家族や知人、友人、

または監督が聞き手となり

 

語ってもらうのを聞いて行くというものだ。

 

 

 

先に、

当日私は東京で地震を感じたと書いたが、

 

阪神淡路大震災(1995.1.17)でも、

地震の揺れを体験した。

 

 

 

私の場合は、

どちらも自宅に大きな被害はなく

知人に亡くなったものもいなかった。

 

 

 

本作の中には、

リアルに津波を体験された方の話もあり、

 

その当人にしかわからないもの

 

というものはあるだろうが、

 

 

伝承することというのは

意義深いと思う。

 

 

 

 

本作の冒頭で、

昭和8年当時に起きた

津波の話の紙芝居があるが、

 

それもおじいさんから

ずっと聞かされていた話を

 

その孫であった方が

後に紙芝居にしたもののようだ。

 

 

 

”津波がきたらとにかく山へ逃げろ”

 

 

 

一度も経験したことがなかったら

まさか海が町を飲み込むなんて

思いもつかないことかもしれない。

 

 

とっさの判断が

命を繋ぐか、取られるか

に、なることもある。

 

 

 

それから11年。

 

 

 

震災直後の状況は

テレビなどでしか知らないから、

実際のことはわからないし、

 

現在どこまでどう復興しているか

何も分かっていない私には、

何も言う資格はないが、

 

 

 

10年なんてあっという間だ。

 

 

新しく変わるもの

未だ変わらないもの

 

 

目に見える姿は変わっても

 

 

残された傷跡は、

きっといつまでも

心には消えることなく刻まれる。

 

 

 

 

本作「なみのおと」より先に

 

「なみのこえ 気仙沼」

「なみのこえ 新地町」

「うたうひと」

 

は、以前に神戸映画資料館で観ていて

本作だけどうしても日程が調整できず、

見逃していた。

 

 

 

震災があった同じ日に、

こうして震災のことを考えるのは

感慨深い。

 

そういえば2年前コロナ自粛要請ギリギリで3月11日、

友人と仙台にて宮城の日本酒[確か気仙沼産も]

飲んだのを思い出した。)

 

 

 

 

単なる記録ではなく、

生きる人々の声を紡ぐ

 

今後も

伝承していってほしい

 

 

(2022年3月16本目。本年度87本目、映画館31本目)

 

 

スタッフ

監督:酒井耕・濱口竜介

撮影:北川喜雄 製音:黄永昌 制作者:堀越謙三、藤幡正樹