鑑賞記録(2022.7.17)黒澤明監督『野良犬』1949 U-NEXT

鑑賞記録(2022.7.17)

黒澤明監督

野良犬』1949

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『野良犬』1949/122分/日本/モノクロ/スタンダード

終戦直後の東京を舞台に、拳銃を盗まれた若い刑事がベテラン刑事と共に犯人を追い求める姿を描いた、黒澤監督初の犯罪サスペンス映画である。東宝争議の影響で東宝を離れていた黒澤が他社で撮った作品の1本である。(新東宝・映画芸術協会製作、東宝配給。)

日本映画において、ドキュメンタリータッチで描く刑事ものという新しいジャンルを開拓し、画期的な作品として、その後の同系作品に影響を与えた。また『醉いどれ天使』同様、戦後の街並みや風俗とその中で生きている諸々の登場人物が生き生きと描写されている。当時、黒澤は東宝争議の余波で東宝での映画製作を断念し、師の山本嘉次郎や本木荘二郎らと映画芸術協会に参加して他社で映画を撮っていた。本作は大映で撮った『静かなる決闘』に続いて他社で撮った2本目の作品で、映画芸術協会と新東宝の提携により製作した。

探偵小説の愛読者でもあった黒澤は、ジョルジュ・シムノンを意識したサスペンス映画を作ろうと企画し、新人の脚本家菊島隆三を共作に抜擢し、彼を警視庁に通わせて題材を集めさせた。そこで捜査一課の係長から、警官が拳銃を紛失することがあるというエピソードを入手、それを採用して熱海で脚本を作り上げた。

撮影のほとんどは貸しスタジオの太泉スタジオで行われた

復員服姿の村上刑事が闇市を歩く場面では、助監督の本多猪四郎と撮影助手の山田一夫の2人が上野の本物の闇市で隠し撮りを敢行し、本多は三船敏郎のスタンドインを務め、山田がアイモを箱の包に入れて撮影した。黒澤は後に「この作品で戦後風俗がよく描けていると言われるが、それは本多に負うところが大きい」と語り、本多を称賛している。

後楽園球場で刑事2人が拳銃の闇ブローカーを捕まえるシーンでは、実際の巨人対南海の試合映像が使われており、川上哲治・青田昇・千葉茂・武末悉昌ら当時の選手の姿も見られる。

2010年(平成22年)に公開された『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』では、本作のオマージュが随所に捧げられており、バスの乗客に本作の志村喬と三船敏郎と同じ格好をした者がいる。

世界三大映画祭における監督賞を制覇したアメリカの映画監督であるポール・トーマス・アンダーソンは、本作をお気に入りの一本に挙げており、自身の作品である『マグノリア』では、本作へのオマージュとして警官が拳銃を紛失するというエピソードを描いた。

(↑ウィキペディアより)

 

一言あらすじ

若い刑事・村上(三船敏郎)が所持していた拳銃を盗まれ、その拳銃によって事件が起こる。村上は、ベテラン刑事の佐藤(志村喬)の助けを借りて、事件を追うが・・・

 

感想

さすがは巨匠!!

と、思わせる

 

 

独特な演出やら

カメラワーク、

 

余韻を残しつつ

スルリと次々移り変わっていくカット

 

かと思えば

 

ちょっと長回しがあったりと

 

 

独特の雰囲気が

至る所に散りばめられています。

 

 

 

特にハリウッドでの

黒澤明監督の評価が高いというのが

(欧州では溝口健二監督だそうで)

 

 

なんとなくわかる気がする・・・www

 

 

 

基本、

カットがバンバン変わっていくのが

苦手なタイプの私だが

 

 

本作は、

軽快さだけを残し、

 

付いていけない感じがしない。

 

 

 

それは、

 

しつこく同様の場面を

カットを変えて何度も映すからなのか、

 

微妙なカットの秒数なのか

わからないが。

 

 

 

音楽の使い方も面白く、

 

場面と対極とも思える

音楽の使い方がされています。

 

 

 

これは今となれば

ちょくちょく見かけるパターンですが

 

当時はどうだったのでしょうか?

 

 

おそらく珍しかったのでは?

ないでしょうか。

 

 

 

そして、

三船敏郎さんの眼光の鋭さ!!

(演出がまた良い)

 

 

志村喬さんの

素晴らしいキャラクター!!

 

痺れますね。

 

 

 

一昨日に

黒澤明監督が敬愛する

ジョン・フォード監督の

怒りの葡萄』(1940)を観ましたが

 

 

軽快さや、スリリングさなど

やはりどこか通ずるところも感じます。

 

 

 

日本を代表する

世界的監督

黒澤明監督作品、

 

まだまだ観ていないもの多数なので

これから徐々に観ていこうと思います。

 

 

(2022年7月28本目。本年度254本目)

 

 

スタッフ

監督:黒澤明

脚本:黒澤明、菊島隆三

撮影:中井朝一 照明:石井長四郎

録音:矢野口文雄 美術:松山崇

振付:縣洋二 音楽:早坂文雄

助監督:本多猪四郎 編集:後藤敏男

製作主任:平木政之助 監督助手:今泉善珠

B班撮影:山田一夫 美術助手:村木与四郎

音響効果:三縄一郎 現像:新東宝現像所

製作:本木荘二郎

 

キャスト

村上刑事:三船敏郎

佐藤刑事:志村喬

並木ハルミ:淡路惠子

ハルミの母:三好榮子

ピストル屋のヒモ:千石規子

桶屋の女房(遊佐の姉):本間文子

スリ係市川刑事:河村黎吉(松竹)

光月の女将:飯田蝶子(松竹)

桶屋のおやぢ:東野英治郎(俳優座)

阿部捜査主任:永田靖(俳優座)

呑屋のおやぢ:松本克平(俳優座)

遊佐(特攻隊あがりの復員兵):木村功(俳優座)

スリのお銀:岸輝子(俳優座)

レビュウ劇場の演出家:千秋實(バラ座)

ホテル彌生の支配人:菅井一郎(第一協團)

係長中島警部(村上の上司):清水元(第一協團)

水撒きの巡査:柳谷寛(第一協團)

本多(拳銃の闇ブローカー):山本礼三郎(第一協團)

鑑識課員:伊豆肇(第一協團)

被害者中村の夫:清水将夫(第一協團)

アパートの管理人:高堂國典

レビュウ劇場の支配人:伊藤雄之助

若い警察医:生方明

さくらホテルの支配人:長濱藤夫

リーゼントスタイルのボーイ:生方功

チンピラ:水谷史郎

老人の町医者:田中榮三

佐藤の妻:本橋和子

あづまホテルのマダム:戸田春子

藝者金太郎:登山晴子

パチンコ屋の女:安雙三枝

支配人の妻:三條利喜江