鑑賞記録(2022.7.16)ジョン・フォード監督『怒りの葡萄』1940 U-NEXT

鑑賞記録(2022.7.16)

ジョン・フォード監督

怒りの葡萄』1940

U-NEXT

 

『怒りの葡萄』1940/128分/アメリカ/モノクロ

1939年に発表されたジョン・スタインベックの同名小説の映画化作品。(この小説により、スタインベックは1940年にピューリッツァー賞を受賞した。後のノーベル文学賞受賞(1962年)も、主に本作を受賞理由としている。)

同年の第13回アカデミー賞ではジョン・フォードが監督賞を、ジェーン・ダーウェルが助演女優賞を受賞、他に5部門がノミネートされた。

おおよそ原作を忠実に再現しているが、原作の政治的な面は影を潜め、むしろ家族ドラマを前面に出している。さらに映画の終結部分において、20世紀フォックス社の社長ダリル・F・ザナックが、監督フォードの意図を無視して勝手に、ママ・ジョードの「民衆はいつでも生き続けるんだよ…」のセリフを付け加えた。

「葡萄」とは、神の怒りによって踏み潰される「人間」のことを意味すると一般に解釈されている。

(↑ウィキペディアより)

撮影は「嵐ケ丘」など、主にウィリアム・ワイラーの作品を受け持つグレッグ・トーランド。(映画.comより)

 

受賞

アカデミー賞(第13回、1939)

監督賞:ジョン・フォード

助演女優賞:ジェーン・ダーウェル

 

原題

The Grapes of Wrath

 

あらすじ

殺人容疑で逮捕されていたトムが故郷・オクラホマに戻ると、家族は猛烈な砂嵐で畑の収穫ができず、土地を追われた後だった。叔父の家で家族と再会したトムは、一路カリフォルニアを目指す。だがたどり着いた移民キャンプでも、過酷な現実が待ち受けていた。(U-NEXTの本作、ストーリーより)

 

感想

世界恐慌と重なる1930年代

 

(世界恐慌の時期は国によって異なり、

ほとんどの国では1929年に始まり、

1930年代後半まで続いた※ウィキペディアより)

 

開墾によって発生した砂嵐

 

機械化で資本主義の格差が

さらに生まれ・・・

 

 

 

いくつも重なる困難の中で、

 

多くの人たちが

家や土地を失い

 

仕事を求めて

オクラホマからカリフォルニアへ・・・

 

 

 

しかも、

これが社会現象となっており

 

主人公たちだけでなく

多くの人たちが

貧困に苦しむ状況・・・

 

 

 

一方、

雇い主の方は

 

少ない仕事を取り合う民衆に対し

低賃金で雇用。

 

 

 

あぁ、この関係は

現代社会にも通じうる・・・

 

 

 

現在は

ここまで酷くはないことが

多いだろうが、、、、

 

 

 

家族は力を合わせ、

機転を効かせ、

 

なんとかその場その場を

切り抜けるが・・・

 

 

 

原作の方が

政治的なそれら要素が強く

 

映画は、

家族に焦点を当てているとのこと。

 

 

 

特に、

母の強さ、偉大さを感じる

一作となっています。

 

 

 

そして、

貧しく苦しい人々が

なんとか互いに支え合う姿は

 

心にグッとくるものがあり

美しいです。

 

 

 

お話は

社会問題や家族の関係、

蔑視のようなものがあったりなど

中々ヘビーですが

 

 

特に前半、

ちょいちょい

クスッと笑える所あり。

 

 

 

ジョン・フォード監督の

 

シレッと挟んでくる

ユーモアのセンスも

 

結構好きです。www

 

 

政治的、社会的な

過酷な側面を描きつつ、

 

 

その中で

家族や人々の優しさも見る

力強い作品です。

 

 

(2022年7月27本目。本年度253本目)

 

 

スタッフ

監督:ジョン・フォード

脚本:ナナリー・ジョンソン

原作:ジョン・スタインベック

撮影:グレッグ・トーランド 音楽:アルフレッド・ニューマン

美術:リチャード・デイ、マーク=リー・カーク、トーマス・リトル

編集:ロバート・シンプソン 技術顧問:トム・コリンズ

製作:ダリル・F・ザナック

 

キャスト

トム・ジョード:ヘンリー・フォンダ

母:ジェーン・ダーウェル

父:ラッセル・シンプソン

祖父:チャーリー・グレイプウィン

祖母:ゼフィ・ティルベリー

ケーシー:ジョン・キャラダイン

ローザシャーン:ドリス・ボードン

アル:O・Z・ホワイトヘッド

グレイヴス:ジョン・カレン

リヴァース:エディ・クイラン

ノア:フランク・サリー

ジョン:フランク・ダリエン

ウィンフィールド:ダリル・ヒックマン

ルーシー:シャーリー・ミルズ